大きな音に敏感に反応し、それを怖がるHSCや発達障害の子ども。実は、ビクッとなることに対して周りの大人が叱責するのは意味がないんです!その理由と対応のコツについてお伝えします。 |
【目次】
1.コミュニケーションに支障あり?!大きな声に驚きすぎる我が子
こっそりつまみ食いをしていた我が子を発見したときのこと。思わず「あーっ!」っと、大きな声を私があげると、子どもはビクーッ!!!となりました。
その反応は「そんなに驚くことじゃないよね」というくらい大げさなもの。挙句の果てに「びっくりした~!!!」と言って泣き出してしまいました…。
私としては驚いたから思わず出た言葉で、驚かそうとか怖がらせようという意図があった訳ではありません。しかし、子どもを泣かせてしまったことで「何か悪いことしたな…」という気持ちになった出来事でした。
ひといちばい敏感な子(HSC)や自閉症スペクトラム(ASD)の子は、大きな音を必要以上に怖がることがあります。
実は、大きな音が苦手な子に「そんなことに驚くんじゃないの!」と叱責するのはNGなんです!次の章では、なぜNGなのかについてお話したいと思います。
2.なぜHSCや発達障害の子がビクッとなるのを責めてはいけないのか?
例えば、子どもが脚を骨折したとイメージしてみてください。骨が折れている子に、「脚は痛いと思うけど、がんばってマラソン大会出てね!」とは言いませんよね。
大きな音を嫌がる子に「いちいち驚かないで!」というのは、脚が折れているのにマラソンを走れと無理難題を言っているようなもの。
大きな音に敏感に反応しすぎることは、感覚過敏のうちのひとつです。感覚過敏というのは、生理学的なものなので子どもたちにとってもコントロール不能です。
どう頑張っても、驚かずにスルーするということは不可能。それを怒られても子どもにとっては辛いだけになってしまいます。だから、周りの大人が理解不足による叱責をしないように心がけるのが大切なのです。
3.ビクッとさせないコツとは
声をかけるときには、とにかく大きな声を急に出さないことがポイントです。どのくらいの声の大きさなら子どもは驚かずにいられるのかは、子どもによって個人差があります。日常の様子を見ながら探っていけると良いですね。
また、見えないところから急に体を触られることについても、ビクッとしやすい子がいます。例えば、背中側から「ねぇねぇ」と肩を叩かれるような場合です。そのような子には見える位置から触ってあげると、無駄に驚かせずに済みます。
また、心臓に響くような花火や太鼓などの音が苦手な子も多いもの。そのような音に反応するのであれば、音が聞こえないところに避難してあげるということもオススメの対処法です。
大きな音に敏感に反応してしまうのは、子どもにとってはどうしようもできないこと。ですので、周りの大人が環境を整えてあげてくださいね。
執筆者:渡辺カナ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)