発達障害・アスペルガーの子がゲームに負けると癇癪!イライラを卒業して長所を伸ばす対応

 

発達障害・アスペルガーの子どもがゲームに負けると癇癪になって困っていませんか?落ち着けようと声をかけると、さらにヒートアップ。そんなイライラを卒業して長所を伸ばせる対応をお伝えします。
 

【目次】

 
 

1.発達障害・アスペルガーの息子がゲームに負けると癇癪

 
 
発達障害・アスペルガーの子どもがゲームに負けると癇癪がひどく、手をつけられずに困っていませんか?
 
 
負けて癇癪を起こす姿を見ると、こんな状態でこの先どうなるのかと将来が本当に心配になりますよね。
 
 
実は、お母さんの声かけ次第で、子どもの癇癪を落ち着け、本来持っている長所を伸ばすことができるのです!
 
 
我が家には自閉症スペクトラム症(ASD)のあるアスペルガータイプの中学生の息子がいます。

 
 
小学校高学年から学校に行きしぶるようになり、「学校に行かない。プログラミングを学びたい。」と訴えるようになりました。
 
 
それまでの我が家はゲーム禁止でしたが、もともと息子はロボットや機械が好きでした。
 
 
そのため、学校に行かない日は、好きを伸ばす環境を作ってあげたいと思い、家でもゲームOKにし、週に1回IT系のフリースクールに通うようになりました。
 
 
始めは家でもマインクラフトで創作したり、コマンドを入力することに没頭して楽しく過ごしていたので、プログラミングに繋がるからいいなと思って見守っていました。
 
 
しかし、気づくと対戦型ゲームをするようになり、負けると大きな声で叫んだり、壁を蹴ったりして荒れるようになってしまったのです。
 
 
息子の好きを伸ばすために許したゲームなのに、逆にイライラを作るという状況になってしまったのです。
 
 
しかも、ゲームに負ける度にイライラが爆発してしまうため、家には常にピリピリした空気が漂うようになっていました。
 
 
イライラしている息子を落ち着けようと、
 
 
「お水飲むのはどう?」
 
 
などと声をかけてみたりしましたが、ますます荒れるばかりでした。
 
 
しかも癇癪の頻度も増えてしまったのです。
 
 
どのように対応したらいいか分からずに本当に困り果てていました。 
 
 
  そんな時に出会ったのが発達科学コミュニケーション(発コミュ)でした。
 
 
  私が今までしていたことは全てNG対応だったことを知り、本当に衝撃を受けました。
 
 
 
 
 
 発達障害・アスペルガーの特性を知って癇癪へ対応することで段々と息子は感情をコントロールできるようになったのです。
 
 
 ゲームに負ける度に癇癪を起こしていた息子が、今では「負けても勉強なんだよ。」と言って、負けたことを前向きに考えられるようになりました。
 
 
 イライラしそうになったときも、自分で水を飲んだり、好きな音楽を聴いたりして落ち着ける術も身に付けました。
 
 
 この記事では、発達障害・アスペルガーの子どもの特性と、自分で感情をコントロールできるようになる方法をお伝えしますね。
 
 
 
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2.負けると癇癪になるのはなぜ?

 
 
ゲームで負けると癇癪をおこすのはアスペルガーの「こだわりが強い」ことと「感情のコントロールが苦手」という特性に原因があります。
 
 
発達障害・アスペルガーの子どもは一つのことにこだわりすぎて、切り替えることが苦手なため、
 
 
・勝つことが全て! ・負けるなんてあり得ない!
 
 
となって、癇癪になってしまうのです。
 
 
日常生活の中でも「勝つ」ことはよいこと、素晴らしいことと感じる機会も多いですよね。
 
 
 そういった日頃の積み重ねもあり、こだわりが強くなってしまうのです。
 
 
特にアスペルガータイプの子は完璧主義も強く、負けることで自分が他人より劣っていると感じてしまい、さらに「勝つこと」にこだわってしまいます。
 
 
特性のもう一つは脳の前頭前野の機能不全が原因で感情のコントロールが苦手なことです。
 
 
怒りで感情を爆発させるのは、この成長の偏りがあるためで、「イライラしないの!」と言っても、自然に湧いてきた感情を止めることは難しいのです。
 
 
 
 
癇癪の対応をするお母さんもしんどいですが、実は1番しんどいのは癇癪を起こしている本人なのです。
 
 
脳は、繰り返し使われることによってその部分が発達するようにできています。
 
 
そのため、過去の私のように癇癪のNG対応をしていると、負けるといつも癇癪を起こす状態が続き、「脳のクセ」として固定化してきてしまいます。
 
 
だからこそ、早く対応してあげてほしいのです。
 
 
いつもイライラしているために、本来なら高い能力を持っているにも関わらず、発揮出来なかったり、良くない方向に出てしまったりするのです。
 
 
でも、大丈夫です!
 
 
お母さんが子どもに合った対応をすることで、癇癪を落ち着け、イライラがじゃまをして見えなくなっていた長所を伸ばすことが出来るのです。
 
 
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3.癇癪を起こさず、長所を伸ばす対応

 
 
癇癪を起こしている子どもを落ち着かせるのは本当に一苦労ですよね。
 
 
発達障害・アスペルガーの子どもがゲームに負けても癇癪にならないためには、癇癪を起こす前の作戦会議と声かけがポイントになります。
 
 
我が家が実践した方法を3ステップでお伝えしますね。
 
 

◆①作戦会議

 
 
負けを受け入れるときにどのような行動をとればいいのか分からず、癇癪を起こすことが考えられます。
 
 
子どもと一緒にゲームに負けそうになったときや負けたときにとる具体的な行動を決めて、作戦会議しておきましょう。
 
 
「ゲームに負けたときに、どうすればいいと思う?」と子どもに聞き、紙に書き出します。
 
 
例えば… ・水を飲む ・おやつを食べる ・トイレに行く ・音楽を聴く ・You Tubeを観る
 
 
など負けたあとの行動がより具体的にイメージできるようにしておきます。
 
 
気持ちの切り変えの行動が決まったら、子どもの見えるところに紙を貼っておきましょう。
 
 

◆②イライラしていないときの声かけ

 
 
癇癪が起こったあとに声をかけるのではなく、子どもが落ち着いてゲームをしているときに、声をかけることが大切です。
 
 
イライラしていないときに、「ありのまま言葉にして伝える」たったこれだけです。
 
 
「頑張って攻め込んでいるね。その勇気がすごいね!」 「作戦をいろいろ考えてるね」
 
 
こんな風に子どもがプレーしていることを実況中継するだけ。
 
 
実況中継することで、「自分はできる」「褒められた」と自信がつき、勝ちへのこだわりが減っていきます。
 
 

◆③ディスタンシング

 
 
子どもが癇癪を起こして感情が暴れている時には、ディスタンシングを徹底します。
 
 
ディスタンシングとは子どもの感情に巻き込まれずに、子どもの好ましくない行動を見て見ぬふりをすることです。
 
 
子どもの感情が荒れている間は一切相手をせず、子どもの感情がおさまったところで、「水を飲んで、落ち着けたね」などとすかさず褒めます。
 
 
そうすることで癇癪を起こしても意味がないことを理解していきます。
 
 
とはいっても、癇癪を起こしている子どもがいると心配になって声をかけたくなりますよね。
 
 
そんな気持ちをグッと我慢して、子どもの安全を確認した上で、別室に行き、料理をしたり、洗濯物をたたんだりして待ってみてくさい。
 
 
はじめのうちは子どもの行動が気になってうまくいかないこともあるかもしれません。
 
 
何回か繰り返すうちにだんだん上手くいき、子どもの脳も学習し、怒りグセが徐々に消えていきます。
 
 
 
 
我が家でこのような対応を徹底したことで、ゲームに負ける度に癇癪をおこしていた息子が、今では自分で感情をコントロールできるようになりました。
 
 
お友達と一緒におしゃべりしながら楽しくゲームをしたり、得意のコマンドについて教えてあげたりと、長所を伸ばすこともできています。
 
 
お母さんのチカラで怒りっぽいアスペルガーの子を穏やかにし、長所を伸ばしてあげてくださいね。
 
 
 
 
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執筆者:倉本 紗衣
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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