不登校小学生の心の変化が嬉しい!〜「ゲームは解放!」繊細な子と母の関わり方〜【前編】

発達障害ではないが繊細な性格の息子さん。小学生で不登校になり、家庭も崩壊寸前に。ママが『まず自分が変わる』と決め、『学校は行かなくてよし!ゲームはいつでもOK!』と方針を変えて、家庭が大改革!その決意や経緯を伺いました!
 

【目次】

 

1.『#不登校は不幸じゃない』イベントで出会った美人ママ

 
 
私は2019年『#不登校は不幸じゃない』イベントに参加しました。
 
 
そこで、キラキラ輝く美人ママに出会いました。
 
 
どうやら、不登校の息子さんがいるそうですが、イベントのネーミングをまさに体現!
 
 
不幸どころか、第一印象は、私も憧れてしまう素敵な『オシャレ美人ママ』!!
 
 
「息子が不登校になり、紆余曲折あって、家庭崩壊寸前までなりましたが、我が子の味方になることを徹底、すべてのゲームの解放をしたことで、息子が笑顔を取り戻し、私も楽になりました!」と話されていました。
 
 
「いつでも我が子の味方になる?」
「すべてのゲームを解放?」
 
 
「いつでも我が子の味方」は、どの母親も思っていることだけれど、それを徹底するということは、何をしたのか?
 
 
「すべてのゲームを解放」とは、ゲームをやりたい放題にさせているということ?それは、どんな理由からだろう?
 
 
気になること、聞きたいことがたくさんありすぎる!
 
 
 
 
そんな想いで、早速、連絡をとり、オシャレ美人ママM恵さんに、お話を伺うことができました!
 
 
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2.繊細な息子が小学生で不登校になった経緯

 
 

ーーー先日の『#不登校は不幸じゃない』イベントではお世話になりました。 M恵さんの話に、衝撃を受けているお母さん方がたくさんいましたね。

 
 
「そうですか?もっと話したかったけど、ああいうイベントに初めて主催者側で参加しましたし、なかなかうまく話せなかったんです!」
 
 

ーーーM恵さんのリアルな話だからこそ、お母さんたちの心を捉えていました! 私もその一人です。今日は、詳しくお話を伺わせてください! よろしくお願いします!

 
 
「こちらこそ、よろしくお願いします!」
 
 

ーーーまず、お子さんの年齢、家族構成などを教えてください。

 
 
「家族は、中3の娘と、小5の息子、主人の4人家族です。息子が不登校になって、現在、フリースクールへ通っています。」
 
 

ーーー息子さんは、小学校5年生と伺いました。 いつから不登校になったのですか?

 
 
「息子が小学校2年生の頃から、少しずつ『学校に行きたくない』と言い始めました。
 
最初は勉強のことを理由にしていました。『宿題嫌だ』『先生に怒られる』などの理由です。
 
でも、3年生になると、『お腹痛い』と言い始めたんです。
 
幼少期から繊細の子なので、少しグレーなのかなとも思っています。ちょっとしたことで、すぐ泣くんです。
 
元気な男の子とサッカーやっていて、『邪魔だ、どけー!』と言われて、シュンとして『嫌なこと言われたー』とすぐに凹んでしまうんです。
 
最初は、『男だろ!』『そんなことで、泣いていてどうするの!』『彼はあなたのことなんとも思ってないよ!意地悪じゃないから大丈夫だよ!』と言っていました。それでも、ずっとブツブツいう子だったんです。
 
学校の先生には、『あの子の言い方が少しキツかったみたいで』と、息子の学校へ行きたくない理由を伝えると、担任はすぐに『明日、席替えします』と対応してくれていました。先生も、それなりに気にかけていてくれていました。
 
でも、息子は、親の納得いく答えを言いたいだけで、『Aくんのことが解決したら、Bくんが…』と次から次へと言い始めました。女子が元気な年頃だから、『女子が、なんか言ってくる』ということも多かったですね。
 
少しずつ、お腹が痛くなる日が多くなり、それが毎日になってきて、親としては『いい加減にしろよ』と思い始めました。
 
だから、玄関で背中を蹴飛ばして『学校行けや!』と言ってみたり、休む日は、『ママは、学校に電話したくないから、自分で電話しなさい!』と言ってみたり。
 
更に登校しない日が増してくると、『お腹痛いなら、ベッドで寝てこい!ママが仕事に行くまで、視界に入るな!イライラするから!』と、ひどい対応をしていたのです。」
 
 

ーーーそれは、今のM恵さんを見ると、信じられないこと言っていますね!それを言われ続けた息子さんは、何か変わっていきましたか?

 
 
「そうなんです。今になって考えれば、結構、ひどいこと言ってますね(笑)でも、そんなやりとりをしていた小学校3年生の3学期に、
 
『僕、なんで生きてるんだろう?』『生きていてもしょうがないよ』と言い出して、『え?』と初めて思いました。
 
無理やり行かせるのは違う気がする。そう感じ始めました。
 
そこから、『学校へ行け!』と言わなくなり、加速度的に行かなくなりました。
 
そして、4年生に、クラス替えがあって、3〜4日登校して、それっきり登校していません。」
 
 
 
 

ーーー不登校が始まった頃のご家族の反応はいかがでしたか?

 
 
「旦那は、私と一緒になって車に引きづって乗せていました。
 
お姉ちゃんの反応は、ひどかったですね。お姉ちゃんは、学校で嫌なことがあったときも、それなりに自分で乗り越えてきてるから、『弟は、何やってるの?』ってなっちゃったんです。
 
お姉ちゃんが、容赦無くバカじゃないの?』『きも』『なんで行かないの?』と弟に言って、きょうだい喧嘩が激しかったです。
 
私も旦那もイライラして、お姉ちゃんも弟を責め続け、弟は『生きていてもしょうがない』と言い始め、『家族がバラバラになっている』『家が居心地の悪い場所になっている』という家庭崩壊寸前になっていました。
 
そんな絶望の中で、自分のやっていることは間違っているのかもしれない、という考えがよぎりました。
 
そして、この状況を変えるために、『何を一番に優先にすべきなのか』と考えることと、まず『自分が変わろう』という決意をしました。」
 
 
➖➖➖
 
 
息子さんや家庭の変化に気付くことができ、『自分が変わる』と決意したM恵さん。
 
 
この後、みるみる息子さんが変わっていきます。M恵さんが『自分が変わる』と決意に至った経緯や、どう変わったのか詳しく迫ります!
 
 
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3.お母さんの気付きと『自分が変わる』決意

 
 

ーーー不登校のお子さんの変化に気付かないお母さんたちもいますが、M恵さんは、どうして気付くことができたのですか?

 
「行き渋りが始まる前に、子育てブログをよく読んでいたり、『不登校でもいいじゃん!行かなくてもいい!』という不登校に関するブログを読んでいたりしました。
 
だから、息子が不登校になる前から、『不登校になることは自分の意見を言えるから、カッコいいことじゃん!』と思っていました。
 
まさか、自分の息子が不登校になるとは思わなかったし、ブログの不登校と、息子の不登校は別の問題だと思っていました。だから、最初は、『学校へ行け!』という態度をとってしまったんだと思います。
 
でも、息子の『生きていてもしょうがない』という姿を見て、不登校ブログのことを思い出して、初めて当事者として考えることができたのかもしれません」
 

ーーー日頃から学んでいたからこその気付きですね。それでも大抵の人は、子どもを変えようと躍起になると思います。お母さん自ら『まずは自分が変わろう』と決意したのはなぜですか?

 
 
「『子は親の鏡』だと思うんです。
 
例えば、息子の繊細なところ、弱いところにイライラするのは、自分の弱いところ、これじゃダメだって思うところを、子どもが体を張って見せてくれるんです。
 
結局は、私の問題。
 
だから、自分が変わらなきゃ、問題は解決しないと思っています。
 
実は、昔、私も学校に行きたくないことありました。誰にも言えずに、保健室で体温計を擦って微熱出して早退していたくらいなんです。
 
それがダメだ、こんな自分じゃダメだ、と思って生きてきました。でも、それでもいいんだよ、と分からせるために、子どもが教えてくれているのかもしれないと思ったのです。
 
子育ての悩みって、ほとんどがそうだと思います。自分が、『自分勝手はだめだ』と思ったら、子どもは自分勝手になる。
 
結局、子育ては、自分自身と向き合うことだとわかりました。
 
だから、子どもを無理やり学校へ行かせる前に、『自分が変わる』と決意しました。」
 
 

ーーーお子さんの問題と思える姿を、自分の問題だと置き換えて考えたからこそ前進できたのですね。実際、どう変わっていったのですか?

 
「とにかく不登校に対する情報や、子育て本を読み漁りました。そこで、自分が気になった講座に通うことにしました。
 
講座が6ヶ月ありましたが、講座の度に岐阜から東京まで半年通いました。この半年間は、家庭のこともやりながらだったので、とても大変でした。
 
でも、自分を変えることで、息子の表情が変わっていったんです!
 
その変化を見て、旦那も少しずつ、無理やり行かせる気持ちが少しずつなくなったように思います。」
 
 

ーーー自分が変わるだけで、家族の変化もあったんですね。実際に、どうコミュニケーションを変えていきましたか?

 
 
「とにかく、家庭を子どもが安心できる場にしようと思って、なんでも言えるように、否定することを一切やめました。
 
例えテストの点数が悪くても、それを言えちゃうような環境にしようと決めて、とにかく、否定せずに話を聞きました。
 
自分から、あえて言葉を掛けたりはしていませんが、先回りして怒ったり、宿題しなさい、と言わなくなりました。子どもに『今、やろうとしていたのに!』という、嫌な気持ちにさせないためです。
 
子どもたちは、自分がやろうと思ったタイミングでやるんだから、口を出さないと決め、子どもたちを信じることを徹底しました。
 
逆に、子どもたちから話してくれたことは、全部聞こうという姿勢を見せました。
 
それを続けた結果、お姉ちゃんも『定期テストで、数学20点だった!』と話してくれるようになり、『あはは!何それ!(笑)』と笑い話にして、笑いあえるようになりました。
 
息子が学校に行けなくなった理由は、全部聞いていないし、親からしつこく聞く必要もないんですけど、とにかく、息子もなんでも話せる環境にしました。」
 
 
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M恵さんは、『家庭を安心できる場にしよう』というゴールを決め、お母さん自身がどんどん学んでいきました。
 
お母さんが学び、自分自身が変わっていくことで、家庭が安心できる場所に変わり、お母さんになんでも話せるようになって、家族の笑顔も増えていったんですね。
 
 

4.すべてのゲームの解放

 
 

ーーー『#不登校は不幸じゃない』イベントで、「すべてのゲームを容認している」とお聞きしました。ゲームは、Switchとか、Wiiなどのことですよね?すべて解放しているとは、どういうことですか?

 
 
「子育ての講座で、『すべての遊びを解放しなさい』と学びました。
 
子どものことを否定しない、すべて受け入れることを徹底していたので、ゲームに関しても否定しないことにしました。
 
ゲームをやっていても、やっていなくても、干渉しないんです。」
 
 

ーーー1日○時間、勉強をやってからゲームをしていい、などの約束もないですか?

 
 
「何一つ約束はありません。
 
ゲームをやめる加減も、『目が疲れたから、やめよう』とか、自分で感覚をつかんでほしいと思っています。
 
『1〜2時間でおしまい!』って、大人が決めたら、自分の感覚も分からずに、人から言われて動く子になってしまいます。自分で考えて行動する子どもになってほしいので、あえて約束はしていません。
 
それに、大人がルールを決めると逆に執着してしまいます。
 
すべてのことで、自分の感覚を大事にしてほしい、と言うのが根本的にあります。
 
例えば、昼夜逆転に関してもそうです。
 
東京に講座で通っていたときに、いろんなお母さんと話しました。
 
そこで、あるお母さんが、
 
『昼夜逆転とかも、子どもは興味本位でずっと起きていたりするよね。でも、何日かすると、だんだん、夜中に誰も起きていないことに、寂しくなってきたりする。何かお母さんに頼みごとしようとしても、お母さんは寝ているから、頼めなかったりして、夜中に起きていても、楽しくないぞ、と自分で気付いて勝手に朝起きるようになったよ。』
 
という話を聞きました。
 
不都合があったら、子どもは自分で修正したり、行動を変えたりするのか、と気づけました。そして、もし直さないなら、子どもにとって、それが居心地良くて、親もそれを受け入れていいんだな、と思いました。」
 
 
ーーー
 
 
 
 
子どもとゲームの関係に悩んでいませんか?
 
 
私の子どもはまだ小さいので、ゲームとはまだ関わりがありませんが、いずれゲームをすることになるとき、私ならどうするだろう?と不安になることもあります。
 
 
しかし、このM恵さんの『子どもが自分の感覚を大事にして、自分で考えて行動する人になってほしいから』という願いで、約束を一切決めていない姿勢に、目から鱗が飛び出しました!
 
 
一方的に親が約束を決めるのではなく、親子でゲームのメリット・デメリットを話し合いながら子どもの考える力をサポートできるようになりたいですね。
 
 

5.我が子の発達障害の有無に限らず、学び続けるお母さんの姿勢

 
 
今回のインタビューで、一番印象的だったのが、M恵さんの学ぶ姿勢でした。
 
 
M恵さんは、普通の主婦。不登校の息子がいたら、悩みを抱えるボロボロなお母さんをイメージするのではないでしょうか?
 
 
しかし、M恵さんは、キラキラ笑顔が素敵なオシャレ美人ママなのです。
 
 
それは、すべて、「自分が変わっていこう」「自分が学び続ける」という姿勢にあるのではないかと思いました。
 
 
半年の講座に東京へ通う決断、「我が子の一番の味方になる!」を徹底し、そのゴールに向かうM恵さんは無敵です。
 
 
そんなお母さんだからこそ、バラバラになりかけた家族を、笑顔に変えられたのではないでしょうか。
 
 
 
 
家庭を安全基地に変えたM恵さんは、新たなステージへ行動を展開していきます。
 
 
後編では、M恵さんの学校との付き合い方、フリースクールのスタッフとして働くこと、今後の夢を伺いました。
 
 
 
ぜひ、お読みください!
 
 
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執筆者:松尾まりか
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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