３歳の子が癇癪を起こして叩いてくる姿を見ると「ダメでしょ！」と叱りたくなりますよね？しかし、叱ると子どもはさらに手をだしやすくなることもあります。 ３歳児が叩いてくる理由を知り、手が出るのをピタッと落ち着かせる親の対応方法をご紹介します。
【目次】
１．３歳癇癪叩いてくる息子に子育てのイライラが止まらないのは私だけ？
２．３歳暴力的になるのは何故？叩きにくる本当の理由
３．暴力的な子どもがピタッと落ち着く！今日からできる親の対処法
１．３歳癇癪叩いてくる息子に子育てのイライラが止まらないのは私だけ？
３歳の息子が気に入らないとすぐ叩いてくる。
おもちゃを投げたり、弟をバシッと叩いたり…。
注意してもやめない姿にイライラが募り、３歳暴力的な息子「このままじゃお友達をケガさせてしまうかも…」 「私の育て方が悪いのかな」そんな不安で胸がいっぱいでした。
だけど実は、これは決してママのせいではありません。
３歳は「脳の発達」と「感情のコントロール力」がまだ未熟な時期。
ちょっとした声かけや対応を変えるだけで、叩く行動はぐっと減らすことができます。
私には２人の息子がいます。
長男が３歳、次男が１歳の頃。
長男がおもちゃで遊んでいると、次男がちょっと触っただけでバシッ！ と手加減なく叩いてしまうことがしょっちゅうありました。
思わず私も「叩いちゃダメでしょ！」と強く叱ってばかり。
毎日、「また叩くかも…」とハラハラし、長男の“気に入らないスイッチ”に振り回され、私自身も心がすり減っていきました。
そして一番つらかったのは、「しつけができない親だと思われてるかも…」という後ろめたさ。
叱っても変わらず、むしろ長男の反発は強くなり、弟への攻撃もヒートアップ。
正直、ヘトヘトでした。
そんなとき、「叩く行動には発達上の理由がある」と知り、対応を少し変えたことで、長男の攻撃的な行動は少しずつ落ち着いていきました。
次では、「３歳がなぜ叩くのか？」脳と心の発達からその本当の理由をわかりやすくお伝えします。
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２．３歳暴力的になるのは何故？叩きにくる本当の理由
３歳の子どもが気に入らないと叩いたり、衝動的に行動してしまうのはなぜでしょうか？
実は、心の成長と脳の発達が大きく関係しています。
◆①心の成長の未熟さ
・「自分でやってみたい！」という自立心が急に育つ時期
・手先や身体の使い方はまだ未熟
・「やりたいのにできない」というジレンマが溜まりやすい
このように３歳ごろは、気持ちと実際の行動に大きなギャップが生まれます。
その行き場のないモヤモヤが、叩く・物を投げるといった暴力的な子どもの行動になって表れるのです。
◆②感情の発達の未熟さ
・気持ちをシンプルな言葉（「いや」「やめて」）でしか表せない
・思い通りにいかないと気持ちを切り替える力が弱い
・深呼吸・場所移動など“大人ならできる”落ち着く行動がまだ難しい
３歳児は脳の前頭前野が未発達のため、衝動を抑えるブレーキが弱い状態です。
だからこそ、怒りや不満が高まると瞬間的に叩いてしまいます。
とはいえ、気に入らないとすぐに叩く姿を見続けると、ママだって混乱するし、イライラするのは当然です。
ときには、「そんなことしないで！」と強い言葉が出てしまうこともあります。
しかしそれは、 ママが悪いわけでも、子どもが悪いわけでもありません。
３歳児にとって叩く・投げる行動は、未熟な心と脳ががんばって気持ちを表現しているサイン。
実はこれは、「自分の感情を外に出せる」という成長の一歩でもあります。
安心できる環境だからこそ、子どもは自分の気持ちを表に出せるのです。
このように３歳児の行動の背景を知ると、ただ叱るのではなく「今、何を伝えたかったのかな？」と冷静に見られるようになり、ママ自身のイライラもスッと落ち着いてきます。
その結果、 叩く回数も減り、 兄弟やお友達と穏やかに遊べる時間が増えていきます。
次では、今日からすぐに実践できる「叩く行動を減らすための具体的な対応方法」をお伝えします。
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３．暴力的な子どもがピタッと落ち着く！今日からできる親の対処法
3歳児の「叩く」「衝動的な行動」は、心と脳の発達段階で自然に起こること。
だからこそ、即効性のある方法と、長期的に効く関わり方を組み合わせることが大切です。
ここでは「即効性のある対策」と「長期的に効く関わり方」を組み合わせてご紹介します。
◆①安全に気持ちを発散できる“出口”を用意する
子どもが落ち着いているときに、叩いてもOKなモノを事前に決めておきます。
・「イライラしたらこのクッションは叩いていいよ」
・「このぬいぐるみは叩いても大丈夫だよ」
と伝えておくことで、危険な行動に向かうのを防ぐことができます。
発散の仕方を知ると、子ども自身も気持ちを切り替えやすくなります。
◆②共感しながら抱きしめる
3歳は「自分でやりたい！」がとても強い時期。
否定されたと感じるとすぐに攻撃的になります。
そんなときは、
・「やりたいんだね」
・「自分でやってみたかったんだよね」
と気持ちを受け止め、ギュッと抱きしめてあげましょう。
安心感が先に満たされると、自然と落ち着きやすくなります。
それでも攻撃が続くときは、身体で優しく止めて周りの安全を守って大丈夫です。
◆③子どもの気持ちを代弁する
3歳児は自分の気持ちを上手に表現できません。
・「取られそうでイヤだったんだね」
・「急に言われてびっくりしたんだよね」
と代弁すると、「わかってもらえた」という安心から、興奮がスッと落ち着きます。
◆④落ち着いたトーンで伝える
ママの声のトーンは、子どもの興奮に直結します。
・落ち着いた
・少し低め
・短いことば
で、「叩くのはイヤだよ」とだけ伝えるのが効果的です。
３歳の「叩いてくる」「３歳暴力的」に見える行動は、発達段階で自然に起きるもの。
しかし放っておくと兄弟関係や友達関係が悪化し、ママ自身も疲れてしまいます。
だからこそまずは、その場を安全に落ち着かせる即効策を行うのが第一歩。
そして、「気持ちを認める」「代弁する」「落ち着いた声」この３つの関わりを積み重ねることで、 叩く回数は必ず減っていきます。
焦らなくて大丈夫。
今日、ひとつでもできたことがあれば、「私、できてる！」と自分に言ってあげてくださいね。
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３歳癇癪手がでる子についてのよくある質問（FAQ）
Q1：3歳で叩いてくるのは私の“しつけが悪い”事が原因ですか？
A1：しつけのせいではありません。脳の発達段階の影響が大きいです。 3歳は「気持ちの表現＝行動」になりやすい時期です。ママの育て方が悪いわけではないので、自分を責めなくて大丈夫です。
詳しくは ３歳癇癪の怒らない脳の育て方 を参照。
Q2：3歳で暴力的な行動があると、この先ずっと乱暴な性格になりますか？
A2：なりません。今は「言葉・気持ち」を切り替える“技術”がないだけです。 性格とは別問題。「暴力＝その子の本質」ではないので安心してください。 切り替え力の育て方は 切り替え力を育てるママの声かけ にまとまっています。
Q3：叩いてくるときに抱きしめたり距離をとったり…正反対の意見があって迷います。何が正解？
A3：子どもの“状態”によって使い分けるのが正解です。
・興奮がピークのとき → 距離をとって安全確保
・泣きながら訴えているとき → ハグが有効
・落ち着きかけ → 言葉の代弁
というように、“状態ごとにベストの関わりがある”と考えると迷いにくくなります。 ３歳児への対応は 怒るとママのせいにする３歳児への対応 をどうぞ。
執筆者：平野 可奈子
(発達科学コミュニケーションアンバサダー)
