「うちの子、他の子よりちょっと発達が遅いのかな…発達障害かも?」と気になっていると、3歳児健診の案内がきたときに不安になるかもしれませんね。そんな状態だった筆者が、対策をしっかり立てることで、健診を有効な相談の場にすることができた体験談をお伝えします。 |
【目次】
1.もうすぐ3歳児健診…不安になっているママ、いませんか?
2.発達障害かどうかを指摘する場ではない!①健診の内容を知ろう!
3.うちの子について、「発達が遅い」って言いたいの?②健診にかかわる人が、どんな思いか知ろう!
4.ママのことを責めているわけではない!③健診を活用するつもりで行こう!
1.もうすぐ3歳児健診…不安になっているママ、いませんか?
子どもが日々少しずつ成長する姿を見るのは、誰だって嬉しいもの。
しかし、子どもの発達の様子が気になったり、発達が遅いのかな…もしかして発達障害?と心配になったりすると、途端にいろんなことが不安になってしまうということがありますよね。
そんなときに3歳児健診の案内が届いたりすると、
「1歳半健診のときは何も言われなかったから大丈夫なはず…」
「今度は何か言われるのだろうか…」
「発達障害ですって言われるのかな…」
などますます不安になってしまいますね。
私も、まさにそうでした。我が家の二人の男子は、二人ともことばが出たのが遅かったのです。1歳半健診はお咎めなく通過したものの、周りの子に比べてことばの発達が遅い様子に、日々一喜一憂し不安になっていました。
そんなときに3歳児健診の案内が届いて、「行きたくない…」「今度こそ、問題があるって言われちゃう…」とものすごく後ろ向きになったことを覚えています。
しかし、後ろ向きな気持ちになるなんてもったいない! 対策をしっかり立ててから臨むことで、健診を有効な相談の場にすることができますよ。
この記事では、3歳児健診を前向きな気持ちで受診するために、私が取り組んだ3つの対策を紹介します。
2 発達障害かどうかを指摘する場ではない!①健診の内容と目的を知ろう!
まず、1つ目の対策として、健診で何をするのか、なぜこんなことをするのかを知ろうと思いました。
1歳6か月児健診と3歳児健診は、母子保健法第12条に定められた健診で、全国の市町村で必ず実施されているものです。
このうち、3歳児健診は、満3歳から4歳未満までの時期に実施されるものと定められています。 また、健診の実施項目は、問診、身体計測、内科健診、歯科検診を行う、というようにおおむね決まっています。
この問診の中に、私が不安になる、発達に関する質問が入っていました。
そもそも乳幼児健診は、子どもを健やかに育てることを目的として、1961年に3歳児健診、1977年に1歳6か月児健診が始まりました。
健診が始まってから月日が流れ、健診の精度は上がっています。治療の必要な病気、身体的な障害のリスクの高い子ども、重度もしくは中度の精神発達遅滞の可能性のある子どもについては、健診でほぼ確実に把握することができるようになりました。
そして、健診後のフォローグループ、通園形式の療育施設も整備されてきました。
その結果、健診が『「問題なく順調に発達している子」「おりこうさん」に太鼓判を押す場』になってしまい、ちょっと標準から外れていると「経過観察」「指導」の対象になるようになってしまったのです。
これらのことを知り、私の不安の理由は、健診を「自分の子育てが試される場」「遅れを指摘される場」と感じているからだと分かりました。
それでは、健診が「子育てが試される場」、「発達の遅れを指摘する場」でないならば、健診を実施している側のスタッフは、どんなことを考えて、どんな思いで健診に携わっているのでしょうか。
3.うちの子について、「発達が遅い」って言いたいの?②健診にかかわる人が、どんな思いか知ろう!
次に、健診に携わっている人(医師や保健師)は、どんな思いで健診に取り組んでいるの?ということについて調べました。
そして分かったことは、健診に携わる医師や保健師は、当たり前のことなのですが、お母さんたちの育児を批判したり、不安にさせたいと思っているわけではないということでした。
健診を「困っているお母さんたちとの出会いの場」と考え、健診やその後のフォローの場が、「お母さんが子どもを育てていくために元気や励ましをもらう、良き出会いの場になってほしい」という願いがあることが分かりました。
1歳6か月児健診の時の記録を参考に、3歳児健診のときに「こんなところが成長しましたね」と声かけをしてくれたり、お母さん自身の育児に対する不安に耳を傾けてくれたりする医師や保健師もいます。
状況によっては別の相談の場を紹介してくれますが、それは、今すぐ相談機関を受診しなきゃダメ!といったことでなく、「もし、心配があるなら、つながりをつくりたい」という思いからのものと分かりました。
健診を行うのも人間、私たちも人間なので、相性などもあると思います。ただ、お母さんを後ろ向きな気もちにさせて健診を終わらせたいと思っているわけではないということを感じることができました。
4.ママのことを責めているわけではない!③健診を活用するつもりで行こう!
では、不安があって健診に行くとき、どんなことを考えておくといいのでしょうか?よく言われる「様子をみましょう」という言葉について考えました。
このくらいの年齢の子どもはまだまだ成長の途中。問診、その日のやりとりなど限られた情報だけで、この先がどうなるか判断するのは、健診に慣れた医師でも難しいそうです。
この場合、大切になってくるのは、時期を決めて再評価することです。
健診を担当してくれた医師が「〇歳ごろには○○ができるようになるので、それができるように○○の遊びを多めにしてあげてください。できないようなら〇歳ごろ受診してください。」などと具体的に言ってくれると、今後の見通しがもてると思います。
そういった具体的な説明がないときには思いきって、いつまで様子を見ていいのか、どんなことをしたらいいのかを聞きましょう!
はっきりした根拠も示されず、「大丈夫だと思います」と言われても、毎日子どもと一緒に過ごしているお母さんの不安がなくなるわけではありません。
気になっていることをリストアップして、気になることはすべて聞いちゃいましょう。
健診について知り、我が子について相談できる機会とポジティブにとらえ、この機会を活用しよう!という気持ちで準備をして行きましょう。
子どもの発達について不安があっても、きっと有効な時間にできると思います。一人でも多くのお母さんの不安が減ることを願っています。
発達が気になるなら疑問をどんどん投げかけて、積極的に専門家と繋がりましょう!
執筆者:梅村弘実
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)