子どもの発達を効果的に伸ばすには「見立て」が不可欠です。私の息子は3歳9ヶ月で発達障害・自閉症スペクトラムと診断されました。「あれ?」と思ってから診断を受けるまで、約1か月。最初にたどり着いたのは神戸市総合療育センターでした。 |
【目次】
1.「うちの子、発達障害?」と悩んでいるお母さんへ
2.行政の発達支援を受けるメリット
3.神戸市総合療育センターに受診するまでの流れ
4.発達相談・検査・診断。半日ですべてが完結!
5.療育と家庭、ダブル効果で子どもを伸ばす
1.「うちの子、発達障害?」と悩んでいるお母さんへ
うちの子、まだおしゃべりしない…
うちの子、幼稚園で活動に全然参加できない…
全然指示が通らなくてイライラする!
こんな風に、お子さんの発達に悩んでいるお母さん。一人でお悩みを抱え込んでいませんか?
誰かに相談したくても誰に相談していいのか分からない…
発達について詳しく診てもらいたいけど、どこに行ったらいいのか分からない…
という方もいらっしゃるかもしれません。
幼稚園の先生から「今日も○○ができませんでした」と報告されて落ち込んだり、お子さんのお世話に精一杯だったり。気が付けば1日が終わっている…
本当は子育ての仕方、発達の相談ができる施設、いろいろ調べたい。
早く調べて行動しないといけないのも分かってる。
でも時間も気力もありません…
というお母さん。パステル総研はそんなお母さんを応援すべく、今すぐできる対応や声かけについて多数情報を配信しています。
おうちでの対応で、お子さんの発達は一気に加速します。
でも、お母さんが一人で子育てに奮闘するのはやっぱり心配です。それだけ、発達障害グレーゾーンのお子さんの子育ては難しいからです。
お母さんに元気と笑顔がないと、お子さんも元気がなくなってしまいます!
お母さんが毎日ニコニコ楽しく子育てができるように、いろいろな人の手を借りて、お子さんに合った子育て法を見つけてほしいのです。
あなたは決して一人ではありません!
あなたのご両親、ご主人のご両親、親戚の方、ママ友、保育園や幼稚園の先生方、近所の方。そして行政だって力を貸してくれます!
あなたが勇気を出して1歩踏み出せば、応えてくれる方はきっとたくさんいるはずです。
この記事では、我が家が最初にお世話になった、神戸市総合療育センターの受診の流れをご紹介します。神戸市在住でお子さんの発達が心配なお母さん、ぜひ参考にしてくださいね。
2.行政の発達支援を受けるメリット
お母さんのなかには、
お子さんの発達がやっぱり気になるから、専門家に診てもらいたい!
うちの子に合った子育て法が知りたい!
療育、受けた方がいいのかな?
という方もおられると思います。
そんなとき、まずどこに相談しますか?
迷ったら、まずお住いの自治体が運営している公的な支援を受けるのがオススメです!
公的な支援を受けるのはたくさんのメリットがあるからです。
・診察や検査、療育が保険適用される(無料の自治体も!)
・公立の幼稚園や学校、教育委員会などと連携してくれる
・初診から療育まで一貫してできる施設を持っていることがある
・行政で得られる支援に関して確かな情報を持っている
・お住いの近くにあるので通いやすい
などが挙げられます。
特に大きな理由がない限りは、まずは行政の支援が得られるように動くことから始めるといいでしょう。
相談先は、各地域の保健センターの保健師さんでも構わないと思いますが、発達の見立てや検査・専門医による診察・診断は保健センターでは行えないことがあります。
保健センターから療育センターを紹介されるケースもありますので、最初から公立の療育センターに問い合わせるのがオススメです!
この記事では、神戸市の公的支援の基幹となっている、神戸市総合療育センターについてお伝えします。
3.神戸市総合療育センターに受診するまでの流れ
インターネットで「神戸 療育」と検索して、神戸市の公的な療育情報のトップに掲載されているのが「神戸市総合療育センター」です。
神戸市総合療育センターは長田区にあり、発達検査の実施、専門医による診察、診断、療育まで一貫でできる施設です。隣には療育園もあり、すべてここで完結するようになっています。
私の息子がかかりつけ医から発達の遅れを指摘されたのは、息子が3歳9か月のとき。年少さんに上がる直前の3月でした。
※ここからは、2018年4月時点での情報になります。必ず最新の情報をご確認ください。
◆①電話で予約・簡単な生育歴の確認
神戸市総合療育センターでは、カウンセラーさんが地域ごとに割り振られています。住所をお伝えすると、担当の方が対応してくれます。
電話では
・息子の簡単な生育歴の確認
・今息子の発達で一番気がかりなこと
・今後の流れ(受信日の予約)
などを話しました。
私は不安で緊張して頭が真っ白状態。カウンセラーさんが優しく誘導してくださったので助かりました!
当時は比較的予約がとりやすく、発達の遅れに気づいてから、1ヶ月で専門機関での診察が受けられることになりました。
30分はお話ししましたので、時間に余裕があるときに電話するのがオススメです!
◆②受診のための事前準備
受診日が決まったら、療育センターから事前に問診票が送られてきます。
簡単な生育歴などは電話で説明しましたが、問診票は生育歴や今の生活リズムなどを詳しく回答するもの。すぐには思い出せない項目もあり、母子手帳での記録を照らし合わせながら記入しました。
受診の際は、
・記入済みの問診票
・保険証
・子ども医療受給者証
・お薬手帳
・母子手帳
・切手1枚
を持参しました。
心理士さんから、発達検査のレポートを郵送してもらえますので、ぜひ切手を持参して預けてください。もし忘れてしまった場合は、センターの近くのコンビニで購入できます。
このほか、飲み物などのいつものおでかけグッズがあれば完璧です!
4.発達相談・検査・診断。半日ですべてが完結!
神戸市総合療育センターの特徴は、なんといっても「半日ですべてが完結する」ということ。
発達相談・発達検査・診断・療育の予約、初診日の4時間程度ですべて完了するんです!
発達相談に行く、発達検査を受ける、結果を受け取る。すべて別の日に行われるのが一般的です。結果として、発達支援が受けられるまでに長い時間を費やすことになります。
神戸市総合療育センターでは、支援が必要なのかどうかが半日で分かるので、その日から家庭での支援が始められます!
それではさっそく、センターでの流れをお伝えしていきます。
◆①すぐに親子分離で発達検査
受付を済ませたら、担当のカウンセラーさんと心理士さんの到着を待ちます。待合室には水槽に熱帯魚が泳いでいたり、絵本があったりしますので、子どもも飽きずに待つことができました。
カウンセラーさんと心理士さんにご挨拶したら、さっそく親子分離。息子は心理士さんと別室で発達検査を受けます。
幼児の場合、神戸市では『新版K式発達検査2001』という検査をしてもらえます。同年齢の子どもの平均を100として、姿勢・運動、認知・適応、言語・社会の3分野について、子どもの発達状況が数値化され、発達年齢が分かる検査です。
0歳から18歳までを対象とした検査ですが、日本では幼児を対象によく使用される検査です。神戸市療育センターでは当日中に結果を教えてもらえます。
息子の場合、検査は30分程度で終了して、私のところに戻ってきました。
この半年後、当時2歳11か月の娘の発達検査をお願いした際は、親子同室で検査を実施しました。もしかしたら、3歳以上は親子分離、3歳未満は親子同室なのかもしれません。
この点については説明を受けませんでした。
◆②親はじっくり相談できる!
息子が別室で発達検査を受けている間、持参した問診票に従って、生育歴の詳しい確認があります。
事前に回答した項目に関して、カウンセラーさんからの質問に答えていきました。そのなかで、子育ての相談をさせてもらえたり、神戸市の支援や学校の情報、連携体制などを伺ったりすることもできます。
かなりじっくりお話ができますし、カウンセラーさんもこちらの不安がなくなるまでどんなことでも答えてくれます。
子どもの困った行動について、どんな対応をすれば効果的なのか?
療育の効果は見込めるのか?
など、疑問を解消することができました。
センターが担当する範疇でないこともしっかり伝えてくれますので、センターに頼れることと、自分で行動しなければいけないことの区別がつきます。
私の場合、1時間は相談させていただけたと思います。息子は検査を終えて戻ってきた後、部屋の中にある大量のおもちゃで遊んでいました。
いろいろなおもちゃを次から次へと出してもらえますので、息子は夢中!おかげでカウンセラーさんとゆっくりお話ができました。
音の鳴るおもちゃもありますので、隣でガンガン子どもが鳴らしていると、話に集中できない場合もあります。事前にカウンセラーさんに隠しておくように伝えてくださいね。
◆③しばらく親子で過ごす
息子の発達検査が終わり、カウンセラーさんとの相談タイムが終わると、しばらく親子だけの時間になります。
この時間の間に、カウンセラーさん、心理士さん、専門医が問診票や発達検査の結果を話し合って今後の方針を決めているそうです。
我が家の場合、1時間近く待ったこともありますが、子どもは大量のおもちゃでご機嫌だったので特に困ることはありませんでした。
◆④専門医の診察
会議が終わると、カウンセラーさんが部屋まで呼びに来てくれて、専門医の診察を受けます。
身長・体重を測定・簡単な診察の後、医師から親へ説明があります。
このときに発達検査の結果のフィードバック、受けられる療育の説明、診断の告知、発達検査の解説などを受けます。
子どもの前で診断!?と思ったのですが、そこは大丈夫!
診察室の端に子どもの遊び場があり、診察が終わると心理士さんが子どもを遊びに誘ってくれます。
診察室はかなり広く、お医者さんのデスクと遊び場には少し距離があります。声のボリュームさえ気を付ければ子どもの耳には入りません。
子どもに気をとられることなく、お話ができるのでありがたかったです。
◆⑤カウンセラー・心理士さんからのフィードバック、療育の申し込み
医師の診察は15分程度。そのあと、元の部屋に戻って、カウンセラーさん、心理士さんからのフィードバックを受けます。
心理士さんからは、発達検査でできたこと、できなかったこと、数値の見方、検査を受けたときの態度などを詳しく教えてもらえ、子どもに合った対応を提案してくれます。
また、療育に関する手続きもここで行います。医師から提案された療育に関して、療育の内容、期間や頻度、待機時間などの説明を受けた後、療育を希望する場合は申込用紙に記入して渡せば手続き完了です。
検査結果のレポートがほしい旨を伝えて切手を渡すと手続きをとってくれます。10日前後で詳しいレポートを郵送してもらえます。
最後に何か不安なこと、聞きたいことがあれば相談することもできますよ!
この間、息子は同じ部屋でまたおもちゃで遊んでいます。騒いだり、間が持たなくなったりしたときは、心理士さんかカウンセラーさんのどちらかが相手をしてくださったのでしっかり話を聞くことができました。
最後に受付で支払いをして終了!これが神戸市総合療育センターの受診の流れです。
療育の順番が回ってきたら、担当のカウンセラーさんが電話で連絡してくれます。
◆神戸市総合療育センターに関するまとめ
・カウンセリング、発達検査、診断、療育の申し込みが半日で完了します (9時~13時半ごろまで)
・相談時間はたっぷり設けられていて、計2時間ほどは心理士さん・カウンセラーさんと相談できます
・心理士さん・カウンセラーさん2人体制で対応してくれるので、子どもがぐずって話を聞き逃すということはありません。ママ1人でも大丈夫!
※もちろんパパが一緒に来てくれたら心強いです。我が家は一緒に行きました。
・希望すれば検査結果のレポートを郵送してくれます
◆受診する際の注意
・センターは山の中腹にあり、最寄駅から遠いです。自家用車がベストですが、バス停もすぐそばにあります。
・相談できる時間がたっぷりあるので、不安なことを事前にまとめて書いておくと、相談しやすいですね。
・重要なお話がたくさんあるので、メモするのを忘れないようにしましょう!
・半日で完結するとはいえ、13時半を回る可能性もあります。飲み物やちょっとしたおやつを持って行くと安心です。
・慣れない場所で頑張ったので、終わった後は子どもの喜ぶことをしたり、ゆっくり休ませてあげたりしてください。
半日で診断までおります。「発達障害」と診断がおりることに抵抗がある方、心の準備がまだできていない方の受診はお勧めできません。
5.療育と家庭、ダブルの効果で子どもを伸ばす
いかがだったでしょうか?
我が家の場合、発達の指摘から診断まで約1か月でした。初診が予約できない方もたくさんいらっしゃるなかで、とても幸運だったと思います。
療育は待期期間がありますが、専門家と子育ての相談をして不安を解消したり、子どもの発達を見立ててもらい、子どもに合った子育てを教えてもらえることはとても重要です。
教えていただいた対応や、後日郵送される発達検査のレポートを参考に、息子を相手に試行錯誤を繰り返してうまくいく方法を見つけたり、幼稚園の先生に支援をお願いしたりすることができました!
療育が始まるまでの間にも、おうちや園でしっかり対応すれば、子どもを一気に伸ばすことができます。療育を1ステップ上がった状態で受けられるんですよ!
療育と家庭、ダブル効果で子どもの可能性は無限大に広がります。
そのためには、まずお子さんの発達を見立てて、お子さんに合った子育てをする必要があります。悩んでいるお母さんはぜひ一歩踏み出してください。
こちらの2018年4月時点での情報です。私の場合はすんなり受診の予約ができましたが、今は状況が変わっている可能性があります。まずはお電話で確認してくださいね。
執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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