集団行動が苦手な小学生でも夢中になった!『体を動かしたくなる運動』親のNG対応と3つの見つけ方

 

「みんなと同じようにする」「同じタイミングで動く」「集団のルールに合わせる」ことが、良い行動として評価されやすいよね。集団の中で「できない・困る・怒られる」という経験が積み重なって、自信をなくしてしまう。集団では苦手でも、1対1ならできることありませんか?
 

【目次】

 

監修者:吉野加容子

発達科学コミュニケーション創始者/パステル総研主宰/発達科学ラボ代表

 

脳科学をベースに、発達障害・発達グレーゾーンの子どもの発達支援を専門とする。広島大学教育学部卒業後、東京学芸大学大学院修士課程、慶應義塾大学大学院博士課程で学び、民間企業での脳科学研究、医療機関での発達支援、大学での教育に従事。

 

15年以上にわたり発達に悩む親子と向き合う中で、「子どもの発達を本当に伸ばすのは、家庭での365日の関わりである」という結論にたどり着く。

 

病院や学校だけでは支援が届きにくい発達グレーゾーンの子どもたちに対して、家庭で再現できる支援を確立するため、脳科学・教育学・心理学を融合した独自メソッド「発達科学コミュニケーション」を開発。

 

これまでに数多くの親子の変化を生み出し、“ママが変われば子どもが変わる”という発達支援の新しい当たり前を広げている。

著書に『発達障害とグレーゾーン 子どもの未来を変えるお母さんの教室』『脳を育てる親の話し方』『脳が喜ぶ子育て』など。

 

1.運動が苦手だと思っていた息子は、実は「集団での運動」が苦手だった

 
 
息子は小さい頃から、いわゆる集団行動でおこなう「スポーツ」が得意ではありませんでした。
 
 
小学校の運動会ではダンスについていけない。一生懸命走っているのに「真面目に走れ」と注意される。ボールを思うように扱えない。ルールを守れず怒られてしまう。
 
 
そんな経験が積み重なり、少しずつ「運動は苦手」「やりたくない」という気持ちが育っていったように感じていました。
 
 
 
 
それでも、戦国武将好き、刀好きな息子が憧れる武将になりたい!と剣道を始めました。大会や昇級審査にも挑戦し、一生懸命頑張っていました。
 
 
しかし、感覚過敏や体力面の負担、礼儀や決まりごとの多さが重なり、続けることが難しくなりました。
 
 

2.運動嫌いの子どもへの親のNG対応

 
 

◆「普通のスポーツ」が合うはずと思っている

 
 
走る、団体競技、球技、 そんな「一般的に良い」と言われる運動なら、体力もつき、自信も育つと思っていませんか。
 
 
だから、「もう少し頑張ればできるかもしれない」と考えてがちです。
 
 
 
 

◆できない運動ばかり見ている

 
 
皆が何本もダッシュしているのについていけない
運動会のダンスは次々動きが変わってついていけない
ボールを前に投げているのになぜか後ろへ投げている
 
そんな「苦手なこと」ばかりに目が向いていることがあります。
 
 

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3.集団行動が苦手な子は、運動が嫌いなのではなく「脳が疲れやすい」

 
 
発達グレーゾーンの子どもの中には、「運動が苦手」なのではなく、脳の情報処理の特性によって集団での運動が難しく感じる子がいます。
 
 
例えば、
・周りの子の動きを見ながら自分も同時に動く
・先生の説明を聞きながら体を動かす
・笛や音、友達の声などたくさんの刺激を処理する
 
 
このような場面では、脳は一度にたくさんの情報を処理しなければなりません。 発達グレーゾーンの子どもは、この同時処理や情報の切り替えに負荷がかかりやすいことがあります。
 
 
そのため、「運動が嫌い」なのではなく、集団という環境で脳が疲れやすいのです。
 
 
 
 
ところが、集団の運動では「やりたくない」と言う息子が、自分のペースでできるスケートや自転車には夢中になります。
 
 
スキーやシュノーケリングでも、周りに合わせる必要がない環境では自分から「もっとやりたい!」と体を動かしていました。
 
 
そんな活動では脳は余計な情報処理をしなくて済むため、 「もっとやりたい!」という意欲が生まれやすくなります。
 
 
だから大切なのは、「何をやらせるか」ではなく、 「その子が楽しめる運動は何か」を探すことなのです。
 
 

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4.子どもが自分から体を動かしたくなる3つの関わり方

 
 
脳には、「楽しい」 「できた」 「もう一回やりたい」 と感じることで活動しやすくなる仕組みがあります。
 
 
反対に、 「失敗した」 「また怒られる」 「できない」という経験が続くと、 脳はその活動を避けようとします。
 
 
だから、 苦手を練習させるより、 成功体験を積める運動の方が、 「やってみよう」という意欲につながるのです。
 
 

①その子に合う運動の特徴を観察する

 
 
息子が楽しんでいた運動を振り返ると、どれも共通点がありました。
 
 
自分のペースでできる、細かいルールが少ない、スピード感を楽しめる「運動が嫌い」ではなく、「好きになれる条件」があったのです。
 
 

②「できるorできない」ではなく「楽しい」を基準にする

 
 
私は「上手にできるか」ではなく、「楽しそうに取り組めているか」を見るようにしました。
 
 
すると、苦手だった運動では見られなかった笑顔が、好きな運動ではたくさん見られることに気づきました。
 
 
「楽しい」という気持ちが、自分から続けたいという力につながっていったのです。
 
 

③子どもに合う環境を整えて、主体的な運動につなげる

 
 
息子が楽しめる条件を考えた結果、試しにキックボードを用意してみました。
 
以前は「運動しよう」と誘っても自分から体を動かすことが少なかった息子が「もう一回!」だけで終わらず、「今日は○○まで行ってみる!」 と、自分で目標を決めて走るようになりました。
 
親に「運動しなさい」と言われて動くのではなく、自分で行き先を決め、もう一度挑戦する
 
そんな姿を見て、子どもは自分に合った環境さえあれば、自然と体を動かしたくなるのだと実感しました。
 
 
 
 
おわりに
 
 
私はずっと、「運動が苦手な子なんだ」と思っていました。
でも違いました。
 
子どもを観察していく中で「集団という環境で脳が疲れ負担になっていただけ」と気づき、脳が喜ぶ運動なら子どもは自分から動き出します。
 
 
だから親にできることは、 「普通のスポーツ」を探すことではなく、 その子の脳が喜ぶ環境を探してあげることなのだと感じています。
 
 
「普通」に当てはめるのではなく、子どもの「好き」や「楽しい」を手がかりに、 その子らしく体を動かせる環境を整えていきませんか?
 
 
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執筆者:桜井 ゆう
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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