発達障害・グレーゾーンの子どもたちは将来何になる?――好きなことを極めれば未来につながる

もうすぐ春休み!新学年になる前に「苦手を克服させたい!」と考えているお母さんはいませんか?子どもたちの将来を考えたとき、苦手を克服するよりも大切なことがあります。「今の時代」を生きるために子どもに身につけてほしい力についてお伝えします。
 

【目次】

1 発達障害・グレーゾーンの子どもの発達を加速させる一番の方法とは?
2 脳の発達から見る、子どもに自信がつけば発達が加速するワケ
3 これからは好きなことをして生きていく時代です

 

1 発達障害・グレーゾーンの子どもの発達を加速させる一番の方法とは?

 
 
子どもが発達障害やグレーゾーンかどうかは関係なく、お母さんは
 
 
子どもの発達を加速させたい!
子どもの得意なことをどんどん伸ばしてあげたい!
苦手なことは頑張って克服してほしい…
と思っていらっしゃいますよね。
 
 
スポーツをしたり、習いごとに通ったり、塾に通ったりしているお子さんもいらっしゃると思います。
 
 
もうすぐ春休み!この1年間でお子さんに得意なことや苦手なことが新たに見つかったかもしれません。
 
 
新しい学年でも得意を伸ばしてほしいから…
苦手で足を引っ張らないように…
何か新しいことを始めようか!
 
と考えていらっしゃるお母さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
 
 
でも一日の時間は限られています。すべての得意分野を伸ばしたり、すべての苦手分野を克服したりすることはできませんよね。
 
 
子どもが最も得意そうなものは何か?
子どもが最も苦手そうなものは何か?
お母さんのチェックの目は光ります。
 
 
 
 
日本は「みんな同じ」を大切にする風習があります。
 
 
お母さんも、子どもがみんなよりズバ抜けて得意なことに関しては謙遜したり、子どもがみんなより明らかに苦手そうなに関しては恥ずかしく思ったりしませんか?
 
 
どちらかと言えは得意を伸ばすよりも、苦手なことを普通レベルにする方が重要だと考える方が多いのではないでしょうか。
 
 
しかし、 発達障害やグレーゾーンの子育てで、「苦手を克服させる」「苦手なものを少しでもマシに…」と躍起になって取り組ませるのは注意が必要です!
 
 
発達障害やグレーゾーンの子どもたちは得意なことはトコトン得意ですが、苦手なことは本人が努力していてもなかなかうまくいかないことがあります。
 
 
本人も頑張っているのに結果がついてこない…
 
でも「できるようにならないとダメ!」と言われてしまって逃げられない…
 
 
これってかなりつらいことですよね。努力したからといってうまくいかないかもしれないのが発達特性の特徴です。
 
 
もしかしたら苦手が克服できないまま大人になってしまうかも…
 
 
そう考えていくと、生きていくために必要な能力をどう身につけさせればいいのか不安になるお母さんもいらっしゃるのではないでしょうか。
 
 
実は、子どもの個性や発達の特性に関わらず、子どもの発達を加速させて生きる力を身につけられる普遍的な方法が2つあります。
 
 
1つ目は子どもに自信をつけること
2つ目は子どもの好きなことをとことん極めることです。
 
 

2.脳の発達から見る、子どもに自信がつけば発達が加速するワケ

 
 
発達障害やグレーゾーンの子どもに自信をつけてあげることがどうして発達を加速させるのでしょうか。
 
 
自信のある子どもってどんなイメージですか?
 
 
いつも元気で、笑顔で
積極的にいろいろなことにチャレンジして
失敗してもへこたれず、できる方法を考えられる。
 
そんな子どもですよね。
 
 
自信は行動の原点です。根拠があるかどうかは関係なく、「自分はできるんだ!」と思えないと行動に移すことはできません。
 
 
人間の脳は思ったり考えたりすることだけでは発達しません。実際に行動して新しい体験を積み重ねることで発達していきます。
 
 
つまり、 脳の発達を加速するためには行動が必要で、行動するためには自信が必要だということなのです。
 
 
 
 
では、子どもに自信をつけるためにはどうしたらいいのでしょうか。お母さんはどんなときに自信がつきましたか?
 
 
誰かに褒められたとき、
誰かに認められたとき、
誰かに感謝されたとき、
テストで100点を取ったとき、
スポーツ大会で優勝したとき、
自己ベストを更新したとき、
 
 
さまざまなシーンを思い返されたことでしょう。あなたのお子さんも、こんな体験をたくさん積み重ねることで自信がついていくはずです。
 
 
ひとつ気を付けていただきたいのは、誰にでもできることとそうではないことがある、ということです。
 
 
特に発達障害やグレーゾーンの子どもたちはここがポイントになります。
 
 
勉強が苦手な子がテストで100点を取るのはどんなに努力しても難しいかもしれません。運動が苦手な子がスポーツ大会で優勝するのもはやり難しいでしょう。
 
 
お子さんの苦手な分野については、お母さんは特に意識して褒めたり認めたりすることで、必要以上に自信をなくさないようにさせましょう。
 
 
一方で子どもの得意なことはどんどんほめて確かな自信を身につけさせてあげましょう!
 
 

3.これからは好きなことをして生きていく時代です

 
 
2つ目のポイントは子どもの好きなことをとことん極めさせることです。
 
 
「好きこそものの上手なれ」という言葉のとおり、子どもに合っているかどうかよりも子どもが心から好きになれるかが大切なポイントです。
 
 
好きだから積極的に取り組みますし、好きだから継続的に取り組めます。
 
好きだから失敗しても諦めず、好きだからどうしたらうまくいくか頭をひねります。
 
 
ただ自分に合っているから、という理由だけではここまでできないですよね。「好き」という感情にはとても大きなパワーがあるんです!お母さんは、1つでも多く子どもの好きなものを作るお手伝いをしてあげてください。
 
 
発達障害やグレーゾーンだからというわけではなく、これからの時代を生きる子どもたちは、好きなもの・得意なものをどれぐらい多く持っているか
大切になってくるのです。
 
 
そんなこと言っても、好きだけじゃ食べていけないじゃない!と心配しているお母さん。時代はどんどん進んでいます。好きなことをして食べていける時代はすでに来ているんですよ!
 
 
 
 
多くのお母さんの悩みの種であるゲームも、プロゲーマーやプログラマー養成コースを持つ私立高校が存在する時代なんです。
 
 
そして、インターネットでどんどん自分を発信していける時代です。自分の好きなことを動画やブログに投稿して、広告収入を得る手法はすでに確立されていますよね。
 
 
一昔前までは、そんなの趣味にすぎない!そんなことしていても食べていけない!と言われたことでも、今は違うんです!
 
 
ひたすらゲームをする。
ひたすらマンガを読む。
ひたすら電車の名前をチェックする。
 
 
好きなことをとことん極めることが、将来の職業や収入を得る方法に直結している時代なんです。だからこそ、苦手を克服することも大切ですが、それよりも好きなこと・得意なことをどんどん伸ばす子育てをしていただきたいんです!
 
 
好きなこと・得意なことが伸びれば、そのなかで苦手を克服していく方法もあります。子どもが自分から「やりたい!」と言ったことはぜひやらせてあげてくださいね!
 
 
そして、子どもが好きで取り組んでいることに対して、お母さんはしっかり応援してあげてください!いくら子ども自身が好きでやっていることでも
お母さんが無関心だったら自信をつけることはできません。
 
 
子どもが夢中になっていることを、しっかり褒めて、認めて、応援して、子どもに確かな自信をつけていきましょう!
 
 
もうすぐ春休み、子どもがおうちで過ごす時間が長くなります。ぜひ子どもの「好き!」をたくさん見つけて伸ばしてあげてくださいね。
 
 
執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーション リサーチャー)
 
 
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