時間に遅れるか早すぎるかの両極端!発達障害の家族の時間感覚に振り回されなくなるママの対応とは

 

いつまでも用意しないと思ったら、今日は1時間も早く終わっている!などと、発達障害の家族の時間感覚に驚くことはありませんか?遅いのにも早いのにもそれぞれ理由があります。極端な時間感覚にママが落ち着いて対応できる方法をお伝えします。
 

【目次】

 
 

1.発達障害の家族の時間感覚に振り回されていませんか?

 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもや夫との時間感覚のズレに振り回されていませんか?
 
 
・家族でお出かけって言ってるのにも、いつ用意を始めるんだか…のんびりしてて、いつも待たされる
 
出発ギリギリになってもまだご飯を食べていて歯磨きしていない
 
・やるって言った宿題をいつまでたってもやらない
 
 
これらの、時間に遅れる、時間がかかりすぎる、約束を守らないという、物事に支障をきたす場合はこちらがハラハラしますよね。
 
 
さらに、「遅れる」だけでなく、「早すぎる」行動をとることもあります。
 
 
・遅刻するかもしれないと時間以上早く出発する
 
・学校の準備を非常に早く終える
 
・締め切りよりずっと早くタスクを完了する
 
 
早くすることに越したことはないかもしれませんし、本人の努力の末の結果ではありますが、時間感覚のズレから衝突してしまう場合もあります。
 
 
 
 
私の夫は、自閉スペクトラム症(ASD)と注意欠陥多動症(ADHD)があります。
 
 
普段の生活ではギリギリに準備を始めたり、結婚前は予定時間に遅刻するのが当たり前でした。
 
 
しかし、大事な用事があるときには15分前どころか1時間以上前に準備を終え、そして出発したがります。
 
 
同様に、ASDの息子も、なかなか時間通りに動かないこともあれば、時計を見ながら早くに用意をしているときもあります。
 
 
どうしてこんなに極端な行動が見られるのか。
 
 
一緒に暮らす家族としては、一貫性がなく、困惑することも多くて大変です。
 
 
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2.予定時間よりも準備が「とっても遅いか早い」の両極端な理由とは?

 
 
なぜ、発達障害・グレーゾーンの人々と時間感覚が違うのでしょうか。
 
 
それは、脳の発達に凸凹があるからであり、性格でも病気でもないんです。
 
 
準備がとっても遅い理由と早い理由を2つずつお伝えします。
 
 

◆遅い理由

 
 
①時間感覚自体の発達がゆっくり
 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもは、脳の記憶系のエリアの発達がゆっくりなために、時間を意識しながら行動することが苦手です
 
 
②集中しすぎる
 
 
発達障害・グレーゾーンの人の中には、切り替えが苦手で行動が進まないことがあります。
 
 
大人はある程度経験から行動できますが、子どもは特に切り替えが苦手です。
 
 
これは、脳の前頭前野の発達が未熟なために、自分で欲求をコントロールできないことが切り替えの苦手さに関係し、結果、出発の準備などが進まないことに繋がります。
 
 
 
 

◆早い理由

 
 
①見通しがないと不安
 
 
発達障害・グレーゾーンの人は、見通しが立たないことに対して強い不安を感じることがあります。
 
 
不安が強い時、感情に関わる脳の「扁桃体」の機能が活発になっています。
 
 
予定や行動の見通しが立たないと、心の中での複数のシナリオが発生し、どれが現実になるか分からないことがストレスになります。
 
 
そのため、大事な用事があるときには早めに準備をしてストレスを軽減し、安心感を得ようとするのです。
 
 
②こだわりが強い
 
 
発達障害・グレーゾーンの人はこだわりが強く、自分なりのルールや習慣を大切にします。
 
 
そのため、自分のペースで行動することが多く、結果として時間の管理が難しくなることがあります。
 
 
早く準備をすることで、そのこだわりを満たし、不安を軽減しようとします。
 
 
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3.極端な時間感覚に振り回されなくなるママの対応とは

 
 
遅いのも早いのにもそれぞれ脳の発達の凸凹が関係していることをお伝えしました。
 
 
理由がわかったところで、発達障害・グレーゾーンの両極端な行動に、ママが振り回されなくなる対応をご紹介します。
 
 
お子さんであろうと、旦那さんであろうとやることは一緒です。
 
 

◆①特性を理解し、相手を変えようとしないこと!

 
 
ママが振り回されず、お互いに気持ちよく生活していくためには、子どもや夫の時間感覚のコントロールの難しさについて理解することが、適切なサポートの第一歩だといえます。
 
 
「ほら、早くして」
 
「まだやってないの?」
 
「早すぎるからもうちょっと待って!」
 
 
と、ついつい怒り口調で言ってしまいがちですが、そんな言い方では、やる気を失ってしまいます。
 
 
脳は、行動をすればするほど、発達していきます。
 
 
たとえどんなに時間がかかったとしても、逆に早すぎたとしても、さらにうまくできなくても、行動をすれば脳は発達していきます。
 
 
時間が限られているときは、ママが余裕をもって行動できるように、何時までに何ができていればいいか逆算して考えてみてください。
 
 
早すぎる場合も、「今日はいつもより緊張しているのかな」本当の状態をよく見て、「何でだろう?」を探っていくと、こちらがイライラすることも無くなります。
 
 
その後は、見通しを持たせるために、「何時に着きたいから、〇時のバスによる予定で、家を〇時出ることにしよう」 と一緒に話をしながら作戦会議をすれば大丈夫です。
 
 
もし、早く出たい場合も否定するのではなく、早めても良ければ早めて、ママが合わせていきます。
 
 
相手の行動をストップさせてしまうより、ママが変わって対応する方が相手の脳が発達するのです。
 
 

◆②できたことを肯定する

 
 
遅い時も、早い時も、ママの第一声はとっても大事
 
 
そして、行動を続けられる声かけをして、自信をつけてあげることが大事です。
 
 
お子さんであれば、「早くして!」じゃなくて「競争しよっか!」とか楽しみを持たせたり、それまでに終えているできたことを褒めます。
 
 
例えば、
 
「目開いたんだね!」
 
「着替え始めたんだね!」
 
「椅子に座れたね!」
 
などの声かけです。
 
 
一緒に、次にやることを1つ伝えると、何をしたらいいかが明確になり、行動が止まることがありません。
 
 
そして、また褒める。
 
 
小さな成功体験を積み重ねることが重要です。
 
 
早すぎる場合も、早くできたことを褒めます。
 
 
「もう用意できたんだね!早くてびっくりだよ」
 
 
などと笑顔で認めたうえで、今後の予定について具体的に伝えたり、目に見えるようにして、安心感を与えるようにします。
 
 
これらは、お子さん向きではありますが、旦那さんの場合でも、否定せずにそっと見守ったり、あとどのくらいかをわかるようにすれば、徐々に時間がお互いに合わせられるようになります。
 
 
こんな風に、ママが遅いのにも早いのにも理由があることを知っておくことで、今相手がどんな状況でいるのかがわかります。
 
 
そして、あとは行動を止めないように正しい対応をすることで、ママが振り回されることはなくなるんですよ。
 
 
 
 
時間の感覚は感じ方は人それぞれです。
 
 
感覚というだけあって、曖昧だし、時間はずっと続くものなので、線ではなく点でものごとを捉えやすい発達障害・グレーゾーンの人たちにとっては分かりにくいのです。
 
 
このことを知って、以前は、自分の感覚で「遅い・早い」を決めてしまいがちだった私ですが、許容範囲がグーンと広がっ、ガミガミ言う必要がなくなりました。
 
 
肯定することで自信を高めながら、家族全員で協力し合い、理解し合うことで、より良い生活を送ることができるでしょう。
 
 
「できた!」が増えていくと、自然と時間の感覚も一緒になっていきます。
 
 
発達障害・ASDの特性を持つ家族との生活は時に難しいこともありますが、理解と工夫で乗り越えていけるはずです!
 
 
夫と喧嘩ばかりで理解できない!そんな時にはこちらの記事をご覧ください。
 
 
 
 
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執筆者:林 花寿美
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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