不登校の子どもが食事もしないで、ゲームばかりしていて部屋から出てこなくて困っていませんか?特に発達障害の子どもはゲームにハマりやすいため、特別な対応が必要です!食事時間を守って、生活リズムを整える効果的な対応を紹介します。
【目次】
1.発達障害・不登校の息子がゲームばかり!ゲーム依存の危機…
2.発達障害・ASDの子どもがゲームをやめられない理由
3.不登校のゲームしかしない子どもの生活リズムを整える!3ステップ
①親子で話し合う
②ルールを決める
③予告メモの活用
1.発達障害・不登校の息子がゲームばかり!ゲーム依存の危機…
ゲームをやめさせようとするとイラついて怒る不登校の子どもに困っていませんか?
ずっとゲームをやめない子どもの姿を見ると、『ゲーム依存』ではないかと心配とイライラでいっぱいになりますよね。
特に、自閉症スペクトラム(ASD)傾向のある子どもはゲームに夢中になりやすいため、ゲーム依存を防ぎ生活リズムを整えるには子どもの特性にあった対応をすることがポイントです。
我が家の中学生の息子は発達障害・ASDの診断があります。
小学校高学年から不登校になり、PCゲームに夢中になってからは1日中ゲームばかりして、ゲーム依存の危機的状態になっていました。
ルールは決めていたものの…
気づけば、だんだんゲームの時間が長くなり、夜中までしていたり、食事の時間になっても食べにこなかったりすることが増えてきたのです。
生活リズムを整えたくて、息子の部屋に行き、声をかけると「勝手に入ってくんな!」なんてイライラが爆発して癇癪になることが増えてしまったのです。
そのままいけば、昼夜逆転やゲーム依存症へまっしぐらの状態でした。
ところが、そんなゲーム依存の危機的状態を解消して、不登校の子どもの生活リズムを整える、とっておきの方法を発見したのです。
その方法とは、声をかけずに「目のチカラ」を使うことです!
ゲームばかりしていた不登校の息子が、今では時間になったら自分でゲームをやめてリビングに食事に来たり、夜もスッとやめられたりと自分でコントロールができるようになりました。
この記事では、不登校・ASDでゲームばかりしている子どもの脳の特性と、脳に届く指示で子どもの生活リズムを整える方法をお伝えしますね。
2.発達障害・ASDの子どもがゲームをやめられない理由
発達障害・ASDの子どもがゲームをやめられない理由は、特性のために指示が脳に届いていないことが原因です。
◆過集中
限定された物事へのこだわり・興味があり、いったん興味を持つと過剰といえるほど熱中するのがASDの特徴。
ゲームなど一度興味があることに手をつけると、集中しすぎて周囲の声が届かなくなってしまいます。
◆視覚優位
発達障害・ASDは、視覚優位の特性を持つ人が多い傾向があります。
視覚優位とは、耳で聞く情報よりも、目で見る情報の方が処理、理解、記憶をしやすい特性のことです。
そのため、文字や絵で指示された内容は理解しやすく、耳からだけの指示は伝わりにくくなります。
これらの特性から、ゲームをやめるように指示した声が子どもに届かず、一度始めたゲームをやめられず、ずっとやり続けてしまうのです。
また最近では、ゲームをしながら、ボイスチャットで会話しているということも多いですよね。
そうなると、なおさら、子どもに指示の声は届かず、親子関係もギクシャクなんてことになってしまうのです。
しかし、こちらの指示の声が届かないからといって諦めないでください!
視覚優位な発達障害・ASDだからこそ、目から入る情報は脳に届きやすいというチカラを利用することで、ゲーム依存がみるみる解消して生活リズムを整えることができます。
3.不登校のゲームしかしない子どもの生活リズムを整える!3ステップ
発達障害・不登校の子どものゲーム依存を解消して生活リズムを整えるには、視覚的なしかけを使うことがポイントになります!
我が家が実践した方法を3ステップでお伝えしますね。
◆①親子で話し合う
子どもがゲームをしている時間を24時間の円グラフなどに書き込み、見えるようにします。
その上で、ゲームに依存しすぎて日常生活がうまく送れなくなってしまう「ゲーム依存症」について、子どもに伝えます。
子どもは1日にどれぐらい自分がゲームしているか見えることで今の状況が理解できます。
◆②ルールを決める
子どもと一緒にゲームのルールについて話し合います。
ここで大切なのが、親が勝手にルールを決めるのではなく、子どもと話し合いながら親子で納得できるルールにすることです。
一方的に決められたルールは反発したくなりますが、一緒に考え自分の気持ちもくんでくれたルールなら、「守ろう」という意識が芽生えます。
また、不登校の場合、ゲームをすることで、子どもにとって居場所となっている場合があります。
そのことも理解して、制限しすぎないルールを決めていきましょう。
ルールを決めた後は、食事や寝る時間などの1日の流れをもう一度、確認します。
子どもの好きなゲームのキャラクターの絵などと一緒にお家のルールとして子どもの目のつくところに貼っておきましょう。
◆③予告メモの活用
PCゲームに没頭している子どもには、予告メモを子どもの見える手元などに置いて渡すことで、スッとゲームがやめられるようになります。
予告メモを活用するときの3つのポイントをお伝えします。
◆ポイント1 『肯定→指示』のメモ
予告メモは必ず肯定で始まるようにし、ニコちゃんマークなどの簡単な絵文字も入れるようにして書きます。
また、子どもはオノマトペに弱いので、指示を書くときに意識して使うようにしましょう。
「朝、すっと起きたね。(肯定)
朝ご飯にふわふわのスクランブルエッグができたよ!
キリがいいところで食べようね。(指示)」
◆ポイント2 何度も予告する
始めは1時間、30分、5分と、予告メモを置くようにします。
後〇分と伝えることで、「後〇分ゲームを許可された」と感じるので指示に従う心の余裕ができます。
また、ゲームをやめたあとに子どもの好きなものや楽しみがあることで気持ちも切り替えやすくなります。
メモを渡すときに笑顔も忘れないようにしましょう。
「楽しそうにおしゃべりしてるね。(肯定)
後1時間で夕飯の時間だよ。(指示)
〇〇君の好きなカレーライスだよ。(楽しみ)」
対戦ゲームの場合は、予告メモをタイミング悪く渡してしまう心配もありますよね。
その場合は、「何回試合が終わったら、ゲームを終わりにしようね」など事前に親子で回数を決めておくとスムーズにいきますよ。
◆ポイント3 やめられたら褒める
始めは時間になっても、すぐにやめられないときもあるかもしれません。
しかし、そんな時も自分でゲームをやめられてご飯を食べにきた時に、
「ご飯食べにきたね!」
「自分でゲームやめられたね!」
と声をかけることで、「自分でゲームをやめられた」というポジティブな記憶が増えていき、だんだんと予告の回数も減っていきます。
予告メモがなくても、自分からキリが良いところでゲームをやめるチカラもついてきます。
食事もしないで、ずっとゲームばかりしていた不登校の息子が今では予告メモがなくても時間になると、自分からリビングに来て3食とも食事をするようになりました。
1人で留守番している時でさえ、時間になると自分で食事を温めて食べるようになり、生活リズムが崩れることもなくなりました。
始めは何度も予告することが大変と思うかも知れませんが、子どもの脳に届く方法をコツコツ続けることで必ず効果が出てきます。
発達障害・不登校の子どもが食事もしないでゲームばかりしていて、生活リズムが乱れて困っているママは一度、視覚的なしかけを使った方法を試してみてくださいね。
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♡小冊子のご感想
子どもの行き渋りにどう対応するのが正解か分からず困っていました。こちらの本を読んで、行き渋りが悪化する対応をしていたことに気付き、はやめに知れて良かったと思いました。また、どう対応したらいいのか、具体的な対応と声かけが書かれていたので、ありがたいです。今日から取り組んでみます。
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執筆者:倉本 紗衣
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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