発達障害・グレーゾーンの子どもを育てていると、しつけが届かないと感じることがあります。特に自身が叱られてしつけられたお母さんは、なぜ?という思いが強いでしょう。今回はどのように接したら子どもが良い行動をするようになるのかお伝えします。 |
【目次】
1.発達障害・グレーゾーンの子どもに強くしつけをしてしまう頑張り屋のお母さん
2.発達障害・グレーゾーンの子どもにはしつけが届きにくい理由があった
3.発達障害・グレーゾーンのしつけが届きにくい子どもが進んで良い行動をしたくなる方法はコレ!
1.発達障害・グレーゾーンの子どもに強くしつけをしてしまう頑張り屋のお母さん
この記事を読んでくれているお母さんは頑張り屋さんの方が多いのではないでしょうか。
発達障害・グレーゾーンの子どもにはしつけが届きにくいことを実感していませんか?
毎日同じことを言っては、子どもと親子バトルになってしまい疲れきっている。
周りの目を気にして必要以上にしつけようと、大きな声を出してしまう。
自分自身が厳しく育てられ、しっかりと親の言うことを聞いてきたお母さんほど、この悩みに陥りやすいものです。
自分自身は、親から言われたことをしっかり守ってきたのに、なぜこの子はやらないの?できないの? もう〇歳なのになぜ言われたこともできないの?
どんどんイライラがつのり、自分のしつけの方法が間違っているのでは?とときには自分を責めてしまう。
私もそのような母親だったのでその気持ちとてもよく分かります。お母さんも毎日大変で苦しいですよね。
私の子どもが幼児の頃、人がたくさんいる場で泣き喚いてひっくり返ってしまったことがありました。
必死になだめて、どうにか大人しくしてくれ、どうしてこんな風になっちゃうの?とイライラしながら叱ってみたり、周囲からの冷たい視線が悲しくなったり、様々な思いをしてきました。
小学生になってからは、なかなか言うことを聞かない、言ったら不機嫌になり、ふてくされた態度を取る、やるべきことをやらずに好きなことしかやらない。
その度に私はイライラしながら大きな声で怒鳴っていました。
2. 発達障害・グレーゾーンの子どもにはしつけが届きにくい理由があった
実は発達障害・グレーゾーンの子どもにはどうしてもしつけが届きにくい理由があります。
発達障害・グレーゾーンの子どもは「怒られたらたから、次からはやめておこう」と思ってもそれができない脳の特性を持っているのです。
わかっているけど、どうしてもまたやってしまう。好きなことだけしかできない。
その脳の特性を持っていると、普段の生活や学校でもできないことや困りごとがたくさん出てきます。
毎日、またできなかったと傷ついては自信を失っているのです。それなのに、家でも毎日親から怒られ、注意されて、自信を失い続けているのです。
また、発達障害・グレーゾーンの子どもは、小さな否定の言葉を、重く受け止めて、全部を否定されたと思い込んでしまうこともあります。
少し注意をしただけでも、ダメな自分を自覚してしまい、辛い思いをしてしまうのです。
うちの子どもも「自分は本当にダメな人間だ」と辛い表情で言っていました。
自分に自信がないと、自分から何かしようという気持ちもなくなってしまいます。
そのような状態では、できることが増えず、さらに自信を失っていく一方です。
3.発達障害・グレーゾーンのしつけが届きにくい子どもが進んで良い行動をしたくなる方法はコレ!
発達障害・グレーゾーンの子どもは、「なぜ言うことを聞かないの?何度言ったら分かるの?」と叱られ続けて自信をなくしてしまい、しつけが届かない状態です。
それでは、どのように接してあげたらいいのでしょうか?
それは、お母さんからの肯定的な言葉がけです。
また、肯定的に言葉がけをしたうえで、的確な指示を出すと、子どもが自分から進んで良い行動をするようになります。
褒められた行動とそのときの嬉しかった感情が一緒に記憶されると、嬉しかった感情を覚えていて、また褒められるような行動をしたくなるのです。
うちでは、日常的な行動を肯定して褒めることをしました。
例えば
「ご飯食べてえらいね!」
「おはよう言えてえらかったね!」
「はみがきしてえらいね!」
「学校行ってえらいね!」
こんな感じで褒めていました。
たったこれだけで、とても自信がつきみるみる表情が明るくなりました。
自信がついたら次は、的確な指示を出します。
これも、細かい簡単な指示から出すようにします。
時間や回数を決める、それを本人に選んでもらうと効果的です。
例えば学校から帰宅後、学用品や上着が散らかっている場合、
お母さん「片付けしようか?〇時になったらできるかな?一緒に時間を決めようか」
子ども「じゃあ、〇時から片付けることにするよ!」
そして、守ることができたら褒める!
すぐには上手くいかなくても、簡単な内容の指示、時間や回数で区切る、本人に選ばせることを意識してやっていくと、少しずつ変わっていくことができます。
ここですぐに指示に従わなかったとしても、叱らないようにすることがコツです。また時間を空けて指示を出します。
そのとき、イライラした態度や大きな声で指示を出すことはしないようにしましょう。
うちの子どもの場合、はじめは指示が出たらようやく動くという感じでしたが、1週間ほど経つ頃には親からの指示が出る前に動くようになりました。
この方法で、先ほど例に挙げた片付けがだいぶできるようになりました。
毎日学校から帰ったら上着を脱ぎ散らかしてありましたが、言われる前にハンガーにかけるようになりました。
今では本人の調子が良ければ、親が頼んでもないお手伝いまで進んですることもあります。
私が忙しそうに家で仕事をしていたら、「大変そうだから洗い物しておくね!」と全ての洗い物とシンクをピカピカにするまで掃除をしてくれました。
子どもは褒められるとどんどん良い行動をしたくなるのです。行動したら褒めるのを忘れずに日々続けていくのがコツです。
試してみる価値はあるのでぜひやってみてください。
執筆者:小寺りさ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)