「最近イライラが増えた…」「暴言がひどくなった」それ、実は二次障害のサインかもしれません。知的障害のある子が心を守りながら育つためには、お家での関わり方がとても大切です。この記事では、二次障害の原因とママが今日からできる具体策をお伝えします。
【目次】
1.知的障害の子の暴言・暴力は反抗期だと思っていました
2.環境とのミスマッチが原因?二次障害が起こる理由
3.二次障害を悪化させないための3つの対応
1.知的障害の子の暴言・暴力は反抗期だと思っていました
「前よりイライラすることが増えた」
「暴言・暴力が増えている」
「ちょっとしたことでパニックになる」
そんな子どもの姿を見て、私はのんきに反抗期なのかもって思っていました。
わが家の息子は軽度知的障害で自閉スペクトラム症の小学4年生です。
4年生になってから、暴言・暴力が増え、どんな些細なことにも突っかかってくるようになりました。
言葉がゆっくりな子なので、遅れてきた反抗期なのかな~とぼんやり思っていましたが、調べてみると二次障害を引き起こしていることに気付きました。
今まではかなり穏やかだったのに急にどうして?と思い、ふり返ってみると理由が分かりました。
息子には3つ下に気が強めの妹がいます。娘が小学生になり、学校でのストレスを息子に向けてしまっていたのです。
息子が娘に𠮟責されることが多く、「それはしないで!」と否定されたり、理不尽に「お兄ちゃん嫌い!」と否定される度に素直に受け取ってしまうので、心に傷を負ってしまっていたのです。

息子は根は優しく真面目なタイプなので、娘に対して一度も嫌がることをしたことはありません。
本人の中でも、どうしたらいいか分からない気持ちを、親に暴言・暴力として出していたのです。
正しく対応すれば二次障害の症状を減らして素直さを取り戻すことができるのです!
2.環境とのミスマッチが原因?二次障害が起こる理由
知的障害のある子どもたちは、環境や人との関わりの中で自分に合わないと強いストレスを感じやすいという特性があります。
知的障害の子どもで繊細な子は特に、環境の変化や人間関係にとても敏感です。
イライラしやすくなったり、暴力を振るうようになることは、実は環境との相性に問題があるのです。
無理に適応しようとし、心と体に大きな負担がかかり、やがて二次障害へとつながる可能性があります。

そしてストレスが蓄積すると、「不安が強くなる」「感情をうまくコントロールできなくなる」といった問題に発展するのです。
二次障害は、子どもがうまく気持ちを伝えられないまま、困りごとが積み重なることで、暴言・暴力へと深刻化していきます。
これらの状態は、今の環境では苦しいというSOSなんです。
なので、私は息子の環境や対応を変えようと一定期間だけストレスゼロ期間を作ることをしました。
事項ではそのストレスゼロ期間でした対応を詳しく説明していきますね!
3.二次障害を悪化させないための3つの対応
子どもを救うために、難しいことをする必要はありません。
そして誰に対しても対応は同じです。この時、不安が強い娘に対しても同じ対応をしました。
今すぐママができる対応を3つお伝えします。
◆① 安心できる環境をつくる
娘にも息子にも、肯定の注目10、否定の注目0のストレスゼロ期間を作りました。
なぜなら、ストレスを抱えているときは何かをする気力がないので、安心できる人、環境がここにはあると感じることが大切だからです。
「暴言・暴力」にイライラしてしまうところはスルーして、できているところに注目して、肯定の声かけのシャワーをかけました。
特に気を付けたのが、少しでも否定しそうになったときは、「何も言わない」ことです。
親身になって「聞く」ことを徹底しました。
「あなたはそう思ったんだね」と一旦気持ちをお預かりし、気持ちに共感してあげることで子どもはスッキリして、暴言・暴力ではなく言葉で言えるようになってきました。
また環境を整えるために、お互いに一人で静かに過ごせる部屋やパーソナルスペースをつくり、なるべく同じ空間で過ごさないよう、兄妹で関わる時間を減らしていきました。

◆② 肯定的な関わりで“できた”を増やす
失敗や否定される経験が積み重なると、自己肯定感がどんどん下がって自信を失っています。
当たり前にできているところをさりげなく肯定していく関わりが大切です。
「今日もお風呂に入れたね!」
「服を選べたね!お着替えもできたね」
「ご飯を一緒に食べられて嬉しいよ」
と肯定する声かけをいつもより多めで伝えました。
◆③ ストレス発散の方法を見つける
お子さんに好きなものがあれば好きを活用して、外に出る活動を取り入れました。
トランポリンが好きなら、トランポリンで遊べる場所へ行って身体を動かす。
電車が好きなら、「電車を見に行こう」と散歩へ出かける、電車に乗る機会を増やすこともして過ごしました。
身体を動かすのが好きならば、公園へ出かけるなど、好きなものからなら、無理やり連れ出すことなく行動に移すことができます。
身体を動かすことでストレス発散になるので、ぜひ好きなものを取っ掛かりにして行動力を上げてみてください。
知的障害のある子の困りごとは、子どもの中にあるのではなく、環境とのミスマッチから生まれていることを理解してあげることから始めてみてください。
大人の対応を変えるだけで、子どもの行動は必ず変わります。
息子はまた素直さを取り戻して、笑顔と笑い声が増えました。
あなたの声かけひとつで、子どもはきっとまた笑顔を取り戻してくれますよ。
知的障害キッズの行動力と会話力を引き出す対応をお伝えしています。
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執筆者:みやび 楓
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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