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発達障害グレーゾーン・自閉症傾向の子どもの「運動会でないよ」には理由があります。特性を理解して辛い時は休ませることも必要です。練習を休んだ時の対応や運動会の前後のママの声かけ、先生との連携のとり方など、運動会に参加できた我が家の成功体験をお伝えします。
【目次】
1.自閉症スペクトラム(ASD)傾向の娘の「運動会でないよ」の一言にショック
2.発達障害で運動会が苦手な子の辛くなりやすい理由
3.運動会に参加できた対応法
①辛い時は休ませる
②先生との連携をさりげなくサポート
4.運動会の後の振り返りで成功体験に!
1.自閉症スペクトラム(ASD)傾向の娘の「運動会でないよ」の一言にショック
秋と言えば運動会の季節ですね!多くの子どもたちにとって運動会の練習は楽しい時間です。
しかし、中には我が家の娘のように苦手意識をもっている子どももいます。
ASD傾向で繊細な娘は、集団行動が苦手な女子で、いつもと環境が変わる運動会の練習などへの不安感を持っていたのです。
娘が「運動会でないよ」と言ってきたのは小学6年生の時です。
娘は6年生の夏休み前に登校しぶりがはじまり、別教室で過ごしていました。
運動会はでたくないという気持ちは予測していました。
なぜなら、2学期の始めは母子登校をしていて、少しずつ通常登校ができるようになりましたが、教室へは行けなかったのです。
別教室で過ごしていて集団行動への不安が見え隠れしていたからです。
しかし、実際に「でない」と言われたのはショックでした。
私は、娘の中で何が不安なのかを考え、折を見て話してみましたが、はっきりわかりません。
休ませた方がいいのか悩みました。
しかし、休ませる選択より先に、娘がかかえる不安を取り除いてあげることが大事だと思いました。
私がショックを受けながらも冷静に考え対応できたのは、発達科学コミュニケーション(発コミュ)での学びがあったからです。
発コミュの学びを通して、私がどのように娘に声かけをしていったかをお話します。
2. 発達障害で運動会が苦手な子の辛くなりやすい理由
子どもが突然「運動会にでたくない」といったらどのように答えますか?
「なんで?」「でないとだめだよ」と即答していませんか?
実は、発達障害の子どもの多くは「ネガティブな出来事だけがクローズアップされて記憶されやすい」という特性があります。
また、娘のようなASD傾向の子どもには参加したくない理由があるのです。
それは、
・集団での行動が苦手
・たくさんの観客に緊張する
・大きな音にドキドキする
・徒競走などへのプレッシャー
・いつもと違う生活パターンへの不安
などです。
過去の運動会での悔しかった経験や記憶が、ネガティブ体験として脳に刻まれているということも考えられます。
親からみると、なんてことないでき事も、発達障害やグレーゾーンの子どもには辛い記憶として拡大されやすいのです。
発達障害グレーゾーンの子どもの特性を理解したうえで、次章ではママの声かけや先生と連携したことをお伝えします。
3. 運動会に参加できた対応法①、②
「運動会でない」と宣言した娘が自ら参加したいと思えるまでになった経緯、我が家で行った対応をお話します。
◆①辛い時は休ませる選択もある
まず、すべてを肯定しました。
運動会も、「どっちを選んでもあなたはあなたのままでいいんだよ」という想いを伝えました。
「練習に参加したくないときは、別教室で過ごせばいい。先生もそう言っていたよ」と気持ちに寄り添い安心させてあげることです。
辛い時は休ませる選択もありです。
また、いつもと環境が変わる運動会への不安やプレッシャーがあるときは、未来を予測させる言葉より頑張ってきた経過・過去を話してあげる方が効果的です。
・暑い中、練習参加したんだね
・お茶いっぱい飲んだんだね!水筒空っぽじゃん!
・ダンス進んでいるようだね。頑張って覚えてすごい!!
・○○(娘)ちゃんの昨年のダンスかっこよかったもんね!
と少し大げさなくらいママが嬉しそうな表情で、できたことを言葉で具体的に伝えてあげてください。
子どもに、今までやってきたことで大丈夫なんだという自信をつけてあげてください。
ASDの子は視覚優位で「 耳からよりも目から入る情報を理解しやすい」という特性を持っています。
これを上手に使って、ママの嬉しそうな表情で子どもに「これでいいんだ!」という自信と安心感を与えます。
子どもが自信と安心感を持ったとき、自然と次の行動へと動き始めます。
◆②先生との連携でさりげなくサポート
子どもが、運動会の練習の何に苦手さや不安を感じているのか、何に困っているのかを考えて先生に伝えてみるといいです。
学校に行ったとき、先生に家での様子を伝えたり、学校での様子や先生の思いを聞いたり、なるべく情報を共有するようにしました。
そして、娘の心の状態と、今後の予定、練習参加の時期を計り、先生と声かけのタイミングを合わせるようにしました。
また、ダンスの練習日や進捗状況を予め確認し、娘にさりげなく伝えました。
辛い時など練習を休んで遅れてしまっても、今のみんなの状況がわかれば不安を少しでも抑えることができます。
遅れた分はおうちで動画などを見て取り戻せばいいのです。
先生との連携は必要不可欠です。コミュニケーションもできる限り取れたらいいですね。
4.運動会の後の振り返りで成功体験に!
運動会が終わった後は、おうちに帰ったらその夜にでも、運動会を振返って、子どもが頑張ってきた練習や当日できたこと、楽しかったことをたくさん会話して褒めてあげることをおススメします。
我が家では、ダンス動画を主に一緒に見ました。
娘は、難しかったところの説明や最後の決めポーズの感想などを話してくれました。改めて、たくさん褒めることができる場面です。
そして、娘が「おばあちゃんにも見せようね」と言ってくれたときは、心が前向きになったんだなと嬉しかったことを思い出します。
また、写真のベストショット探しも楽しめました。
運動会は、苦手で不安がたくさんあったけど、できた!という成功体験を自覚させてあげることで、更なる自信へと繋がっていきます。
運動会は当日も大事ですが、始まるまでと終わった後のママの対応で子どもの運動会の印象が大きく変わってきます。
ぜひ、運動会は楽しいという思い出にしてあげてくださいね。
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執筆者:瑞上 ようこ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)