発達障害・グレーゾーンの子どもは皮膚に触れるものに敏感だったり、息苦しくなったりすることを嫌がることがよくあります。小学校では、給食当番や火災避難訓練でマスクを着用しなければなりません。ママの対応次第で、行動が遅い子でも安心して過ごせます。 |
【目次】
1.発達障害・グレーゾーンの子どもは、「マスク」が苦手?!
インフルエンザや風邪が流行る季節、そして、今は新型コロナウィルスの対策で、大人も子どももマスクが欠かせませんね。
不織布の使い捨てマスクは、ごわごわしていてあまり肌触りがいいとはいえません。
耳にかけるゴムも、人によってはきつくて耳の後ろが痛くなります。
耳の場所は自分からは見えないので、手探りでゴムをかけなければなりませんね。
おまけに、息苦しいので、子どもはあまり好きではないかもしれません。
それで、小学校では「マスク嫌い」の子が困っている姿を時々見かけます。
給食当番は、白衣、帽子、マスクを着けて仕事をします。
このときにマスクを着けられないと、当番の仕事ができません。
また、最近の「防災頭巾」には、「マスク収納ポケット」がついていて、マスクを入れておくように指導されます。
1ヶ月に一度、火事、地震、不審者侵入の避難訓練をしますが、火災の場合は、「マスク着けて防災頭巾をかぶってみんなで速やかに移動」します。
お母さんが想像している以上に、小学校では、幼児期とは違って「マスクを着けなければならない」ときがたくさんあるのです。
発達障害・グレーゾーンの子どものマスクに慣れていないことが、思わぬところでトラブルの原因になります。
でも、大人がきちんと対応してあげると、感覚過敏や行動が遅いために起きる困りごとは、少なくしてあげられます。
2.「マスク」をすばやく着けられないと、どうなるか?
4時間目終了が12時15分。それから、給食を運んで配膳して、12時55分の「ごちそうさま」まで40分しかありません。
先生は時間と戦っています。
給食当番の人数はぎりぎりで動いているので、誰かがや休んだり止まっていると、どんどん遅れて、食べる時間が削られてしまいます。
このときに、当番なのに「マスクを着けたくない!」と固まってしまうと、先生に叱られることになります。
「マスクが着けられないなら、牛乳配りやって」
と、やりたかった「おかずの盛り付け係」から外されることもあります。
悲しい気持ちになって、行動したくなくなります。
お友だちからも「○○くん、遅いんだもん」と責められることになってしまうのです。
さて、避難訓練ではどうでしょう。
避難訓練では、何分で全校生徒が所定の避難場所に集合できるかを測っています。
先生たちは、どんなことがあっても子どもたち全員の命を守るために、必死です。
「マスクを着けて防災頭巾を被って速やかに避難開始」のときに、「マスクを着けたくない」と固まってしまうと、置いてきぼりにはされませんが、後で先生に注意されます。
そこで、また、自信をなくすことになります。
もちろん、実際の火災の場合は、煙から身を守るためにマスクを着けられるなら、着けた方が良いに決まっています。
このような理由から、小学校入学前に、「マスクに慣れる」ことをお勧めします。
3.ママの対応次第で、行動の遅い子もなんとかなる
時々、「ちょっとマスク着けてみよう!」と、お母さんとお子さんで、楽しくマスクを着けてみてください。
最初は、お母さんが着けて見せたり、お子さんに着けてあげてみましょう。
それから、ぜひ、お子さんが自分で着けられるか、試してみてください。
もし、難しいようでしたら、何回か練習してみてくださいね。
自分の耳に手探りで着けるのが難しかったら、お子さんが人形やぬいぐるみに着けてあげる経験もよさそうです。
どうしても、ごわごわした不織布の感触を嫌がるのであれば、柔らかい布で、お母さんが手作りマスクを作ってあげてください。
マスクの役割は、「自分の唾液を飛ばさない」「吸い込む煙を少なくする」ですから、手作りマスクでも大丈夫です。
お子さんのお気に入りの色や柄の、柔らかいやさしい肌触りのマスクであれば、お子さんも喜んで着けたくなるでしょう。
一目で自分のだとわかるし、名前を書くこともできます。
市販の使い捨てマスクの場合、衛生面から個包装されているものを選びがちですが、手先が不器用な子どもには適しません。
袋を開けるのに時間がかかるので、防災頭巾には、「袋に入っていないマスク」をお勧めします。
発達障害のあるなしにかかわらず、お母さんの対応次第で、行動の遅い子どもの小学校生活を楽にしてあげることができるのです。
小学校1年生、楽しみですね。
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執筆者:ここのひなた
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)