好奇心旺盛で活発なタイプの発達障害・グレーゾーンの子どもは、夢中になると約束したことを忘れがちで、ときに許しがたい行動をとることも!お母さんがペナルティを与えるその前に、確認すべき2つのポイントについてお伝えします! |
【目次】
1.発達障害・グレーゾーンの子どもの許しがたい行動にぺナルティ?
2.ペナルティを与える前に確認すべき2つのポイントとは?
①子どもとの信頼関係
②事前予告
3.事前予告のNGパターンはコレです!
4.子どもに伝わる事前予告を知って良い行動を引き出そう!
1.発達障害・グレーゾーンの子どもの許しがたい行動にペナルティ?
好奇心旺盛で活発なタイプの発達障害・グレーゾーンの子どもは、夢中になると約束したことを忘れがちで、ときに許しがたい行動をとることがあります。許しがたい行動とは
・モノを壊す
・他人や自分を傷つける行為
など、社会一般で許されていない行動のことです。そんなとき
「ダメ!これはもう没収ね!」
「もうテレビは観せません!」
と感情的になり、お子さんにいきなりペナルティを与えてしまうこともあるかもしれません。
当然、子どもも激怒してしまい、ますます事態は悪化… そうなんです、このペナルティを与えるという行為は、すごく注意が必要なんです。
間違ったやり方をすると子どもの不満が爆発するだけでなく、信頼関係までも失う可能性があります。
実は、ペナルティを与える前に確認すべき2つのポイントがあるんです!次の章でご紹介しますね。
2.ペナルティを与える前に確認すべき2つのポイントとは?
では、発達障害・グレーゾーンの子どもにペナルティを与える前に確認すべき2つのポイントについて説明していきます。
◆①子どもとの信頼関係
まずは、親子の信頼関係がしっかり築けていることは大前提です。
それはなぜかというと、信頼関係ができていなのに、ペナルティを与えても反発してくるだけだから。
特に発達害・グレーゾーンの子どもはイヤな記憶をため込みがちだと言われています。たとえ反発してこない場合でも、本人はすごく傷ついている可能性があります。
このように、ペナルティを与えるというのは発達科学コミュニケーションのメソッドの中でもちょっと高度なテクニックなんです。
ですから、普段の親子のコミュニケーションでお子さんの愛情のタンクをしっかり満たしておかないと、成功しません。ではどうすればいいのかというと、実は普段の会話を見直すことが効果的なんです。
親子の信頼関係を築くために、先に取り組んでほしいことについてはこちら『発達障害グレーゾーンの怒りっぽさや癇癪を、叱りすぎず、しつけしないで、穏やかな親子になる方法』をお読みくださいね。
◆②事前予告
次に、事前予告をしっかりしていること。
何度か子どもに指示を出し、それでも行動を改めない場合は、事前予告をします。そして予告を無視したら、そこではじめてペナルティを与えるようにします。
たとえば、子どもが家の中でサッカーボールを蹴って遊んでいる場面を想像してください。容赦なしに蹴るので、窓ガラスが割れそうです。
ここで1度、
「ガラスが割れてケガをするよ」
「危ないからお庭でやってね」
と指示出しをしてください。1回で指示に従わないときは、
「危ないから、お庭でやってね」
と、もう1度言います。
それでもまだ止めなければ、「次に蹴ったら、サッカーボールを30分取り上げます」と事前予告をしてください。再三の予告にも関わらず、外に行かずボールを蹴った場合、予告通り30分ボールを取り上げます。
3.事前予告のNGパターンはコレです!
ペナルティの与え方の基本について、ご理解いただけましたか? でもお母さんの中には
「きちんと信頼関係も築けているし、事前予告もやっているし、叱りすぎている訳でもないのに、何度も同じことを繰り返してしまうんです…」
という方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、事前予告の仕方が間違っている可能性があります。
たとえばよくあるNGパターンはコレです!
・予告の時点で、顔が怒っていたり、ため息をついたりしている。
・「やめないと、おやつ抜きだよ」など、脅している。
・ペナルティの時間が長い(ボール5日間使用禁止!など)
このようにお母さんがイライラモードだと、子どもはお母さんの言葉を受け入れることができません。
なぜかというと子どもの脳は、表情や雰囲気といった非言語情報をより強く受け取るから。そうすると、お母さんに叱られている!と感じてしまい、許しがたい行動がますますエスカレートしてしまいます。
また、ペナルティの時間も重要です! なるべく短い時間にしてください。あまりにも長い時間だと、そもそも何に対して怒られていたのか忘れてしまいます。
では、子どもに伝わる事前予告とはどのようなものなのでしょうか?
4.子どもに伝わる事前予告を知って良い行動を引き出そう!
発達障害・グレーゾーンの子どもに伝わる事前予告、それは
アイコンタクトをして、穏やかに、短く簡潔に言うことです。
さきほどのサッカーボールの例ですと、決してイライラした口調や表情にならないように、あくまでも冷静に!…といっても難しいので、そんなときは、好きな女優さんや、尊敬できる人を思い浮かべてみてください。
そして「あの人だったら、どんなふうに子どもを注意するだろうか?」と考えてみるのもクールダウンできていいですよ。
お母さんが落ち着いて予告することで、お子さんも感情的にならずに行動を改めることができます。
いかがでしたか?あくまでもペナルティは最後の切り札のような存在。多用は厳禁です。
ペナルティを与える前に、まずはそのような状況にならないコミュニケーションができないだろうか?とちょっと振り返ってみてくださいね。
執筆者:須藤ゆかり
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)