3歳の子どもが発達障害グレーゾーンとわかった場合、療育に通うべきかどうか悩みますよね。専門機関から言われたのは「様子を見ましょう。」わが子は本当に療育が必要ない子なのかどうか?親としての考え方と支援について、私の体験からお伝えします。
【目次】
1.発達グレーの3歳、療育の必要性が掴めない
2.3歳発達グレーゾーンの子が療育に通う基準は
3.3歳発達グレーゾーンの療育は早く始めるのが正解
4.療育は母が主体!わが子を伸ばす眼力を磨こう
1.発達グレーの3歳、療育の必要性が掴めない
可愛い可愛いわが子が3歳になり、発達障害グレーゾーンとわかった…もう普通の子育てはできないの?療育には通った方が良いの?不安からたくさんの疑問が湧きます。
ところがグレーゾーンの場合、支援の必要性についてうやむやにされてしまうことが多いため、実はお母さん自身が発達の知識やスキルを身につけることが、子どもの成長を促す近道になります。
わが家の息子は現在6歳、自閉スペクトラム症(ASD)グレーゾーンです。
2歳の頃
・ことばが遅い
・こだわりが強く癇癪を起こしやすい
・保育園の集団活動に参加できないことがある
ということが気になり、地域の療育センターへ相談に行くことにしました。
3歳になって発達検査と診察をしてもらった結果、
「診断をつける程ではないけれど、発達に多少の遅れ・凸凹がありますね。」と言われました。
しかし、気になる点についてどのような対応をすれば良いか、療育に通った方が良いかどうかなど私が知りたかったことには明確な回答を得られなかったのです。
療育については、
「今の保育園でも丁寧に対応してもらっているようだから、今の環境のまましばらく様子を見ても良いと思います。でも、お母さんが希望されるようであれば週1回このセンターに通うこともできますよ。」
とのこと。
週1回でも通った方が良いレベルなのかを知りたかったのですが、いくつか質問をしてもはっきりした答えを聞くことはできませんでした。
初めての子育てで、他の子とどれくらいの差があるものなのかもよくわからず、保育園にも相談してみました。
先生方は日々とても細やかに息子のことを見てくださっていましたが、療育の必要性については
「絶対に行ったほうが良いという訳ではないと思います。ですが、行ったら専門的な支援をしてもらえると思うので、メリットはあると思います。」
そうですよね…。
親としては、プロの方に「こうした方がいい」とはっきり言ってもらえると助かると思っていましたが、自分たちで考えて決める他ないようでした。
迷った末、民間の療育教室に通いました。
ところが、一定の効果は感じられたものの、私の子育てに対する不安はなかなか解消されなかったのです。
困りごとは日々大小様々発生するので、すべてを療育教室で解決することはできなかったからです。
療育に通いさえすれば先生になんとかしてもらえるという考えでは、甘かったのだと知りました。
子どもの成長を促すには、お母さん自身が発達の知識やスキルを身につけることがポイントになります。
次項からは、専門機関や保育園からなかなか明確な意見を聞くことができなかった理由と、息子の療育に関する私自身の考え方の変化についてお伝えしていきます。
2. 3歳発達グレーゾーンの子が療育に通う基準は
グレーゾーンの場合、国や医療機関などで療育に通うべき基準のようなものは設けられていません。
療育に通うかどうかの判断は各家庭に委ねられているのです。
療育センターや保育園で、なぜ決め手になるような一言をもらえなかったのか。
これは診断がつかなかったというのが大きな理由の一つと言えます。
発達検査の数値だけでは、療育の必要性は決定できません。
症状や特性の範囲・程度が1人ひとり違いますし、家の中と外で様子が全く違うという場合もあります。
線引きが非常に難しいため、社会生活に明らかな支障をきたす程の困りごとがない限り、「いったん様子を見ましょう」で終わってしまうことが多いのです。
また保育園の先生方も、保育のプロではあっても発達障害について知識があるかというと、ない先生の方が多いでしょう。
そのため療育について意見を求められても、下手なことは言えないというのが正直なところだと思います。
私が相談に行ったとき、当時は当たり障りないことしか言ってもらえなかったと思いましたが、今思えばあの言葉は息子のことを最大限に想った上での先生方の精一杯だったのです。
3. 3歳発達グレーゾーンの療育は早く始めるのが正解
では親としては、わが子は本当に様子見で良いのかどうか、どのように考えたら良いでしょうか。
難しいかもしれませんが、お母さんから見て日常生活上でこれは解決しておかないと将来困るのでは…と感じることがあるなら、療育は必要と考えて早めに動き出すことをお勧めします!
私自身を振り返っても、3歳の時点ですぐに動き出したことは良かったと思っています。
主な理由が2つあります。
◆状態が悪化してから直すのは困難
発達障害による困りごとは、適切に対応しないとエスカレートしたり二次障害に発展してしまう可能性があります。
特性が強化されこじれてしまった状態を直すのには、労力も時間もかかります。
年齢が上がってから体調を崩してしまう、対人関係が上手くできず外に出られない、暴力がひどくなって一緒に生活することが難しくなってしまうというケースもあるのです。
◆療育の効果が得られるまで時間がかかる
療育は、始めてすぐに効果が出るというものではありません。
1日、2日でも変化が起こることはありますが、困りごとの解決という意味では数か月以上かかると心得ておきましょう。
民間の療育教室の短期集中コースでも、目安として9か月程度の期間が設けられています。
そもそも、療育をどこでどうやるかを検討し、申し込みをして開始するまでに数か月くらいあっという間に時間が経ってしまいます!
幼児期では、「就学までにこういう姿にしたい」という目標を立てることも多いので、早く動き出して損はありません。
発達障害というのは脳機能のある部分が未発達だったり、はたらきが上手くいかない状態なので、ある日突然なくなるということはありません。
3歳という年齢だと、これからことばの発達なども進んで少しずつ他の子に追いついていくかもしれない、という期待も抱いてしまいます。
しかし困りごとは成長すれば減っていくとも限らず、就学後などに増えてくることもあります。
今の時点で気づいている問題は、早めに軽減させておくのが得策です。
次に、療育を進めるにあたり大切なスタンスについてお伝えします。
4. 療育はお母さんが主体!わが子を伸ばす眼力を磨こう
子どもの療育をするのに、とても大切な条件があります。
それは、お母さんが「私がわが子の療育をする!」と決めて発達を学ぶことです。
なぜかと言うと、今までもこれからも、わが子の成長を支える中心人物はお母さんだからです。
私自身の経験からしても、たとえ専門機関であっても他人にお任せするスタンスではグレーゾーンの子育て不安から解放される日は来ません。
よくあるのが、療育教室にいるときはとても良い状態なのに、家に帰るとほとんど元通りに戻ってしまうというパターンです。
教室でできたことを家で上手く再現できないのです。
療育の先生は、教室にいる間しか子どもに関わることはできません。
私は民間の教室に通い始めてから「私も先生と同じくらいの知識やスキルがあればいいのに」と度々思うようになり、自分で学ぶ方法を探して発達科学コミュニケーション(発コミュ)に出会いました。
ここでは、脳のしくみや発達の順序をを知り、そのときのわが子に合った対応を知ることができます。
・息子はなぜ集団が苦手なのか?
・集団に入るためのコミュニケーション力をどこで育めば良いのか?
・集団活動に参加するために、息子の特性を踏まえるとどんなステップで進めれば良いか?
脳科学の視点から解き明かされていきました。
発コミュを学んでからは、療育教室でも教わるだけでなく、教わったことをアレンジして息子に試したり、私からも先生に支援方法を提案したりできるようになりました。
すると息子の方も、なかなか減らなかった癇癪がほとんどなくなり、集団への苦手意識は消えない中でも、得意なことでは輪の中心に立つほどの成長を見せてくれました。
現在は療育教室を卒業し、学びを続けながら家で息子のサポートをしています。
いかがでしたか?
わが子が発達障害グレーゾーンだった場合、療育をどうするのか、お母さんの決断が子どもの成長を左右します。
始めは知識0で大丈夫です。
ただし、発達を学ぶのにも時間が必要です。
もし3歳前後に気づいたのなら、時期を逃さず早めに動き出してみてくださいね。
発達障害グレーゾーンの子育てを学べます!
執筆者:諸住乃莉子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)