軽度知的障害の子に気持ちを聞いても、返事が返ってこず何を思っているの?と悩んでいませんか?実は子ども自身にも言いたいけど気持ちが言えない理由があるんです。お母さんの声かけを少し変えるだけで、思いを伝えやすくなります。
【目次】
1.何を聞いても返事がない息子に将来が不安になる
2.軽度知的障害の子が自分の気持ちを言えない理由
3.気持ちが言えないことで起こる癇癪・不登校
4.軽度知的障害の子が自分の気持ちを伝えられるようになる声かけのヒント
1.何を聞いても返事がない息子に将来が不安になる
軽度知的障害の息子が小2の夏休み明け、学校へ行きたくないと癇癪。
当時の私は、何が嫌で、何に困っているか聞けば解決できると思っていました。
原因は何?「どうして行きたくないの?」と聞いても、
「…」
シクシク泣いているだけ。
気持ちが言えない子どもには、お家でお母さんと1対1のコミュニケーションを通して、自分の気持ちを言える関わり方をしてあげることが大事です。

軽度知的障害の息子との会話はいつも、こちらが息子の気持ちを読み取るスタイルのコミュニケーションでした。
気持ちを知りたいだけなのに、どうしてうちの子は話してくれないの?
以前の私は、この歳から気持ちが言えない親子関係に不安がありました。
なぜなら、大人になったとき何も話してくれなくなると思っていたからです。
今から対応を変えれば、親子関係を変えられるのかもと期待を膨らませて発達科学コミュニケーションを学び始めました。
息子が自分の気持ちを言えないのは脳の特性によるものだと学んで知りました。
どういうことか、詳しく説明していきますね。
2.軽度知的障害の子が自分の気持ちを言えない理由
軽度知的障害の子が自分の気持ちを言えないのには大きく2つの理由があります。
◆自分の気持ちに気づきにくい
軽度知的障害の子は、小さい頃から自分がどう感じるか、どうしたいかを考えていないと、自分の気持ちに気づきにくいという特性があります。
たとえ自分が嫌だと感じても、その意見を伝える経験が少ないと、主張するより相手に合わせるほうが楽に感じてしまい、どんどん自分の気持ちが分からなくなります。
また、自分が感じている気持ちを表現する言葉が分からないので、伝えたくても伝えられないのです。
◆受け取った言葉を理解し適切に返す脳の発達がゆっくり
・言葉を受け取って理解する
・話す内容を考えて言葉にする
こういった処理をする脳の発達がゆっくりなため、元々会話のキャッチボールをすることが 難しいのです。

このように自分の気持ちが言えない特性に加え、不安の強さもあるため、
「こんなこと言ったら怒られそうだな」
「どうやって返したらお母さんは喜ぶんだろう?」
と考えてしまい、ますます自分の気持ちが言えなくなってしまうのです。
3.気持ちが言えないことで起こる二次障害
自分の気持ちが言えないとどうなってしまうのかというと、お家や集団生活で我慢をすることが多くなります。
・イヤなことがあっても「イヤ」と言えず、頑張り過ぎてしまう
・助けてほしいのに「助けて」と言えないで、無理をしてしまう
・分からないなりに一生懸命やるのに周りに追いつけない
するとイヤだ、辛いという気持ちを抱えたまま、我慢をしながら活動するので、当然ストレスが溜まります。
お家での理解がないと更にストレスが募り、激しい癇癪を起こしたり、学校へのネガティブな感情の蓄積が、不登校や二次障害に繋がります。

集団生活のコミュニケーションのほとんどは言葉によることが大きいので、気持ちを言葉にできないままだと、軽度知的障害の子の困りごとはどんどん大きくなります。
唯一自分を出せる家でもお母さんに本音を言えない関係だと、どんどん自信をなくして親子関係も悪化していきます。
だからこそ、お家の中でお母さんと1対1のコミュニケーションで自分の気持ちを言える関わり方をしてあげるのがいいのです。
4.軽度知的障害の子が自分の気持ちを伝えられるようになる声かけのヒント
軽度知的障害の子が自分の気持ちを伝えられるように言葉を伸ばすには3つの声かけを意識してくださいね。
◆①話してくれたときこそ肯定する
軽度知的障害の子は不安が強く、
「こんなこと言ったら怒られるかな?」
「なんて答えたらいいか分からないな、どうしよう…」
と、先の心配から気持ちを言うことに臆病になりがちです。
・どんな言葉でも気持ちを伝えてくれたときは「教えてくれてありがとう」と伝えてくれたことに感謝をする
・話してくれたことに対して「それいいね」「そんな感情もあるよね」と肯定する
・「お母さんは、あなたの気持ちが知れて嬉しいよ」とアイメッセージを伝えて喜ぶ
するとどんな話をしてもお母さんは僕の気持ちを受け入れてくれるんだ、もっと話してみようかなという感情が芽生えます。

◆②矢継ぎ早に話さない
軽度知的障害の子は、自分の話すことを整理してアウトプットするという脳の発達がゆっくりです。
そのため、まだ頭の中で理解したり整理したりしている最中に、お母さんが矢継ぎ早に話しかけてしまうと、脳が処理しきれず余計に言葉が詰まってしまいます。
子どものことをよく観察して、子どもが今何を考えているのかな?と様子をみながら、お母さんは心の中で数を数えながら待ちましょう。
お子さんが言葉を理解するのに何秒かかったか知っておくと、今後の会話のときも待つ時間が分かってきますよ。
◆③感情に名前をつけてあげましょう
言葉がゆっくりな軽度知的障害キッズは、自分の感情をどんな言葉で表現していいのか 分からないので、
行動して心が動いたときに
「うれしかったね」
「面白かったね」
「悲しかったね」
「ビックリしたね」
「悔しかったね」
と子どもの気持ちにお母さんが名前をつけて言葉で伝えてあげましょう。
そうすることで、子どもは自分の感情に名前が付いて表現しやすくなります。
段々お母さんの真似をして自分の気持ちが言えるようになります。
気持ちが言えるようになると、今まで言えずに我慢していたことが言えるようになるため、 ストレスを受けることが減り、脳が伸びやすい環境が整います。
私が子どもの気持ちに寄り添い声かけを変えることで、気持ちを表現できなかった息子がどんな気持ちでも言葉にして伝えてくれるようになりました。
親子で本音が言い合える関係になれますよ。
知的障害キッズの行動力と会話力を引き出す対応をお伝えしています。
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執筆者:みやび 楓
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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