発達障害の子の小学校デビュー!『入学前の対策と親の心得』伝授します

 

学校生活が始まる第一日目。それは、入学式です。特に発達障害の自閉症スペクトラム(ASD)の子どもにとって、初めての場所、いつもと異なる環境の入学式は恐怖な日になることも。安心して小学校の入学式に臨めるような対策と親の心構えをお伝えします!
 
 

【目次】

1.なぜ発達障害・ASDの子は、入学式を恐怖に感じるの?
2.発達障害の子の感覚過敏に合わせた春休みにできる入学式対策
3.入学式のシメは◯◯◯で!
4.最重要!小学校入学式への親の心構え

 
 

1.なぜ発達障害・ASDの子は、入学式を恐怖に感じるの?

 
 
4月から小学校へ入学する子どものお母さんは、学校の準備で大忙しではありませんか?
 
 
体操服や文房具、カバンなどに名前を書きながら、
 
「どんな生活になるのかな?入学式に桜は咲くかな?」などと想いを巡らせる反面、
 
「初めての小学校で大丈夫かな?入学式、無事に出席できるかな?」と不安に思っているお母さんもいるかもしれません。
 
 
初めての場所や環境に苦手意識をもつ発達障害の自閉症スペクトラム(ASD)の子どもだからこその悩みですね。では、なぜ新しい場所が苦手なのでしょう?
 
 
それは、ASDの特性の一つである感覚過敏が原因なのです!
 
 
感覚過敏の場合、刺激が一度に大量に脳内に入り、その刺激で頭がいっぱいになってしまうことがあります(ここで言う刺激は、聞こえたもの、見たもの、臭うもの、触れるものなどです)。
 
 
さらに、頭でいっぱいになってしまった刺激が記憶となって脳内を占領するため、その場の状況に適切な行動ができなくなってしまいます
 
 
視覚的な感覚過敏をもつお子さんなら、明暗の極端な違い、色の鮮明さ、部分が拡大されて見えるなど、通常の人との見え方がまったく違うため、目に飛び込んできたものが衝撃映像(静止画)として頭に存在し続けます
 
 
また、物の置き場所にこだわったり、好きな物をコレクションして眺めたりすることが好きなASDのお子さんはいませんか?
 
 
それは、視界が変化で生じる衝撃を回避して見慣れた変化の少ない環境で穏やかに過ごしたいという理由もあるのです。
 
 
そんな視覚的な感覚過敏をもつASDの子が、突然「今日は入学式よ!」と言われ、初めて行く小学校の体育館で大勢の人に囲まれたら、恐怖体験になり得るのです。
 
 
しかも、お母さんやお父さん、先生から何か凄いプレッシャーまで感じようものなら、さらなる恐怖となってしまいます。
 
 
 
 
そんな発達障害のASD傾向の子どもとお母さんが少しでも安心して入学式に臨めるよう、春休みの間にできる対策があります。
 
 
それが、プレ入学式です!
 
 
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2.発達障害の子の感覚過敏に合わせた春休みにできる入学式対策

 
 
では、プレ入学式とはどんなものしょうか?
 
 
ASDの子は経験したことのある場所なら衝撃も少なくなります。ということは…
 
 
そうです!春休み中に一度、小学校の玄関、教室、体育館を見に行くことをお勧めします。一度場所を見て経験しておけば、視覚的な衝撃は和らぎます。
 
 
しかし、見学の仕方にもコツがあります!ただ見に行くだけではなく、できるだけ入学式に着る服を着て行ってください。
 
 
入学式は、一張羅を着るお子さんが多いと思います。いつもの動きやすい服とは違う、入学式の日だけ着るような服。それだけでも、触覚に過敏をもつ発達障害の子どもにとってはハードルがグンっと高くなります。
 
 
さらに、当日の朝に「今日はこれ着るよ!」と言われるのは、ASD傾向の子どもにとっては衝撃的すぎるのです。「は?嫌だ!」から始まり、朝のバトルにつながりかねません。
 
 
入学式の日の朝をスムーズに過ごすためにも、入学式と同じ服、靴など、できるかぎり当日と状況を同じにして見学に臨むことをお勧めします。
 
 
小学校へ事前に連絡して事情を説明すれば、体育館の見学だけなら受け入れてくれることも多いと思います。クラス発表がまだなので教室までは難しいかもしれませんが、一度相談してみるのもいいかもしれませんね。
 
 
 
 
何よりも一番気をつけてほしいのは、入学式の服を着て見学が終わるまでの時間を発達障害の子どもにとって楽しい時間にすることです。
 
 
一度、嫌な印象をもってしまうと、入学式の服を着るのも嫌になってしまいます。では、どうしたら楽しい思い出にしやすいのでしょうか?
 
 
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3.入学式のシメは◯◯◯で!

 
 
発達障害の子どもがノリノリでプレ入学式をするコツ、結論から言うと、ご褒美です!その子にとって一番楽しみなものを、学校の見学を終えた後に約束しておくのです。
 
 
「プレ入学式をしたい」ということをお母さんがお子さんに提案すると同時に、お子さんと一緒にご褒美を計画しましょう。
 
 
そうすることで、入学式の服を着ることも、学校の見学へ行くことも、発達障害の子どもにとって取っ掛かりやすい活動に変化します。
 
 
 
 
なぜなら、その後に楽しいことが待っているから
 
 
公園で思いっきり遊ぶでもいい。
ゲーム2時間やり放題でもいい。
アイスクリームをトリプルで注文してもいい。
 
 
そんなお子さんが提案するご褒美を叶えて、ぜひ、やる気をアップさせてください。
 
 
もちろん入学式当日の終わった後も、そのご褒美でシメましょう。『ご褒美が終わるまでが入学式』です。
 
 

4.最重要!小学校入学式への親の心構え

 
 
最後に、とても重要な親の心構えをお伝えします。
 
 
「入学式に体育館へ入れるだろうか?」
「みんなと一緒に座っていられるだろうか?」
 
 
今から考えれば考えるほど、お母さん、お父さんたちの心配は増えると思います。
 
 
しかし!学校生活にとって、入学式は一つの通過点でしかありません。
 
 
 
 
発達障害のお子さんにとって一番恐怖なのは、新しい環境よりもお母さんやお父さん、先生など大人からのプレッシャーかもしれないのです。
 
 
・もし万が一、体育館に入れなくても、「学校に来れた」という事実でOK!
 
・席に座れなくても、「体育館に入れた」という事実でOK!
 
・学校へ行けなくても、「今日は入学式だと分かっている」という事実だけでOK!
 
としてあげてください。
 
 
お母さん、お父さんの「OK!」が、発達障害のお子さんが新たにスタートさせる小学校生活の原動力になるに違いありません。
 
 
ですから万が一、入学式を早々に切り上げて帰宅したときのプランも事前に考えておいてくださいね。
 
 
親が落ち込んでしまったり、パニックになったりせずに対処できるので、お子さんの気持ちを受け止めやすくなります。
 
 
そんなことを心に留めて、親子でリラックスして学校生活をスタートさせてください。
 
 
発達障害のお子さんとご両親の笑顔あふれる小学校生活となるよう祈っています!
 
 
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執筆者:松尾まりか
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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