自閉症スペクトラムの我が子のやる気がわけば、さまざまな活動に取り組めて発達を加速できるのに…と悩んでいませんか?子どもがその気にならないから…と諦めなくても大丈夫!子どものやる気はママの声掛けから生まれるんです!今日からできる、子どものやる気を引き出す提案上手になるについてお伝えします。
【目次】
1 発達障害の子どものやる気はお母さんの声かけから生まれます
夏休みが終わり、行事がいっぱいの2学期がスタートしました。
せっかくだからたくさんのことにチャレンジしてほしい!それなのに我が子は自分の好きなことしかしない!好きなこと以外には聞く耳を持たず、やる気は完全にゼロ。二言目には「めんどくさい…」という姿に心折れていませんか?
実は、お母さんの声掛け次第で、どんなお子さんでもやる気を引き出すことができるんです!
まったく宿題をしないお子さんに対して、「勉強しなさい!」という声掛けをしても子どもは動きませんよね。一方で、「宿題が終わったらアイスがあるよ」「テストの成績がよかったらゲーム買ってあげるよ」とご褒美を与えたら、一気に子どもが動き出した!というご経験があると思います。
これって言いかえれば、子どもは「自分が動いてもいい」と思えるほどのメリットを感じることができれば行動するということです。
つまり子どものやる気を引き出す声かけとは、子どもに「この活動をやるとあなたにこんなメリットがあるんですよ」をいかに伝えるか?ママの提案力がポイントなんです!
私は自分の提案力を磨き、メリットを伝えて行動する習慣をつけたことで、帰宅後ずっとソファでゴロゴロしていた息子が帰宅後に先に宿題や習い事の練習を終わらせるようになりました。
また、「何か提案されたら行動する」という習慣がついたことで、小学5年生になった今年の運動会では、放送委員・ダンスリーダー・応援リーダーと3つの役割に立候補!先生も心配するほどのやる気と行動力を見せてくれています。
この記事では、自閉症スペクトラムの子どもの行動力を上げたいママへ、やる気を生み出すために子どもにメリットを分かりやすく伝える提案力について3つのポイントをお伝えします。
2.ご褒美を与えているのにやる気が出ないのはなぜ?
お伝えしたように、子どもに分かりやすいメリットのひとつが「ご褒美」です。ところが、ご褒美を与えているのに子どもが動いてくれない…というケースは意外と多いですよね。
実はこれ、「好きなことから気持ちを切り替えられない」という発達障害のお子さんの特性が原因なんです。
自閉症スペクトラムタイプのお子さんに多いのですが、ひたすら電車、ひたすらブロック、ひたすらポケモンなど、たった1つの大好きな遊びをずっと繰り返して、他の遊びには見向きもしない。子どもの注意が100%好きなものに向けられている状態なんです。
私自身、帰宅したら真っ先に大好きなポケモンGOに夢中になる息子に、「そろそろおやつ食べて宿題しようよ」とご褒美をちらつかせて誘ったことが何度もありますが、息子の答えは「今いいところだからいらない!」とバッサリ。おやつはポケモンに完敗してしまいました。
宿題が嫌でゲームに逃げているのかな?と考えて、「公園で遊んで、帰りにコンビニでアイス買おうよ!奮発してハーゲンダッツにしちゃおうかな!」とか「体操教室があるみたい。逆立ちできたらかっこいいよね~!」とか提案してみましたが、「ポケモンの方が楽しいから」とこれもバッサリ。
つまり、どんなにママが「これはすごいんだよ!こんなメリットがあるんだよ!」と提案しても、大好きなものには太刀打ちできない。他のものを検討する余地がない。だからやる気が出ないし動かないんですね。
3.やる気を引き出す子どもへの提案力 3つのポイント
そこで、私が実践したのが「好きなものから気持ちを切り替えられない」という特性を逆に生かした提案です。
ポイントは3つ。
1つ目は、”好き”が視界に入っていないタイミングで提案をすること。
2つ目は、子どもの”好き”に関連して提案をすること。
3つ目は、”好き”をさらに盛り上げる提案をすることです。
好きなものから気持ちを切り替えられないということは、好きなものなら話を聞いてくれるということです。ただし、好きなものが視界に入った状態では子どもの注意はママに向けてもらえません。まずは好きなものとは物理的に離れた環境で、子どもがママの話を聞ける体制を整えます。
私が環境としてよく使っていたのが、入浴の時間です。子どもに提案する時間・子どもが検討する時間をゆっくりとれますし、お風呂にだけはポケモングッズを置かず注意を削がれない環境を作りました。
環境を整えたら、子どもの”好き”の話題で耳をぱっと開かせ、提案タイムスタートです!
私:「ねーねー、ピカチュウってなんであんなにかわいいんだろうね?」
息子:「そりゃおなかが丸いからだよ」
私:「ピカチュウのおなかでぽよんぽよん跳べそうじゃない?」
息子:「ぼよよよーん!トランポリンみたい!」
私:「ほんとだ!気持ちよさそう!…お母さん、トランポリンやりたくなってきた!トランポリンでピカチュウのおなかの気分を味わいたくない?」
息子:「えー!俺もやりたい!ピカチュウのおなかで跳ねたい!」
こんな風に、大好きなピカチュウをイメージさせながら、ワクワク感が出るように提案!息子が体操教室に通い始めるきっかけを作ることができました。
まとめると、子どものやる気を引き出したいなら、子どもがやりたくなるようにママが提案すること!
そのために、
①”好き”が視界に入っていないタイミングに、
②子どもの”好き”に関連して会話をスタートし、耳を開かせる
③”好き”をさらに盛り上げる会話をすること。
この方法で、「ママが提案してくれることはワクワクするし、実際にやってみたら楽しいぞ!」という経験を重ねていくと、好きなものと関連させなくても提案されたことはひとまずやってみようと行動してくれるようになります。
提案されたらひとまずやってみる、という行動の習慣がつくと、ママ以外の方の提案も受け入れられます。
息子も最初は私や夫の提案しか受け入れませんでしたが、今では学校の先生からの提案はもちろんのこと、「○○やってみませんか?」という直接的な提案でなくても、イベント募集・スタッフ募集などのポスターを見かけると参加するようになりました。
ぜひ、お子さんが好きなものとママが提案したいことの共通点や関連性を見つけることからはじめて行きましょう!
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執筆者: 丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)