妊娠中に物忘れが増えた…これって普通?マミーブレインの理由と産後にも活かせる対応策

 

「最近、物忘れが増えた」「前みたいに集中できない」と感じていませんか?妊娠中は、ホルモンバランスや睡眠不足、脳の働き方の変化によって忘れっぽくなることがあります。この状態は「マミーブレイン」と呼ばれることも。この記事では、妊娠中に物忘れが増える理由と、産後の子育てにも活かせる自分を責めない対応策をお伝えします。

 

【目次】

1.妊娠中に物忘れが増えて不安になっていませんか?
2.妊婦中の物忘れはマミーブレイン?忘れっぽくなる3つの理由
① ホルモンバランスの変化
② 睡眠不足や脳の疲れ
③ 子育てに向けた脳の変化
3.妊娠中の物忘れに振り回されない!自分を責めない対応策

 
 

監修者:吉野加容子

発達科学コミュニケーション創始者/パステル総研主宰/発達科学ラボ代表

 

脳科学をベースに、発達障害・発達グレーゾーンの子どもの発達支援を専門とする。広島大学教育学部卒業後、東京学芸大学大学院修士課程、慶應義塾大学大学院博士課程で学び、民間企業での脳科学研究、医療機関での発達支援、大学での教育に従事。

 

15年以上にわたり発達に悩む親子と向き合う中で、「子どもの発達を本当に伸ばすのは、家庭での365日の関わりである」という結論にたどり着く。

 

病院や学校だけでは支援が届きにくい発達グレーゾーンの子どもたちに対して、家庭で再現できる支援を確立するため、脳科学・教育学・心理学を融合した独自メソッド「発達科学コミュニケーション」を開発。

 

これまでに数多くの親子の変化を生み出し、“ママが変われば子どもが変わる”という発達支援の新しい当たり前を広げている。

著書に『発達障害とグレーゾーン 子どもの未来を変えるお母さんの教室』『脳を育てる親の話し方』『脳が喜ぶ子育て』など。

 
 

1.妊娠中に物忘れが増えて不安になっていませんか?

 
 
「買おうと思っていたものを忘れた」 
「何をしようとしていたのか思い出せない」 
「以前なら当たり前にできていたことがうまくできない」 
 
 
妊娠中、そんな自分に戸惑ったことはありませんか? お腹の赤ちゃんが成長する喜びがある一方で、
 
 
「なんだか最近忘れっぽい」 
「前みたいに集中できない」 
「私ってこんなに要領が悪かったっけ?」 
 
 
と不安になる方は少なくありません。特に仕事や家事をしっかりこなしてきた方ほど、思うように動けない自分にがっかりしたり、 「このまま戻らなかったらどうしよう」 と心配になってしまうものです。  
 
 
 
 
実際に私のところにも、 
 
「妊娠してから物忘れが増えました」 
「やることが頭の中でまとまらなくなりました」 
「前はもっと効率よく動けたのに、今はあちこち気になって集中できません」
 
という相談が寄せられます。
 
 
けれど、妊娠中の物忘れは決して珍しいことではありません。 多くの妊婦さんが経験する変化のひとつです。 まずは、 「今の自分がおかしくなったわけではない」 ということを知ってほしいのです。  
 
 
では、なぜ妊娠中は忘れっぽくなったり、集中しづらくなったりするのでしょうか。 
 
 
   
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2.妊婦中の物忘れはマミーブレイン?忘れっぽくなる3つの理由

 
 
妊娠中に物忘れが増えるのには、ちゃんと理由があります。 「気のせい」でも「努力不足」でもありません。 妊娠中や産後に、物忘れが増えたり、ぼんやりしたり、前のように頭が働かないと感じたりする状態は、「マミーブレイン」と呼ばれることがあります。  
 
 
マミーブレインと聞くと、 「脳が悪くなってしまったの?」 と不安になるかもしれません。 けれど、そういう意味ではありません。
 
 
妊娠中は、赤ちゃんを育てるために体の中で大きな変化が起きています。 その変化が、集中しづらさや忘れっぽさとして表れることがあるのです。 ここでは、妊娠中に物忘れが増える理由を3つお伝えします。  
 
 

◆① ホルモンバランスの変化

 
 
妊娠中は、赤ちゃんを育てるために女性ホルモンが大きく変化します。 この変化は、妊娠を続けるためにとても大切なものです。一方で、自律神経や気分、集中力にも影響することがあります。 そのため、 
 
 
「さっきまで考えていたことを忘れた」
「うっかりミスが増えた」 
「いつもなら気づくことに気づけなかった」 
 
 
ということが起こりやすくなるのです。 これは、ママの気合いが足りないからではありません。 体が赤ちゃんを守るために、これまでとは違うモードで働いていると考えてみてください。
 
 

◆② 睡眠不足や脳の疲れ

 
 
妊娠中は、ぐっすり眠れない日も増えます。 妊娠初期はつわりや強い眠気。 中期以降は、お腹の重さや頻尿、体の痛み。 出産への不安で、夜中に目が覚めることもありますよね。
 
 
眠りが浅い日が続くと、脳も十分に休めません。 すると、記憶力や判断力が落ちたように感じたり、段取りよく動くことが難しくなったりします。「前はもっと効率よく動けたのに」 と思うと、つい自分を責めたくなるかもしれません。
 
 
けれど妊娠中の体は、赤ちゃんを育てながら毎日フル稼働しています。 同じ一日を過ごしているように見えても、体の中では大きな仕事が進んでいるのです。 だから、妊娠前と同じように動けなくても不思議ではありません。
 
 
 
 

◆③子育てに向けた脳の変化

 
 
妊娠や出産にともなって、脳の働き方にも変化が起こることが報告されています。 これは、赤ちゃんの小さなサインに気づきやすくなるための準備とも考えられています。  
 
 
赤ちゃんが生まれると、ママは言葉を話せない赤ちゃんの様子を見ながら、
 
「お腹がすいたのかな」
「眠いのかな」
「暑いのかな」
 
と感じ取っていくことになります。そのため、妊娠中から脳が子育てに向けて変化していくのです。 一方で、その変化の途中では、
 
「あちこちに注意が向いて集中できない」
「今まで気にならなかったことが気になる」
「目の前のことだけに集中しづらい」
 
と感じることがあります。
 
 
つまり、妊娠中の物忘れは、単に能力が落ちたというより、赤ちゃんを迎えるために体と脳が変化している途中とも考えられるのです。 そう考えると、少し見方が変わりませんか?  
 
 
「私はダメになった」 ではなく、「今、赤ちゃんを迎える準備をしている」 そんなふうに受け止められると、心が少しラクになります。  
 
 

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3.妊娠中の物忘れに振り回されない!自分を責めない対応策

 
 
妊娠中に物忘れが増えると、「また忘れた」 「なんでこんなこともできないんだろう」 と、自分に厳しい言葉をかけてしまいがちです。 
 
 
けれど、ここで大切なのは、忘れないようにもっと頑張ることではありません。 忘れても困らないように、先に助ける工夫をしておくことです。 妊娠中の物忘れへの対応策は、次の3つです。  
 
 

対応策①「忘れない」より「思い出せる仕組み」を作る

 
 
まず、頭の中だけで覚えておこうとするのをやめてみましょう。 
 
 
 ・買い物はスマホのメモに入れいる
 ・予定はカレンダーアプリを入れて通知を設定する
 ・外出時に必要なものは、玄関の近くにまとめて置く
 
 
「忘れないようにする」よりも、「忘れても思い出せる仕組み」を作るのです。 メモやリマインダーを使うことは、甘えではありません。 今の自分を助けるための大切な工夫です。  
 
 
 
 

対応策②周囲に「責めずに確認」を頼む

 
 
妊娠中の物忘れは、本人が一番気にしています。 だから、強く注意されたり、ため息をつかれたりすると、余計に落ち込んでしまいますよね。  
 
 
パートナーや家族には、 「最近忘れっぽいから、責めずに『確認した?』って声をかけてもらえると助かる」 と伝えておくのもおすすめです。  
 
 
妊娠中のママが本当にほしいのは、正論で注意されることではなく、 「大丈夫だよ」 「一緒に確認しよう」 と受け止めてもらうことではないでしょうか。  
 
 
忘れたことを責められるのではなく、思い出すきっかけをもらえるだけで、心の負担はぐっと軽くなります。 
 
 

対応策③「また忘れた」より「確認できた」に目を向ける

 
 
もうひとつ大切なのが、「また忘れた」ではなく「確認できた」に目を向けることです。 
 
 
たとえば、買い忘れがあったとしても、買い物リストを書けたなら、それは成功です。 予定を忘れそうになったとしても、リマインダーで思い出せたなら、それも成功です。忘れた私はダメ」 で終わらせるのではなく、  
 
「思い出す工夫ができた」 
「確認する行動ができた」 
「次に困らない方法が見つかった」 
 
と、できた行動に目を向けていきましょう。これは、赤ちゃんが生まれてからの子育てにもつながる大切な視点です。 
 
・赤ちゃんが泣いた時、「泣かないで」と止めるより、「何か伝えようとしているんだね」 と受け止める。  
・子どもがうまくできない時、「なんでできないの」 と責めるより、「どうしたらできるかな」 と一緒に考える。  
 
その土台になるのが、まずママ自身を責めないことです。 妊娠中の物忘れは、あなたがダメになったサインではありません。 赤ちゃんを迎えるために、体も脳も変化している途中の姿です。  
 
 
だから今は、完璧にこなそうとしなくて大丈夫です。 忘れないように一人で頑張るより、忘れても思い出せる仕組みを作る。 できなかったことを責めるより、できた工夫を見つける。 その積み重ねが、妊娠中の不安を軽くし、これから始まる子育てにも役立つ力になっていきます。  
 
 
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よくある質問

Q1.妊娠中の物忘れはいつまで続きますか?

A1.個人差がありますが、妊娠中から産後しばらく続くことがあります。産後も授乳や夜泣きで睡眠不足になりやすいため、すぐに妊娠前と同じ状態に戻るとは限りません。休息を取りながら、忘れても困らない仕組みを使って過ごしていきましょう。

 

Q2.妊娠初期から忘れっぽくなることはありますか?

A2.あります。妊娠初期はホルモンバランスが大きく変化する時期です。つわりや眠気、体調の変化も重なり、集中しづらさや物忘れを感じることがあります。

 

Q3.妊娠中の物忘れとADHDの違いはありますか?

A3.ADHDは子どもの頃から続く不注意や多動性、衝動性などの特性です。一方、妊娠中の物忘れは、妊娠や出産にともなって一時的に強く感じることがあります。ただし、日常生活に大きな支障がある場合や、不安が強い場合は、自己判断せず医療機関に相談しましょう。

 

Q4.病院に相談した方がよい目安はありますか?

A4.物忘れだけでなく、強い不安、気分の落ち込み、不眠、涙が止まらない、生活に大きな支障が出ている場合は、産婦人科や専門機関に相談してください。妊娠中の不調は一人で抱え込まず、早めに相談することが大切です。

 
 

執筆者:福真礼子
発達科学コミュニケーショントレーナー

 

20年以上、公立保育所の保育士としてたくさんの子どもたちの成長を見守ってきた経験をもとに、幼児期までの子どもの脳を育てる関わり方を伝えている。

 

発達を心配する時間を脳育時間に変える子育てとして、脳科学・心理学・教育学に基づいたコミュニケーションを届けてる。

 
 
 
 
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