子どもと夫の暴言に疲れたママへ!発達障害・アスペルガー夫に聞いた暴言の原因と対処方法

 

子どもや夫の暴言に疲れてしまっていませんか?叱ったり言い返せば、親子関係・夫婦関係が増々悪化する。関係改善できたからこそ聞けた、発達障害・アスペルガー夫の考えと、実際に実践してわかった暴言への対処方法についてお伝えします。
 

【目次】

1.子どもや夫の暴言に疲れていませんか?
2.発達障害・ASDの人がいつもイライラするのはなぜか?
①当事者のアスペルガー夫に聞くと「不安でパニック」になっている
②不安になりやすい原因は脳にある
3.こうすれば暴言はなくなる!家族ができる対処方法とは?

 
 

1.子どもや夫の暴言に疲れていませんか?

 
 
家族の中での暴言やイライラは、誰にとっても辛いものです。
 
 
特に発達障害を持つ家族がいる場合、その頻度や強度はさらに増すことがあります。
 
 
例えば、子どもが「バカ!」 「アホ!」 「お前なんかいらない」 「うるさい!」 と言ったとき、「何でそんなこと言うの⁉やめなさい!」と叱ると、余計にひどくなることはありませんか?
 
 
夫からも 「偉そうに言うなよ!」 「言い返してみろよ!」 「お前にできるのか?できないだろ」 なんて言われ、言い返そうものなら100倍になって返事が返ってくる…
 
 
我慢してストレスをためているママはいないでしょうか?
 
 
 
 
そうなると、家庭の雰囲気は最悪で、他のきょうだいにも影響が及んだりして、家族みんなが辛い思いをしているかもしれません。
 
 
暴言が日常的に飛び交っている場合、このような状況に直面しているママたちは、心身ともに大きなストレスを抱えますよね。
 
 
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2.発達障害・ASDの人がいつもイライラするのはなぜか?

 
 
わが家には、40代の夫と小2の息子が共に発達障害・自閉スペクトラム症(ASD)と診断されています。
 
 
アスペルガータイプはASDの中で、言葉の遅れや知的能力に問題がなく、論理的な思考かつ弁が立つ方を呼ぶ場合があります。
 
 
夫は本当に弁の立つ人で、夫婦喧嘩になると暴言を吐かれながら言いくるめられ、息子も思い通りに行かないとすぐに暴言が出ていました。
 
 
当時、年長さんで突然不登園になった息子の対応に困り、発達科学コミュニケーション(発コミュ)に出会いました。
 
 
発コミュのおかげで子どもの暴言は落ち着き、夫とも良好な関係が築けるようになりました。
 
 
そもそも、なぜ怒りっぽくなるのか?
 
 
当事者の夫に聞いてわかったことと、脳科学的に説明します。
 
 

◆①当事者のアスペルガー夫に聞くと「不安でパニック」になっている

 
 
落ち着いているときのアスペルガー夫に、どうして怒りやすいのか聞いてみたことがあります。
 
 
次のように教えてくれました。
 
 
「自分が思ったことと違う反応が返ってくると不安でパニックになる」
 
 
「息子からしたら、信頼して大好きなママから言われると余計に不安になると思う」
 
 
会話のキャッチ―ボールも苦手だから、ポンポンと言葉が飛び交うケンカは不安になるし、話し出すと止まらなくなって攻撃的になるんだ」
 
 
なんか、これもまた良いように言われている⁉と思ってしまいがちですが…
 
 
度々出てくる「不安」という言葉に怒りの前に不安を感じていたんだとわかりました。
 
 
さらに、「攻撃的」も、興奮して話しているときは私が見えていないような、普段とは明らかに様子が違うことも感じていたので、納得できました。
 
 
 
 

◆②不安になりやすい原因は脳にある

 
 
発達障害の人は、感情のコントロールが非常に難しいことが多いです。
 
 
発達障害は、生まれつき脳の発達に凸凹が見られるために、日常生活で困りごとが起こるもの。
 
 
その中で感情は、脳の扁桃体や前頭前野と呼ばれる部分が関与しているのですが、発達の凸凹により、異常に反応しやすい場合があります。
 
 
ストレスや不安が高まると、過剰に反応してしまい、結果として暴言を吐いてしまうことがあるのです。
 
 
ここで注意したいのは、脳の発達と言われて、子どもの脳はまだまだ未熟でこれから成長していくのは想像できると思います。
 
 
じゃあ、大人は?というと、大人(成人期以降)も新しい学習や経験に応じて脳が成長していきます。
 
 
さらに、怒りや悲しみ、喜びなどの感情を司る脳のエリアは、一生涯にわたって成長を続け、老化が遅いと言われています。
 
 
大人になってから診断のついた夫のような人の場合、子どものころから、頑張っても頑張っても、周りの子たちと同じようにできなくて、叱られることも多かったでしょう。
 
 
わが家の夫も、幼いころの話を聞くと、
 
 
・忘れ物をする
 
・道に落ちているものを拾って持ち帰る
 
・いたずらをする など
 
 
よく親や先生など大人から怒られていたと言います。
 
 
また、研究でも、持続的なストレスにさらされた子どもは、扁桃体の反応が過剰になり、恐怖や不安を感じやすくなることが分かっています。
 
 
このように、イライラや暴言には脳の発達が関与しており、大人は子どもよりも時間はかかりますが、脳を発達させる関わりをすれば、困りごとは減らせるのです!
 
 
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3.こうすれば暴言はなくなる!家族ができる対処方法とは?

 
 
脳を発達させる、正しい対応をすれば暴言も改善していくことを、発達科学コミュニケーションに出会い知りました。
 
 
今では、子どもが、「バカっ‼…って言うのはなしでした~ごめんなさい」と自分から言ったり、夫婦喧嘩で言い合いになって夫の暴言を浴びせられることもありません。
 
 
本当に家族そろって笑って過ごせる日なんて来ないと思っていましたが、穏やかになりました。
 
 
どんなことをやったか、対処方法を2つお伝えします。
 
 

①暴言に感情的に反応しないで、黙って待つ、スルーすること

 
 
暴言を浴びた時、感情的に反応することは避けましょう
 
 
彼らが暴言を吐く背景には、脳の感情を司るエリアが暴走して、感情のコントロールがうまくいかないことがあるためです。
 
 
こちらが何か言っても伝わりにくいのです。
 
 
冷静に対応することで、彼らの気持ちが落ち着くのを待つことが重要です。
 
 
具体的な方法は、子どもと大人で少し違います。
 
 
子どもの場合は、本を読んだり、家事をしたり、安全が確保できていればその場を離れてしまってもOKです。
 
 
「暴言を吐いているあなたとは取り合わない」という態度で、子どもの行動が変化するのを待ちます。
 
 
ですが大人の場合は、スマホをいじったり、その場から離れると余計に相手の怒りを沸かせてしまう可能性があります。
 
 
「あなたの話は聞いている」ということがわかるようにその場にいます。
 
 
そして、頭の中では、「本当に言いたいことは何かな?」というように、怒りの根本は何か探ります。
 
 
ですが、そんな余裕がないことも十分わかります!
 
 
自分の心を守るため、「また同じこと言ってるな。何回か数えよ」とか、本当に辛かったら「今日の夕飯何しよっかな」などと考えてても良いんです。
 
 
決して、「何か言い返えしてやる!」とは考えないでください。
 
 
余計に興奮させないことが大切です。
 
 
その後、子どもの場合は落ち着けたことを褒めて、「どうしたの?何があったの?」と優しく声をかけると、自分の気持ちを少しずつ話し始めることがあります。
 
 
大人も落ち着いてきて、冷静に話ができるようになります。
 
 
正直、一晩経つとすっかり忘れてしまっていることも多いのです。
 
 

②ストレス要因を排除・減らす、見通しを立てる

 
 
ストレスを感じやすい状況をできるだけ排除したり、見通しを立てて安心感を与えることが有効です。
 
 
例えば、彼らの話を一切否定せずに、「そうなんだね」「そう思ったんだね」共感する声かけをします。
 
 
何かを頼まれた際には「今はできないけど、何時にやるよ」と具体的な予定を伝えることで不安を軽減できます。
 
 
また、危ないことが嫌いな彼らのために、家族のルールを決めておくことも有効です。
 
 
 
 
発達障害を持つ家族と共に暮らすことは、確かに大変です。
 
 
しかし、彼らの特性やニーズに合わせて、適切に対応することで、家族全体がより平穏に過ごせるようになります。
 
 
暴言やイライラの背後には、不安やパニックがあることを理解し、冷静に対応することで、感情を落ち着かせる手助けができるでしょう。
 
 
家族全体の絆が深まる、正しい対応方法を実践してみてくださいね。
 
 
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執筆者:林 花寿美
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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