発達障害の子が引っ越し・転校をするのは、新しい環境で慣れようと頑張っていて、とてもストレスがかかります。そのため、帰宅後は家でイライラすることもありますよね。しかし、お母さんのちょっとした声かけの対応で子どものイライラは解消できるのです。 |
【目次】
1.引っ越し・転校後、発達障害の子が疲れて家に帰ってきたら・・・
暖かな春がやってきました。春は引っ越し・転校をするご家族が一番多い季節ですね。
しかし、引っ越しは人生の中でいつ訪れるかわかりませんし、避けれない状況のときもありますよね。
引っ越しは自宅、近所の人間関係、近所のお店や遊んでいた公園など、今まで慣れていた日常生活の全てが変わってしまいます。
転校もする場合は、新しい通学路、教室、先生やクラスメイトになれるのに必死で一日を過ごしてくると思います。
そんな慣れない環境で一日過ごして下校したら、家でイライラ・グズグズすることがあるかもしれません。それは、引っ越し後に、大なり小なりどの子も感じるストレスです。
私自身が、幼少期に2度転校を経験していますが、新しい環境、特に慣れない学校に行くのは、相当な緊張とパワーが必要だったことを今でも覚えています。
下校して帰宅すると疲れ切っていて、おやつを食べてテレビを見るのが精一杯でした。
住環境が変わっても、唯一変わらないのは家族。特にお母さんには疲れのイライラの矛先を向けてくる子どももいます。
おやつを食べたい!とぐずったり、疲れたから宿題はやらない!と言ったり、前の学校の方が良かったと言ってきたり、泣いたりすることもあるでしょう。
他には兄弟げんかがひどくなったり、再びおねしょをしたりする子もいます。
また子どもによっては我慢していて、行動に表れない子もいます。
そんな子どもを見て、お母さんは引っ越しをしない方がよかったのかな。この子は新しい環境に慣れることができるのだろうかと心配になってしまいますよね。
でも、お母さんのちょっとした声かけで、お子さんのイライラを解消できる方法はあります。その方法を知っていれば、親子で安心できると思います。
2.発達障害の子が新しい環境に疲れをためてしまう理由
発達障害の子どもは脳の特性から、次のようなことが考えられます。
目で見て状況を把握するのがまだ未熟なため、初めての場所が苦手です。引っ越し・転校で一気に日常生活が変われば、疲れるのは当然ですよね。
また、経験したことのないことを想像する力が弱いため、見通しを持てないと不安になりやすいです。
特に慣れた家族のいない学校で、自分一人で対応してこないといけない状況はとても疲れを感じやすいですよね。
人との関わり方が上手でないこともあります。 初めて会う先生やクラスメイトの名前を覚えるだけでも精一杯ですし、どう話しかけていいのか、話かけてもらってもうまくしゃべれないこともあります。
3.お母さんの対応で子どものイライラは解消!
疲れてイライラして帰ってきて、安心して頼れるのは唯一変わらない家族。特に接する時間の長いお母さんです。そのお母さんに気持ちを受け止めてもらえるのが一番のイライラ解消法です。
では、お母さんはどんな声かけをしたらいいのでしょうか?
私のオススメは、夕方下校してから就寝までの間にお子さんがやっている行動をそのまま声にしてあげる「実況中継」です!
小学生だと下校後が一番疲れている時間ですから、その時間は重点的に意識してあげたいですね。例えば、
「学校行って来れたんだね!」
「宿題始めようとしているんだね!」
(何か遊びだしたら)「〇〇して遊んでいるんだね!」
「お風呂にはいれたね!」
「ご飯だよって言ったら来てくれたね!」
などです。できていることをわざわざ褒めるの?と思うお母さんもいるかもしれませんが、子どもはお母さんに注目してもらっていると心が落ち着いてきます。
精神的に落ち着いてくると、新生活でやってみよう!と思うことが少しずつ増えていき、イライラすることが減ってきます。
もう一つ、声かけの注意点があります。
「友達できたの?」「勉強は分かっているの?」など質問責めにするのを避けることです。
お母さんが学校でうまくやって行けているのか、お子さんを心配なのはとてもよく分かります。根掘り葉掘り聞きたくなる気持ちもありますよね。
でもここはぐっと我慢して、聞き方を変えてみましょう。
「お母さんに話したいことがあればいつでも聞くからね。」 「元気ないけど何かあったかな?」 と声をかけてみましょう。
お母さんに安心して話しができることは、子どもの引っ越し・転校のイライラを和らげて、新しい環境へだんだんと適応できるようになってきます。
ぜひ、お母さんのちょっとした声かけの工夫で、お子さんのイライラした気持ちを解消してあげてくださいね!
そして、楽しい新生活にしていきましょう。
環境の変化に敏感な子どもに効くコミュニケーションが学べます!
執筆者:小出さとみ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)