自閉症の子どもにとって「ルーティン」は心の安心の土台。ですが突然崩れると、不安からパニックになってしまうことも。本記事では、ルーティンが崩れたときのパニックの原因と、落ち着かせて安心できる関わり方を3つご紹介します。
【目次】
1.いつものルーティンが崩れてパニックになる自閉症のわが子に困っていました
2.自閉症の子がルーティンを崩すとパニックになる原因
3.ルーティンが崩れても安心できる関わり方でパニックは防げる
1.いつものルーティンが崩れてパニックになる自閉症のわが子に困っていました
朝起きて、いつもの時間にご飯を食べて、いつもの時間に服を着て、学校へ行く。
こんな「いつも通り」の日常が崩れたとき、お子さんがパニックになって困っていませんか?
ルーティンが崩れても、ママが安心できる関わりをすればお子さんは変化に対応していけるようになります。
自閉スペクトラム症で軽度知的障害のわが子はルーティンで動くことが得意な子です。
そんな息子は授業でも毎回同じルーティンなら安心して過ごせるのに、短縮授業やイレギュラーな時間割のときは、どうしても気持ちが乱れてパニックを起こしてしまっていたのです。
特に長い休みに入ったときや休み明けは、生活がガラッと変わるので環境の変化に慣れずパニックが頻繁に起きていました。

不安から自分の前髪をハサミで切ってしまったことまであったんです。
泣いて怒る姿を目の前にしながら、私はどうにもできずにため息ばかりついていました。
息子の「行動」をどうこうするのではなく、その裏にある「不安のサイン」に気づいてあげたとき、ようやく対応が分かってきたんです。
そんな安心のルーティンが崩れたとき、どう対応すればいいのか、この記事で対応方法をご紹介します。
2.自閉症の子がルーティンを崩すとパニックになる原因
どうにも変えられない予定変更に、パニックを起こされると正直困りますよね。
でもルーティンが崩れたときにパニックを起こすのには、ちゃんと理由があるんです。
自閉スペクトラム症の子どもにとって、ルーティンや決まった流れは「安心のガイド」のようなもの。

流れの変化を瞬時に理解したり、柔軟に対応するのが難しいため「いつもと同じ順番・同じ流れ」で動くことが心の安心につながっているのです。
それが崩れると、
・先が見えない
・予定が分からない
・変化に対応できない
この3つが重なり、不安が一気に膨らんでしまいます。
人は誰でも、先が読めない状況にストレスを感じますが、自閉スペクトラム症の子どもは特にこの影響を受けやすいのです。
そのため、予定外の出来事があると「パニック」や「癇癪」などの形で表わしているのです。
けれども、私たちではどうにもできない予定変更はいつでもどこでもありうるので、急な変更にどう向き合うかという“心構え”が必要なんです。
そんな時に使える、ママの関わり方で安心感を与え、パニックを起こさない対応を事項でお伝えします。
3.ルーティンが崩れても安心できる関わり方でパニックは防げる
予定変更で子どもがパニックを起こしたとき、親としては「どう対応すればいいんだろう…」と悩みますよね。
完璧に防ぐことはできなくても、ちょっとした工夫で子どもの不安はぐっと減らせます。
ここからは、私が実際に効果を感じた3つの対応をご紹介します。
◆① 見通しを与える会話を日常で取り入れる
ルーティンが崩れるとパニックになりやすい子は、想定力がないことが多いです。
なので、日常から予定を伝える習慣を身につけていきました。
予定の変化は、事前に伝えるとより安心感を与えることができます。
カレンダーや予定表を一緒に見ながら、
「〇日は晴れたらお外に行こうね、雨だったらおうちで過ごそうね」
「〇日から学校が始まるよ、デイは学校の後にあるよ」
と、視覚的にも示してあげると安心感が生まれます。
「あと○回寝たら遊びに行くよ」など、“数”で伝えるのも効果的でした。
特に自閉症の子は「見える化」された情報から理解するのが得意なので、絵やシールを活用するのもおすすめです。
今ではスケジュールを見て楽しいことが待っているとワクワクして過ごしてくれています。
◆② 急な変更には“空気感”で寄り添う
予定は、時に急に変わってしまうこともあります。
そんなときに一番大切なのは、実は「言葉」ではなく「空気感」。
そんな時は「3S」を徹底しましょう。
3Sとは、
・SMILE (笑顔で)
・SWEET (やさしい声で)
・SLOW (ゆっくりと間をとって)
これだけで、子どもに安心が伝わります。
そして、共感のひとことを添えることを徹底しました。
「いつもと違うの知らなかったよね」
「スケジュールが違ってビックリしちゃったね」
「分からなくて不安になっちゃったね」
子どもが感じている“不安”をそのまま言葉にしてあげるだけで、ママが僕の気持ちを分かってくれた!と感じ、心はスッと落ち着いていきます。

◆③ NG対応を避ける
逆にやってはいけないのは、感情的に返してしまうことです。
「なんでそんなことするの!」
「しょうがないでしょ!」
「そんなことで泣かないでよね!」
こうした言葉は、子どもの不安をさらに大きくしてしまいます。
完璧を目指す必要はありません。
むしろ「7割できたらOK」と、自分に言ってあげるくらいでちょうどいいのです。
ルーティンが崩れても、大丈夫!大切なのはお子さんにどう向き合うか。
我が家の息子は、今ではルーティンが崩れて不安になっても「風邪を引いたから行けないのか」と自分の言葉で落ち着かせられるようになりました。
息子は見通しを持たせる関わりで、不安でパニックになることは激減しました。
パニックになっても気持ちを代弁してあげることで、気持ちを切り替えられることがスムーズになり対応が楽になったのです。
自閉スペクトラム症の子の不安は、準備とママの安心の関り方で落ち着きを取り戻していけますよ。
知的障害キッズの行動力と会話力を引き出す対応をお伝えしています。
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執筆者:みやび 楓
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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