子どもの食事が遅くてお困りではありませんか?時間に合わせて食べることが難しい子も多いようで、食べられるのに給食を残してしまい、お腹をすかせて帰ってくるなんてことも。時間に合わせて食べられるようになる工夫をご紹介しますね!
【目次】
1.発達障害の子どもは食事が遅いのか?
2.食べるのが遅い理由
①苦手・嫌いなものが多い
②時間感覚が鈍い
③お腹がすいていない
④口の中に違和感がある
⑤食事の時間が楽しくない
3.時間に合わせて食られるようになる工夫とは?
1.発達障害の子どもは食事が遅いのか?
わたしの息子は注意欠陥多動性障害(ADHD)です。
朝昼晩関係なく、食事を済ませるのがとても遅いことが多く、 長いときは1時間半くらいかけて食事していました。後片付けが進まず困ることが多かったんです。
そんな息子ですが、ちょっとした工夫と声のかけ方を変えたことで、時間に合わせて食べ終えることができるようになりました!
発達障害の子どもは食事が遅いとみられがちですが、 定型発達の子どもでも食事の遅い子どもはいます。
食べるのが遅いのには、いろんな理由があるのですが、食べるのが遅い子どもに対して、
・片付かないから早く食べてちょうだい
・あと〇分で出かけるから急いで
・好き嫌いしないで食べて
と言っていませんか?
わたしが息子に対して言っていたことです。
この声かけのかけ方では伝わらなかったし、息子の気持ちにも気づいてやれませんでした。
ですが、声のかけ方や食事をちょっと工夫することで、時間に合わせて食事を食べ終えることができるようになってきたのです。
この記事では、食事が遅い理由や時間に合わせて食べ終える工夫などについてお伝えしますね。
2.食べるのが遅い理由
食事はゆっくり楽しみたいものですが、朝のお出かけ前や学校の給食など、 時間に合わせて食事を済ませなければならないことがありますよね。
時間に合わせて食べなければ…とわかっていても、時間通りに食べられなくて困っている子どもも多いのです。
ここでは、食べるのが遅い理由についてお伝えしますね。
◆①苦手・嫌いなものが多い
「苦手・嫌いなもの」というと、食材を思い浮かべる方がほとんどかと思いますが、食材だけではないんです。
味や食感、温度、調理法なども「苦手・嫌いなもの」に含まれます。
わたしの息子の場合だと、
・熱いもの
・食感
・調理法
が当てはまります。
たとえば、焼いたナスは好きだけどお味噌汁のナスは好きじゃないとか、薄切りの牛肉は好きだけど、厚い牛肉は好きじゃないなど。
熱いものも極端に苦手なので、汁物に氷を入れて冷まして食べていたりします。
発達障害の中でも自閉症スペクトラム(ASD)の特性がある子どもは、感覚過敏が原因で苦手・嫌いな食べ物が多く、特定のものしか食べない、または特定のものを一切食べないこともあります。
特定のものに強いこだわりを持つ特性もあるため、
・緑色のものはおいしくない
・白いものはおいしい
・この食器じゃないと食べない
・順番通りじゃないと食べられない
といった思い込みが定着してしまうことも。
好き嫌いが偏りすぎていると、栄養バランスが心配になりますね。
苦手なものや嫌いなものでも食べられるお子さんの場合、なんとか完食しようと頑張るため、食事に時間がかかってしまうのです。
◆②時間感覚が鈍い
わたしの息子がそうですが、時間感覚が鈍く、 平日の朝食も30分ほどかけてのんびり食べています。
休日の朝はホットケーキを1時間ほど時間をかけて食べていました。
本人に聞いてみたところ、そんなにのんびり食べている自覚はないそうで、 気がついたら1時間以上かかっていた、という感覚なんだとか。
時間感覚が鈍いという特性があるため、時間に合わせて行動することが難しいんですね。
不注意や衝動性の特性が強い場合、食事中にほかのことに気を取られてしまうこともあります。
たとえば、テレビやスマホなどですね。
食事中はテレビやスマホを見ないことで、興味をそらすことが可能です。
ASDの場合、ひとつの物事に対してどのくらいの時間が必要か?といった時間の見立てが難しいといった特性があります。
◆③お腹がすいていない
お腹がすいていないと食が進みませんよね。
おやつを食べすぎたとか、前の食事が多すぎた・時間があまり経っていないなど、食事の量やタイミングが原因の場合、とくに心配はないでしょう。
心配なのは、体調不良でお腹がすいていない場合です。
便秘が原因で食欲不振になることもあります。
食に関心がない子どもの場合、食べることが苦痛だったり、食事の時間が退屈でダラダラ食べてしまうこともあるようです。
◆④口の中に違和感がある
グラグラしている歯がある、口内炎ができている、うまく噛むことが難しいなど、口の中に違和感があることで、食事が進まなくなります。
口の中の違和感を説明できる子どもであれば心配ありませんが、上手に説明できない子どもの場合、様子を観察する必要があります。
◆⑤食事の時間が楽しくない
もともと食が細かったり、食に偏りがあると、食事の時間が楽しいものと感じられなくなるようです。
ほかにも、
・食事の時に怒られた
・残さず食べなさいと強く言われた
・テーブルやイスが合わず座っていることが苦痛
・そもそも食に興味がない
・一食分を食べることが難しい
といった理由で、食事を楽しむことができない人もいます。
食べることが楽しくないため、時間がかかってしまうことがあるのです。
3.時間に合わせて食べられるようになる工夫とは?
お母さんの声のかけ方や食事の工夫をすることで、時間に合わせて食事を食べ終えることができるようになります。
わたしの息子の事例をお伝えしますね。
先にも書きましたが、わたしの息子は熱いものや苦手な食感、苦手な調理法があるので、急いでいるときや毎日の朝食時には出しません。
朝食分を作り置きしていますが、息子に食べたいものを聞いて週末にまとめて作っています。
好きなものだと早く食べられるんですね。
それから、前の晩に食べ過ぎないことも大事です。
前の晩に食べ過ぎてしまうと、次の日の朝お腹がすかなくて、食が進まなくなってしまいます。
「腹八分目」と言うように、もうちょっと食べたいな、という食事量が好ましいですね。
学校の給食ではどのようにしているのか聞いたところ、最近の給食は「食べられる分だけ」お皿に持っていくようになっているとのことで、お腹がすいていても欲張って多く取らないようにしているのだとか。
早く食べ終われば、おかわりをするのだそうです。
夕飯は相変わらず1時間以上時間をかけて食べることが多いですが、
・疲れているから早く寝たい
・観たいテレビがあるから早く片づけたい
・夜の散歩に行こう
など、早く夕飯を済ませたい理由を伝えることで、30分くらいで食べ終えてくれるようになりました。
早く片づけたい気持ちから、
・早く食べて
・急いで
・残さないで
という声かけをしていましたが、この声のかけ方をやめてから、ダラダラと食事をしなくなったように感じます。
食事の時に急かされたら、いやな気持になってしまいますよね。
以上が、わたしの息子の事例です。
食事に時間がかかりすぎるのは困ったものですが、フランスではディナーに1~2時間ほどかけて食事をするのだそうです。
時間に合わせて食事を済ませることも大事ですが、週末の夜などはフランスのようにのんびりと食事を楽しんでみるのもいいかもしれませんね。
子どもの偏食でお困りの方はこちらをチェックしてくださいね。
執筆者:村上 惠子
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)