ベストセラー書籍『アスペルガーですが、妻で母で社長です。』の著者であるアズ直子氏が講演会で語られた発達障害当事者の困りごと。発達凸凹のある子ども目線でコミュニケーションについて見直してみませんか? |
【目次】
1.発達凸凹あるある?!親子のミスコミュニケーション
2.コミュニケーションが苦手でもコミュニケーション術は身に付けることができる
3.『アスペルガーですが、妻で母で社長です。』著者、アズ直子氏の講演会で語られた発達障害当事者の困りごと
1.発達凸凹あるある?!親子のミスコミュニケーション
発信した人と受け取る人の意図のすれ違い、ミスコミュニケーションについてお話ししたいと思います。
息子が自らサッカーをやりたいと言い、サッカーを習い出して1年半経ちます。小学校から帰宅してから通っていますが、ある日のこと…
私:『行こうか〜♪』『この間、ボール触れて先生が褒めてたよ!』『がんばってるの、見たいな〜』
と、いろいろ声をかけてみたのです。学校の疲れもあったのか返ってきたのは、
息子:『行きたくな〜い‼︎』『だって、シュートできないし!』
というものでした。
私は何度も優しく声をかけ、発コミュのご褒美設定をしました。でも息子は、頑として行かない宣言を出してきたのです。
そこで私は息子を休ませることにしました。そして10分遊んでから宿題をしようという約束をし、『うん!』という返事をもらいます。
ところが、30分が経とうとした頃、
『お母さんのせいで、サッカーに行けなかったんだ〜‼︎』と大泣き!
え⁉︎ あんなに優しく誘っても何度も行きたくないって言ったのに…私もびっくりしてしまいました。
息子の心は私の理解とは違っていたのです。ミスコミュニケーションです。
息子はサッカーも行きたい!でも今は、遊びたい気持ちが優っていたので、サッカーのことは適当に答えていたのかもしれません。
遊びたい気持ちが落ち着いてから、本来やりたかったことが頭の中で主張してきたのでしょう。
親は見通しが立っているから意図が通じていると思っても、予想外の展開が待ち受けていたのでした。
今回の反省点は、
・もっとわかりやすく見通しを立てて話す。
・発達凸凹の時間感覚が希薄な子には、時間の感覚がわかるように説明する。
子どもに伝えているつもりでも、きちんと話していなかったのだと思います。
ミスコミュニケーションが続くと、親は『何度言ったらわかるのかしら』と思うでしょうし、子どもは『何でお母さんはわかってくれないの?』と思っているでしょう。
このラリーが続くと、親子・近い仲だからこそ、信頼関係が崩れやすいのです。
発達凸凹のコミュニケーションが苦手なお子さんは、特に表現も未熟でうまく伝えられないこともありますが、子ども自身もどうにかしたい!と思っていることも多いのです。
2.コミュニケーションが苦手でもコミュニケーション術は身に付けることができる
先日、アスペルガーの当事者であるアズ直子さんの講演会に行ってきました。書籍ベストセラー『アスペルガーですが、妻で母で社長です』の著者であるアズ氏。
お話を聞いて気づいたこと・疑問に感じたことがありました。
発達障害アスペルガーの方はコミュニケーションが苦手であると、インターネット情報や書籍からよく目にすることがありますが、アズ直子さんからは全く感じません。
その答えはアズさんの書籍にありました。それは、コミュニケーションは苦手だけれども、コミュニケーション術は身に付けることができる!ということです。
子どものコミュニケーションについての悩みを持っている方は多いと思いますが、人と接してそのうちできるようになるのかなと思われますよね!?思いたいですよね!?
その気持ちよく分かります。
しかし、自然と身につかないのが発達障害・発達凸凹のある子ども達なのです。
コミュニケーション術を身につけさせるには、親が子どもの特性・癖・考え方を知る・理解することが大事です。それから対応策を考えていきます。
親が子どもの特性をしっかり把握していないと、アドバイスしてもチグハグな伝達不良…ミスコミュニケーションが生じることがあるからです。
3.『アスペルガーですが、妻で母で社長です。』著者、アズ直子氏の講演会で語られた発達障害当事者の困りごと
最後に、アズ直子さんのお話の中で、一番私が伝えたいことをシェアさせていただきますね。
発達障害という言葉・認識は広がってきたが、それが本当にどういうことが分からずに“当事者に聞く”ということが結構つらいし大変ということ。
理由は、説明が難しいから。生まれたときから発達障害の特性を持っているので『どうなの?』と言われても、健常者の感覚は分からない。
だから、発達障害の知識が多い人が近くにいてほしいのではなく、応援者や助けてくれる人がいてほしい。
そして、困ったこと・困った時に対応してほしいということを言われていました。
ここだけの話、医師でも知識を持っている人は少ないし、知識を持っているからといって助けてくれるとは限らないことも学んだとアズさんは仰っていました。
今、書籍・インターネットで発達障害の特性・考え方・感じ方などたくさんの情報を得ることができます。
しかし、当事者の方が本当に困っていることについての対応策がない!ということです。
例えば、頭痛で困っていたら頭痛薬を飲む、肩こりからくるものであればマッサージをしてみるといった対応策・解決策はありますよね。
しかし発達障害はというと、ないのです。
だから本当に困っているし、診断を受けていない人はもっと生きづらいと思います。診断が下りていないからこそ、裏付けのない話になってしまう…
子どもの場合は、表現も拙いし何が正しいのかもわかっていないこともあります。
私が声を大にして伝えたいことは、お母さんが子どもの困っていることを見極めて、それに対する対応を一緒に考えること!
そうすることで、子どもはラクになると思います。目の前のお子さんをしっかり見てあげてくださいね。
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執筆者:今村裕香
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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