ADHDのやりっぱなし・片付けられない対策!その理由と対処法

 

ADHDの子どもがなんでもやりっぱなし、片付けられないことに、イライラ怒っても効果はありません。実は戦略的に対処することで、子どもの天才性をつぶさず、やりっぱなしを改善することができるのです。
 

【目次】

 
 

1.ADHDのやりっぱなし、片付けられない子にイライラ!

 
 
日々の暮らしの中でお子さんがやりっぱなし、片づけられないことで、つい叱っていませんか?
 
 
ですが、叱られてばかりで「自分はダメな人間」と思い込んで育つより、「できる!」とポジティブに育った方が 断然将来の力になります。
 
 
わが家の偏差値75、難関大学に首席合格した注意欠陥多動性障害(ADHD)グレーゾーンの長女の話です。
 
 
長女が大学生になってから、家を最後に出ることが多くなりました。
 
 
すると、私が仕事から帰ると、お風呂の電気がつけっぱなし、冷蔵庫が半開きで中が結露でビショビショ…という事が目立つようになりました。
 
 
これまでは、私が家を出る前にチェックしていたので大丈夫だったのですが、今後はそうもいきません。
 
 
環境を見直し、やりっぱなし・片付けられないことへ対処を考えるタイミングのようです。
 
 
 
 
こんな長女ですが、テレビがついている横で、家族とおしゃべりしながら、数Ⅲの難問を解くことができます。
 
 
驚くことにおしゃべりの内容もテレビの内容も全て頭に入っていて、会話に受け答えしながら同時進行で手を休めずに問題を解くことができるのです。
 
 
その反面、テレビを見ながら食事をすると食事の手は止まってしまいます。
 
 
興味のあることなら3つ同時進行でもこなせるのに、興味のない「食事」は同時に処理することができません。
 
 
このような様子から、脳のネットワークの働き方が特殊なことが見て取れます。
 
 
だから、「普通の人が簡単にできることが困難で、反対に普通の人が困難なことが簡単にできてしまう」という状態になります。
 
 
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2.どうしてやりっぱなしなの?実は気をつけたい親の声かけ

 
 
お母さんがイライラして、つい口うるさくなってしまうADHDの「やりっぱなし」問題。
 
 
片付けられないことに注目してしまうと、イライラの原因でしかありません。
 
 
でも、見方を変えると、
 
 
「1つのものに全神経を集中させることができる」という天才ゆえの特徴だったりします!
 
 
冷蔵庫を開けて欲しいものを取ったら、興味関心は手に取ったものだけ、冷蔵庫の扉には1ミリも興味がありません。
 
 
興味がないから注意を向けることができず、やりっぱなしになるのです。
 
 
親のしつけのせいでも、本人の努力のせいでもなく、発達凸凹ゆえの脳の特性なのです。
 
 
むしろ「1つのものに全神経を集中させること」ができるから、普通の人が真似できないほどに深く集中できます。
 
 
「普通の人に簡単なことが難しく、普通の人に難しいことが簡単」なのは、脳のネットワークの働き方に特性があるからです。
 
 
これを理解せずに、普通の常識にあてはめて口うるさく対応すると、本人の自信を奪ってしまうこともあります。
 
 
 
 
また、ADHDのやりっぱなしさんに「何度言ったら分かるの!」と怒ってばかりいるとしたら、自信を奪うだけでなく天才性を潰しているかもしれません。
 
 
お子さんの十分に成長していない脳の部分を、無理に強化しようとしているからです。
 
 
例えるならば、まだ足の生えていないオタマジャクシに 「どうしてジャンプできないの!」とカエルの動きを要求しているようなものです。
 
 
脳の特性なので大人になっても苦手として残るところはあるでしょう。
 
 
ゆっくり育つ部分なのかもしれませんし、ずっとオタマジャクシのままの部分なのかもしれません。
 
 
ですが、いつまでも足が生えないと心配しなくても大丈夫です。
 
 
その代わりにもっとすごい、誰にもまねできない能力が育っているかもしれないのですから!
 
 
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3.ADHDのやりっぱなし・片付けられない子のストレスを溜めない!対処法

 
 
ADHDやりっぱなし、片付けられない子の力を、潰さずに伸ばすにはコツがあります。
 
 
それは「表示・掲示」を活用することと、「肯定のサンドイッチ」です。
 
 

◆①表示・掲示の有効活用

 
 
表示・掲示を使うメリットは、口うるさく何度も言わなくて済むことです。
 
 
例えば、冷蔵庫のドアに「あけたらしめます」、お風呂のドアに「電気消してね」と書いて貼っておきます。
 
 
少し経つと効果が薄れるので、色を変えて貼り直すことで効果を持続できます。
 
 
人から言われて動くのは嫌だけど、自分で気づいて動くことならできるADHDやりっぱなしさんは多いです。
 
 
表示・掲示を使うことで、直接指摘されずに行動することができます。
 
 
自分で気づいて行動する→「冷蔵庫しっかり閉まってたね!」と褒められる→次もやろうと思える。
 
 
このような良い循環を作ることができます。
 
 

◆➁肯定のサンドイッチ

 
 
はじめと終わりを肯定の言葉にすることで、「冷蔵庫のドアをしめて」という指示は脳に届きやすくなります。
 
 
例えば「〇〇を冷蔵庫にしまっておいてくれたんだね。扉がしっかり閉まっていたらよかったな。片づけてくれたおかげで腐らずに済んだよ。ありがとう!」
 
 
冷蔵庫にしまってくれたことに注目することで、まずは本人を肯定します。
 
 
改善してほしいところは、サラっと指摘し、最後にもう一度肯定的な声かけをすることで、ADHDのやりっぱなしさんの耳にもまっすぐ届きます。
 
 
何度も指摘しストレスを溜め、二次障害を招くことも防げます。
 
 
いかがでしたか?ADHDの子どものやりっぱなし、片付けられない問題は、掲示と声かけの工夫で改善することをお伝えしました。
 
 
もしも大人になってやりっぱなしが直らなかったとしても、環境を見直せばいいのです。
 
 
自動で閉まる冷蔵庫を買えばいいし、お風呂は勝手に消える照明にしたらいい。
 
 
 
 
「好き」を極めるための余計なストレスは、環境を整えることでいくらでも減らすことができます!
 
 
できないことを叱られ、責められ続けると劣等感が大きくなり、失敗しないよう挑戦を避けるようになります。
 
 
しかし、自分の特性として受け止められると、「私、〇〇するの苦手なんだよね!」と 周りに助けを求められるようになります。
 
 
そうすると、お互いの苦手を補い合えるパートナーだって見つけることができますよ!
 
 
 
 
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執筆者:本郷稟乃
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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