少し注意しただけで癇癪を起こしてしまう。そんな知的障害の子どもとの毎日に、ママも疲れていませんか?癇癪を引き起こしている原因は対応が合っていないからかも。この記事では、感情に巻き込まれずにスッと癇癪を落ち着かせる対応方法をご紹介します。
【目次】
1.知的障害キッズの繰り返される癇癪に疲れていました
2.知的障害キッズの癇癪の原因は何?
3.癇癪をスッと落ち着かせる!ママができる3つのステップ
1.知的障害キッズの繰り返される癇癪に疲れていました
「ここ違うよ」「それはよくないと思うな」「早くして」と少し注意しただけで、癇癪を起こしてしまう。
そんな知的障害キッズの癇癪に疲れていませんか?
わが家の知的障害キッズの息子は、
・「ここ違うよ」と服の前後ろの間違いを指摘しただけで大声を上げて暴れる
・パパのことを叩き、「それはよくないと思うな…」と注意するとヒートアップして怒り出す
・約束の時間に間に合いそうになくて「早くして」と急かしただけで大パニック
と、小さなことでよく癇癪を起こしていました。

こんな癇癪の繰り返しに、「また始まった…」「正直めんどくさい…」と、よくため息をついていました。
スルーしても収まらない癇癪に疲弊していたんです。
「感情に巻き込まれないで」と言われても、時間がなくて焦っているときや、外で起こる癇癪を見ている方は心身ともに疲れてしまいますよね。
ほんの些細な一言で、何で癇癪が起こるのかも分からなかったので、
「今日は癇癪が起きませんように」と、ヒヤヒヤしながら過ごしていました。
どうして癇癪が起きるのか原因を追求したら、驚くほど簡単に気持ちを切り替える方法があったんです。
子どもが癇癪を起こしたとき、その癇癪の背景を知ることで、ママが迷わずに対応できるようになります。
2.知的障害キッズの癇癪の原因は何?
知的障害キッズの癇癪はなぜ起きるのでしょうか?
些細なことで癇癪が頻繁に起こるのは、脳の特性が関係しています。
◆感情の脳の発達が未熟
1つ目は「感情の脳の発達が未熟」ということです。
脳の中では、感情を処理する場所がありますが、発達障害や知的障害の子どもは自分の感情自体に気づくことが苦手で発達がゆっくりなのです。
自分の中の「ネガティブな感情」を過剰に強く感じて癇癪につながり、自分の感情が最優先されてしまうので周りの状況を理解する余裕がなくなります。

◆自分の気持ちを言葉にすることができない
2つ目に「自分の気持ちを言葉にすることができない」からです。
嫌だ!難しい!疲れた!悲しい!モヤモヤする!など、状況や気持ちを自分で感じとることが苦手で、その不快さを言葉にすることができずに身体で爆発させてしまいます。
つまり、子ども自身がどうしていいのかわからず、脳のSOSとして癇癪を起こしている状態であると言えます。
脳の特性の背景を知り、子どもがいっぱいいっぱいになってしまう状態はなぜだろう?と考えたとき、
自分の余計な一言がキッカケだったことに気付いたんですよね。
癇癪を引き起こす原因を作っていたのは、私の余計な一言がほとんどでした。
この原因に気付けば、必ず癇癪は減っていきます!
3.癇癪をスッと落ち着かせる!ママができる3つのステップ
では、どのような対応をすると、癇癪が落ち着くのでしょうか?
まず、大前提に「ここ違うよ」「それはよくないと思うな」「早くして」などの余計な一言は言わないように注意しましょう!
これらを言わなくするだけでも、癇癪を起きにくくします。
つい言ってしまったとき、どう対応するといいかを、3つのステップでご紹介します。
1、子どもの癇癪を観察する
「なにがきっかけだったのかな?」
「どういう流れで癇癪が起きたのかな?」
まずは行動の背景を冷静に観察してみましょう。
何かの不安・違和感・悲しさがあるはずです。
2、言葉で本音を代弁する
子どもは自分の感情をうまく言えないだけなので、ママが代わりに、気持ちを言葉にしてあげると落ち着くことが多いです。
例えば、
「一生懸命やったから間違いを指摘されたくなかったんだね」
「パパに怒られたのが悲しかったんだよね」
「早くしてって言われたのが嫌な気持ちになったんだね」
言葉にしてもらえると、子どもの脳は「わかってもらえた」と安心します。
すると、癇癪が収まり気持ちを落ち着けてくれます。
3、癇癪の代わりになる表現を教える
「困ってるって言えば分かりやすいよ」
「今の言い方は嫌だったって言うだけで伝わるよ」
など、落ち着いているときに怒らなくても伝わる方法を少しずつ教えていきます。
そうすれば、少しずつではありますがどんどん言葉で言えるようになっていきます。
子どもが癇癪に頼らなくてもいいやり方を、ママとの関わりでつくってあげてくださいね。

癇癪は、「わがまま」でも「性格」でもありません。 うまく伝えられない本音の叫びです。
ママが本当の気持ちに寄り添い、「怒らなくても伝わるんだよ」と教えていくだけで、少しずつ癇癪が減っていき、安心して気持ちを伝えられる子へと育っていきます。
わが家の息子が癇癪を起こした時、気持ちを代弁したら、ママが分かってくれた!という表情をしてくれました。
それからは、癇癪の裏にある本音を見るようにしていきました。
すると、今ではほとんど癇癪がありません。
感情に敏感に察知できるのは、一番そばにいるママだけです。
今日から癇癪の裏にある本音を、そっと見つけてあげてくださいね。
知的障害キッズの行動力と会話力を引き出す対応をお伝えしています。
執筆者:みやび 楓
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)