5歳児がなんでも「ママやって!」と自分でやらない子に困っていませんか?やればできるのにやらないのは甘えだけではないんです。やればできるのにやらない子のママの声かけで自ら動き出す対応法をお伝えします。
【目次】
1.5歳の息子はなんでも「ママやって!」が口癖
5歳の子どもが保育園では自分でできるのに、家にいるとなんでも「ママやって!」と言ってきて、正直何度も呼ばれて大変…と思い悩んでいませんか?
特に、不安が強くやればできるのにやらない子どもには、ママの当たり前を変えた声かけがポイントなんです。
なんでも「ママやって!」と言ってくる、やればできるのにやらない子にどんな声かけをしていますか?
「これくらい自分でできるでしょ⁉」
「5歳だからやればできるでしょ!」
ついにはイライラが募って「いい加減にして!自分でやりなさい!」と言ってしまった、なんてことがあるのではないでしょうか。
私には自閉症スペクトラム障害と注意欠陥多動性障害、知的障害の診断を持つ5歳の息子がいます。
息子は、保育園では自分でやるのに、なんでも「ママやって!」と家では自分でやらないことが多くありました。
着替えをするとき、お風呂に入っても、飲み物やおやつを欲しいときでさえ、「ママやって」と呼ばれてしまう…
そんな息子に、ついつい
「ママ、ご飯作るから自分でやってね!」
「自分でできるでしょ⁉」
「どうして自分でやらないの!」
と言ってしまう毎日でした。
一息つく暇もなく「ママやって!」と言われ続けて、家事は途切れ途切れで終わるまでに時間がかかってしまい、常にイライラ状態の私でした。
やればできるのにやらない子の行動に、
「じゃぁ、ママと一緒にやろうか」
「ここだけ自分でやってくれる?」
と一緒にやることを提案し、行動の最初だけを自分でやるように促してみますが、うまくいかないことが多く諦めていました。
保育園で疲れてしまったから、やってほしいだけかな?甘えかな?と思ってやってあげることをしていました。
ですが、休みの日にも5歳の息子のなんでも「ママやって」攻撃が収まることはありません。
ところが、私の当たり前を変えた声かけをしていくと、自ら動き出すようになったんです!
この記事では、5歳のなんでも「ママやって!」という子どもの脳の特性と心理や、自分でやらないことを、自ら動き出すやる気を育てる対応法をお伝えしますね。
2.やればできるのにやらない子のママやって!はなぜ起こる?
赤ちゃん返り?甘えてるだけ?と思ってやってあげる対応をしていても、一緒にやろうと提案してみても、自分でやろうとしないのはなぜでしょうか?
不安が強い子どもは、保育園や幼稚園で真似をしてやってみても、うまくできなかったことの記憶が大きくなりやすく、やればできるのにやらない子になってしまうのです。
5歳の子どものなんでも「ママやって!」という不安な気持ちには脳の特性が関係しています。
・先回りの声掛けが多い
「次はこれでしょ?」と次の行動の先回りの声掛けが多いと、子どもが考える時間がないために、事あるごとに正しい方法を与えてもらおうとしてしまいます。
・自信が持てない
保育園では見よう見まねでやってはいるものの、できたという気持ちがもてなく、うまくできるかな?と行動する前に不安に思ってしまうことが多く、やってみようと行動にうつれないことがあります。
・見通しを立てるのが苦手
脳の中では、どの順番で行うかを決めてから行動し始めます。どの順番で行うのか見通しが立たなくて、行動に移せないということが起こりがちです。
このように、甘えてるだけと思って、本当にやらない理由を見過ごしてしまうと、やればできるのにやらない子どもの気持ちに気づきづらくなってしまいます。
5歳児のなんでも「ママやって!」というときに、一度できるようになった事はやって当たり前と思って「なんで自分でやらないの?」言ってしまいがちです。
ですが、やればできるという自信がまだ小さいときに、このような声掛けが続くと、自分でやってみようという自ら動き出す力が育たなくなってしまうのです。
3.自分でやらない子どもへのママの対応法
5歳児のなんでも「ママやって!」という自分でやらない子には、できたという自信をつけて不安を和らげてあげるために、ママのどんな当たり前を変えたら良いのか…
それは、一度できるようになったことは、やって当たり前と思わずに、ひとつずつ自ら動き出すためのやる気を引き出して上げる声かけが必要なのです。
◆➀親子でハードルを下げる
やればできるのにやらない子には、親子で行動のハードルを下げて肯定の声かけを増やしていくことで、自信をつけてやる気を育てていきます。
5歳児がなんでも「ママやって!」と言ってきた時は、すべてできればOKとするのではなく1つできたらOKと思うことで、ママのできて当たり前というハードルを下げることです。
そして子どもも、やることのハードルが下がるため、できたという自信がたまりやすくなります。
飲み物を入れてほしくて「ママやって!」と自分でやらない場合は、「いいよ~」と言いながら、やることの工程を1つ、子どもにやってもらいます。
・コップを出す
・飲み物を冷蔵庫から出す
・(飲み物の)キャップを開ける
・コップに注ぐ
・テーブルに運ぶ
というように、細かく行動を分けて声かけをしていきます。
ママ:「どのコップにするか選んでくれる?」
子ども:「青のコップ」
ママ:「青のコップね。ママのところに運んでくれる?」
子どもが持ってきてくれたら、「コップ出せたね」と実況中継のように、できたことを肯定する声掛けをしていきます。
行動を細かく分けて伝えることで、褒める機会を増やすことができます。
子どものできた!という自信を何倍にも増やすことができますよ。
はじめは1つ、次からは2つと増やしていくことで、子どものいつも見てほしいという気持ちや、できたことを認めてもらったという気持ちが満たされていきます。
気持ちが満たされるとやればできるのにやらない子の「自分でやってみようかな?」というやる気が育っていくのです。
このように、だんだんと数を増やしていくと、いつの間にか全て自分でやっている、なんてことも増えていきます。
そして、5歳児のなんでも「ママやって!」という事がなくなっていきますよ。
また、ママも最後までやらせなきゃという気持ちにならず、やればできるのにどうしてやらないの!という気持ちでイライラすることも減っていきますよ。
◆➁感謝を伝える
ちょっとしたお手伝いをしてもらい、沢山のありがとうを伝えることで、自分でもできるんだという自信を貯めて、自ら動き出す力を育てていきましょう。
例えば、
・テーブルにお皿を1枚運ぶ
・扉を開ける
・電気をつける
・カーテンを閉める、開ける
・野菜を冷蔵庫から出す
など、「ちょっとしたこと」を手伝ってもらい、とびっきりの笑顔で「ありがとう!助かったよ」と伝えることをしていきます。
私のよくやることは、買い物してきたものを冷蔵庫に入れるときに、
「両手がふさがって、冷蔵庫の扉が開けられない〜!助けて~」
と、扉を開けるお手伝いをしてもらっていますよ。
ちょっとしたお手伝いで、自信を貯めていくとこちらが提案しなくても、自分からできることを見つけて行動するやる気が育っていきます。
このように、親子でハードルを下げて、ちょっとしたお手伝いを活用していった結果、5歳の息子のなんでも「ママやって!」という事が減っていきました。
また、買い物から帰ってくると声掛けがなくても、自ら動き出し冷蔵庫に入れてくれることをしてくれるようになりましたよ。
ぜひ、「ママやって」とやればできるのにやらない子どもに、イライラすることなく自分でできると自信の持てる、やる気を育てる対応を活用してくださいね。
子どもの癇癪に困り果てているママ!対応策をご紹介しています!
執筆者:かねた 愛
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)