発達障害の子どもは、日常生活を送る時、常に頭をフル回転させています。このため、子どもは常に疲れやすい状態です。しかし、子どもが安心して過ごせる場所があれば、元気を取り戻せます。今のお子さんに、そのような場所はありますか?考えてみましょう。 |
【目次】
1.発達障害の子どもは、ADHD・ASDなど特性問わず「疲れやすい」のです
2.「子どもの居場所」が無いと、二次障害や引きこもりの原因に
3.親がすべき対応と、NGな対応は?これさえ知っておけば大丈夫
1.発達障害の子どもは、ADHD・ASDなど特性問わず「疲れやすい」のです
発達障害の子どもには、さまざまな特性があります。生活面で、これらの特性が困りごととして現れ、常に脳をフル回転して対応しています。
例えば学校だと、子どもの「できないこと」ばかりに注目が集まりがち。
・授業に集中できない
・忘れ物が多い
・集団に対応できない
・計算や運動が苦手
・忘れ物が多い
・集団に対応できない
・計算や運動が苦手
などなど。
発達障害・グレーゾーンの子どもたちは、「自分の思うようにできない」「他の人よりもできてない」というジレンマを抱え、不安な毎日を過ごしています。
こんなことはありませんか?
お子さんが突然パニックになったり、かんしゃくを起こしたり、うわの空でぼーっとしたり。これらは、発達障害の子どもが出す「疲れた」や「限界だ」のサインです。
サインの出かたは、子どもの年齢や特性によってさまざま。しかし、発達のタイプ(ADHD・ASD・LDなど)に関係なく、どの特性の子どもでも体力と気力を余分に使うので、 疲れやすく不安定です。
そんな発達の特性を持つ子どもに必要なのが、子どもが安心して過ごせる場所。つまり「子どもの居場所」です。
疲れてる時でも、子ども自身のペースで、ありのままで、好きなように行動しても大丈夫。「あなたはそれでいいんだよ」と、子ども自身が実感できる場所。それが「子どもの居場所」なのです。
2.「子どもの居場所」が無いと、二次障害や引きこもりの原因に
子どもに疲れがたまってしまうと、心やカラダの不調として現れます。
例えば、
・夜になっても眠れない
・朝に起きられない
・いつも体調の不良を訴える
・気分のアップダウンが激しい
・親に対して反抗的になる
・暴力的な言動が表れる
・夜になっても眠れない
・朝に起きられない
・いつも体調の不良を訴える
・気分のアップダウンが激しい
・親に対して反抗的になる
・暴力的な言動が表れる
こういった状態が続くと、次第に二次障害や、引きこもりに発展する可能性が出てきます。そうならないためにも、安心できる「子どもの居場所」は1日でも早く確保する必要があります。
それでは、子どもが安心して過ごせる場所は、どこが望ましいのでしょうか?
まずは自宅です。自宅でも、子ども自身が安心して過ごせる空間。一部屋を使う必要はありません。パーテーションや、段ボールなどで仕切った空間でも効果があります。
特にASDタイプの子どもは、狭い空間で自分の中にある世界に入れると落ち着きます。ADHDタイプやLDタイプの子どもは、自分の好きな遊びや、趣味を発揮できる場所があると、安心できます。
自宅じゃないとダメなの?いいえ、そういうわけではありません。自宅以外にも候補はたくさんあります。学童や、学習塾、発達障害の支援センターでも良いのです。
・子どもの趣味を活かせる習い事ができる場所
・気に入っている人がいる場所
・好きな遊具がある場所
・スポーツなど、体を動かせる場所など。
・気に入っている人がいる場所
・好きな遊具がある場所
・スポーツなど、体を動かせる場所など。
これらも、子どもが安心できる場所であれば大丈夫です。最低でも1ヶ所は必ず決めておき、2ヶ所以上あれば、親子それぞれが安心できるでしょう。
ここで1つ注意があります。場所を探してあげるのは主に親ですが、選ぶのは子どもでなければ、意味がありません。
子ども自身が「ここなら安心できる」と納得できる場所を確保してあげてください。
3.親がすべき対応と、NGな対応は?これさえ知っておけば大丈夫
子どもの「自分の居場所」を確保できたら、お母さんにぜひ知っていただきたいのが、お子さんに対してどのように対応すべきか?です。
絶対にやってはいけない対応は「子どもに干渉すること」です。
「発達障害」という言葉は、「障害」という単語のせいで、ネガティブな印象を持ってしまいます。そのため、親は子どもに対して過干渉になりがちです。
子どもは「自分はダメな子だ」と自身を責める。
↓
そして、「そんなに自分はダメな子?」と親への不信感が高まる。
↓
そうなると子どもは、社会や学校から遠ざかり、不登校や引きこもりになったり、二次障害になる。
↓
さらに過干渉になってしまう。
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そして、「そんなに自分はダメな子?」と親への不信感が高まる。
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そうなると子どもは、社会や学校から遠ざかり、不登校や引きこもりになったり、二次障害になる。
↓
さらに過干渉になってしまう。
といった悪循環が生まれてしまうのです。それでは、どのような対応が良いのでしょうか?
それは「本人に任せること」です。任せるといっても、危険な行動まで任せて許す、というわけではありません。
子ども本人に任せて、親は様子を見ます。その中で、好ましい行動に注目して褒めてあげる。危険ではないが、好ましくない行動には取り合わない。といった対応が、親子のコミュニケーションの基本です。
活躍されている有名人の中にも、発達障害を公表ししている方がいらっしゃいます。その方々の幼少期の話を聞くと、やはり親や、そばにいる大人が見守ってくれたから今の自分がある、とおっしゃっています。
また、子どもの居場所が増えると、交友範囲が広がります。新たな出会いをきっかけに、子どもの才能が開花することもありますよ。
お子さんに発達の特性があると、親としては気になってしまうものです。しかし、発達の特性があっても、得意なこと、他の人より優れているところがあります。
お子さんの良いところ、得意なところに注目し、不得意なところも含めて見守ってあげれば、子どもへの干渉も次第に和らぎます。
ぜひ、お子さんが安心して過ごせる場所を見つけてあげてくださいね。
執筆者:渡辺みゆき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)