新型コロナウイルスの情報の中でSNS上でも沢山のデマが流れてきています。そんな中で中学生の子ども自身がその情報に騙されないようにするために、どうしたらいいでしょうか?ポイントをいくつかお伝えします! |
【目次】
1.その新型コロナウイルス情報は正しいものですか?
2.中学生に必要な、「批判的思考」は親子の会話時間からスタート
3.「批判的思考」を身につける3つのポイント
①信頼できる提供元なのか見極める目を養う。
②感情を悪用するメディアも中にはあることを理解させる。
③いろいろな情報の中に隠された差別について話し合う時間を設ける。
1.その新型コロナウイルス情報は正しいものですか?
新型コロナウイルスの終息が見えない中で、SNSやLINEなどで拡散されている情報を子ども達が目にする機会は多いのではないでしょうか?
そのニュース、本当に正しいものでしょうか。
「本当に正しいものなのか」の判断ができなければ、子どもも同じように自分のスマホやパソコンからお友達に拡散させてしまうこともありますよね!
そして、子ども自ら騙されてしまい悲しむ結果になることもあるかもしれません。
単純に否定したり反対したりするという考え方ではなく、「本当に正しいのか」と疑問を持って、考えを深めながら解決する思考作業を付けることが大切です。
今回のこの新型コロナウイルスによる長期休暇という状況は子ども達に「批判的思考」を身につけさせるチャンスかもしれません。
2.中学生に必要な、「批判的思考」は親子の会話時間からスタート
まずは、子ども達がどのように情報を手に入れているのかを、クイーンズランド工科大学が調査したものを紹介します。
その結果がこちらです。【クイーンズランド工科大学調査資料】
子どもたちの73%がニュース番組などから情報を得ていました。
そして、なんと!49%がSNSを通じてニュースに接していたことが分かりました。
その中で、フェイクニュースを見抜くことができる子どもは全体の3分の1しかいないことも判明しました。
このようなことから、現代の子ども達にニュースで騙されないために必要な「批判的思考」を身に付けさせたいと思いませんか?
「批判的思考」を身に付けるには、親子でそのニュースについて会話をすることが一番です。
今、子どもがどんな情報を信じているのか?それについてどう感じているのか?どの様な方法で知ったのかを普段の会話の中から聞くことがいいですね。
3.「批判的思考」を身につける3つのポイント
子どもたちはニュース番組やYouTube、SNS、LINEなど多くのニュース提供元の情報と接していると思います。
◆①信頼できる提供元なのか見極める目を養う。
・情報元はどこなのか。
・そのニュースの入手方法は明確なのか。
・主観的な意見はなく、事実そのままか。
・特定のグループの主張が入っている場合、しっかり反論の内容がきちんと取り上げられているのか。
・そのニュースの入手方法は明確なのか。
・主観的な意見はなく、事実そのままか。
・特定のグループの主張が入っている場合、しっかり反論の内容がきちんと取り上げられているのか。
さりげなく「そのニュースの提供元はどこなの?」「それなら安全ね!」「それは、知らないところだね!信じて平気なの?」など情報提供元に目を向けるような声掛けが必要です。
◆②感情を悪用するメディアも中にはあることを理解させる。
「新型コロナウイルスは24度で死滅する」「これを飲んだら痩せる」など事実に基づかないタイトルなどを使い注目させようとしている場合も多くあります。フェイクニュースが拡散する中にはクリック数での収入を得ようとしていることがあることも伝えなければなりません。
ペーパー物がなくなる!と現在フェイクニュースが拡散しているために、オイルショックのように物が陳列棚からないことが起きていますよね。
このようなフェイクニュースの裏側では、ネットで商品を購入させて儲けようとしている悪用者がいるのが事実です。子どもたちには全ての情報が正しいわけではないことをしっかり気づいてもらう必要があるのです。
◆③いろいろな情報の中に隠された差別について話し合う時間を設ける。
今回の新型コロナウイルスでは、差別がさまざまなかたちでフェイクニュースとして拡散されています。
「中国産はコロナウイルスに汚染されている」「新型コロナウイルスは中国の生物兵器だ」などのデマの拡散から中国人や新型コロナウイルスに感染した家族などがいた場合の人たちへの差別が現実に起こっています。
そんな問題を家族で話し合い子どもの話に耳を傾けニュースについて沢山話し合うことが重要になります。
クリティカル・シンキングは、複雑で難しいものではなく。日ごろから「本当にこれは正しいのか」「なぜこういう情報が来るのだろう」という疑問の視点をもって考え続けることで、本質を見極められるようになっていきます。
そして、見極めることができたら総合的に情報を判断し、子どもがどう行動するべきなのかも考える時間を作ることが効果的です!
その結果、デマに騙されにくくなり、正しい情報を見つけるチカラが育ちます。そしてニュースに惑わされず快適な生活を送ることができます。
そして、いま長期の休みと新型コロナウイルスの情報からクリティカル・シンキングをぜひ子どもに身につけさせる時間にしていただけたらと思います。
執筆者:雨宮愛
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)