小学生の指で計算はいつまで?足し算で指を使う理由と無理にやめさせなくていいワケ

 

小学生がいつまでも指を使って計算していると、「いつまで?」「やめさせた方がいい?」と心配になりますよね。算数が苦手な子にとって、指は数を理解する大切な手がかりです。焦ってやめさせなくていい理由と家庭でできるサポートをお伝えします。
 

【目次】

1.小学生が計算で指を使うのはいつまで?
2.足し算で指を使うのはダメ?指で計算する理由
3.指を使わないと計算できない子に親ができること

 
 

監修者:吉野加容子

発達科学コミュニケーション創始者/パステル総研主宰/発達科学ラボ代表

 

脳科学をベースに、発達障害・発達グレーゾーンの子どもの発達支援を専門とする。広島大学教育学部卒業後、東京学芸大学大学院修士課程、慶應義塾大学大学院博士課程で学び、民間企業での脳科学研究、医療機関での発達支援、大学での教育に従事。

 

15年以上にわたり発達に悩む親子と向き合う中で、「子どもの発達を本当に伸ばすのは、家庭での365日の関わりである」という結論にたどり着く。

 

病院や学校だけでは支援が届きにくい発達グレーゾーンの子どもたちに対して、家庭で再現できる支援を確立するため、脳科学・教育学・心理学を融合した独自メソッド「発達科学コミュニケーション」を開発。

 

これまでに数多くの親子の変化を生み出し、“ママが変われば子どもが変わる”という発達支援の新しい当たり前を広げている。

著書に『発達障害とグレーゾーン 子どもの未来を変えるお母さんの教室』『脳を育てる親の話し方』『脳が喜ぶ子育て』など。

 
 

1.小学生が計算で指を使うのはいつまで?

 
 
算数の宿題をするとき、いつも指を使って計算している子どもを見て、
 
 
「いつまで指使ってるの?」
 
「指を使わなくてもできるでしょ?」
 
「指を使っちゃだめ!」
 
 
こんな声かけをしていませんか?
 
 
こうした声かけは、子どもの「自分なりに考えてみよう」という気持ちをしぼませてしまうことがあります。
 
 
 
 
○年生になったら指で計算するのをやめないといけない、という決まりはありません。
 
 
大切なのは、指を使っているかどうかだけではなく、子どもが数の大きさや計算の意味を理解できているかを見ることです。
 
 
算数が苦手な子にとって、指を使う計算は答えを出すための「ズル」ではなく、考えるための手がかりになっていることがあります。
 
 
それを「そんなやり方ではダメ!」と否定されると、計算そのものへの苦手意識が強くなってしまうこともあります。
 
 
「このままでは算数についていけないのでは?」 「もっと算数嫌いになったらどうしよう」 と心配になるかもしれません。
 
 
けれど、年齢だけを理由に指計算を無理にやめさせる必要はありません。
 
 
では、なぜ指を使うことが子どもの助けになるのでしょうか。
 
 

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2.足し算で指を使うのはダメ?指で計算する理由

 
 
学年が上がると、『そろそろ指を使わず計算してほしい』と心配になるお母さんも多いでしょう。
 
 
ですが、塾講師として14年間子どもたちを見てきた経験からも、計算が苦手な子に、指を使うことを無理にやめさせる必要はないと感じています。
 
 
その理由を、暗算するときの脳の働きから見てみましょう。
 
 
暗算では、数字を見て、数の大きさをイメージし、計算の途中経過を覚えておきながら答えを出すなど、いくつもの力を同時に使います。
 
 
こうした処理がまだスムーズではない子にとって、頭の中だけで計算することは大きな負担になります。
 
 
そこで役立つのが「指」です。
 
 
 
 
指を使えば、「3なら指を3本」というように、数字を具体的な量として確かめながら、増えた・減ったという数の変化を捉えることができます。
 
 
つまり指は、頭の中だけではまだ扱いにくい数を、目で見て確かめるためのサポートになるのです。
 
 
このように、数のイメージをつかみにくい子にとって、指を使うことは数を理解するための助けになります。
 
 
大切なのは、子どもが自分のペースで数の概念を身につけていくことを見守ることです。
 
 
指を使って計算することが必要な時期もあるということを理解し、焦らずにサポートしてあげましょう。
 
 

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3.指を使わないと計算できない子に親ができること

 
 
計算が苦手→算数嫌い→勉強嫌い→学校嫌い…。
 
 
といった負のスパイラルを引き起こすことだけは、絶対に避けたいですね。
 
 
では、そのために、どう対応すればいいのでしょうか?  
 
 

①指を使っていることを否定しない

 
 
一番に大切なことは、指を使って計算問題に取り組んでいる子どもたちの努力を認めてあげること。
 
 
指を使いながらも、子どもなりに数をしっかり分かろうと諦めずに努力しています。
 
 
まずは、その努力を褒めてあげてください。  
 
 
 
 

②計算練習をやりすぎない

 
 
さらに、苦行のような計算練習の時間をできるだけ短くしてあげましょう。
 
 
子どもは、嫌々繰り返すよりも、興味のあることの中で「分かった」「できた」という経験を重ねる方が、学習を続けやすくなります。
 
 
ですから、好きなことや興味のあることなら、自分から何度も数を使う機会も増えていきます。  
 
 

③遊びや生活の中で数を使う

 
 
計算ドリル1ページを嫌々やるよりも、
 
 
「あと何点ゲットすれば、ゲームのステージをクリアできるか?」
「300円までなら、どのお菓子を何個買えるかな?」
「目的地には何時ごろに到着するだろう?」
 
 
というように、毎日の生活や好きな遊びの中で計算する機会をつくることで、無理なく数に触れる経験を増やすことができます。
 
 
計算ドリルだけが、計算力を伸ばす方法ではありません。
 
 
子どもが好きな遊びや毎日の生活の中にも、数を使うチャンスはたくさんあります。
 
 
指を使う姿を焦って直そうとするより、「この子は今、どうやって数を理解しようとしているのかな?」と見てみてください。
 
 
その子に合った方法で「分かった」「できた」を重ねることが、算数への自信につながっていきます。  
 
 

よくある質問

Q1.指を使って計算するのは何年生まで大丈夫ですか?

「○年生になったら指で計算をやめる」という決まりはありません。大切なのは年齢ではなく、子どもが数の大きさや計算の意味を理解できているかを見ることです。年齢だけを理由に、指計算を無理にやめさせる必要はありません。

Q2.足し算で指を使うのはダメですか?

指を使うこと自体がダメなわけではありません。頭の中だけで数を扱うことが難しい子にとって、指は数字を具体的な量として確かめ、数の変化を理解するためのサポートになります。

Q3.指を使わないと計算できない子には、どう対応すればいいですか?

まずは指を使って計算していることを否定せず、取り組んでいる努力を認めてあげましょう。計算練習をやりすぎず、買い物やゲームなど、好きなことや毎日の生活の中で数を使う経験を増やすこともおすすめです。

 
 
 

執筆者:草なぎりみ
発達科学コミュニケーショントレーナー

 

塾講師として働いていた頃、私は、勉強中に泣く・怒る・固まるといった行動を見せる子どもへのかかわり方がわからず、悩み、疲れ果てていました。

 

また、母親としても、ADHDグレーゾーンの長男に「普通」を求め続け、親子で苦しい時間を過ごしてきました。

 

発達科学コミュニケーションに出会い、子どもの脳が発達する順番と、脳を育てる声かけを学んだことで、私のかかわり方は大きく変わりました。

 

すると、それまで机に突っ伏していた子が顔を上げ、「勉強が面白くなってきた!」と笑う姿が見られるようになったのです。

 

「学校の勉強が合わない」という理由だけで、自分の可能性をあきらめる子をなくしたい。そして、わが子の未来を信じ、応援できるママを増やしたい。

 

そんな想いで、勉強中に問題行動を起こす発達グレーゾーンの子と、そのママをサポートしています。

 
 
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