新年度がスタートしましたね!発達障害のお子さんがやる気を持ってさまざまな活動に取り組める1年にしませんか?お母さんが今日からできる、子どものやる気を引き出すコミュニケーションについてお伝えします。
【目次】
1 発達障害の子どもがやる気を出すきっかけはお母さんの声かけ
2 発達障害の子どもとのコミュニケーション、褒める表現を振り返りましょう
3 発達障害の子どものやる気を引き出すコミュニケーションの3つのポイント
1 発達障害の子どもがやる気を出すきっかけはお母さんの声かけ
新しい年度が始まりました!もう始業式は終わりましたか?今年度1年、お母さんはお子さんに、どのような毎日を過ごしてほしいと思っていますか?
ダラダラせずに規則正しく!やる気を出してどんなことにもチャレンジしてほしい!そう思っていらっしゃるお母さんはたくさんいると思います。
発達障害のお子さんを育てていると、お母さんも心配ごとがたくさんありますよね。全部頑張らなくてもいい!何か1つでもいいから、力を入れてやる気を持って取り組んでほしい!と思っておられるかもしれません。
どんな活動でも、やる気がなければ挑戦できません。どうやったらやる気が起きるでしょうか?子ども自身がその活動に対して何らかのメリットを感じなければ「やりたい!」という自主的かつ積極的な気持ちは湧き出てきません。
特に発達障害の子どもたちは、好きなことと苦手なことの差が大きいですよね。苦手なことの底上げを頑張るよりも、好きなことをとことんやらせた方が発達の伸びが大きく、ストレスなく取り組めるのではないでしょうか。
子どもが「楽しそう!おもしろそう!」と思えることをどんどんやらせること、子どもが積極的でないなら、ご褒美がもらえるという分かりやすいメリットがあること、これらは子どものやる気を引き出すポイントになります。
そして、最大のポイントはお母さんの声かけ、つまり親子のコミュニケーションの在り方です。
「もう○○の時間だからやりなさい」
なんて言葉をかけても、子どものやる気を引き出すことはできません。子ども自身の気持ちを無視して
やるように勧めても子どもは楽しくありませんし、お母さんの言葉に反発してしまいます。
やるように勧めても子どもは楽しくありませんし、お母さんの言葉に反発してしまいます。
このような、親子の信頼関係を揺るがすコミュニケーションは、絶対に避けなければなりません。
お母さんは、親子関係が円滑になり、発達障害の子どものやる気をどんどん引き出すコミュニケーションを 心がけましょう。
2.発達障害の子どもとのコミュニケーション、褒める表現を振り返りましょう
親子関係が円滑になり、発達障害の子どものやる気をどんどん引き出すコミュニケーションには、3つのポイントがあります。
3つのポイントをご紹介する前に、大前提となるお話をしましょう。
前述したように、子どもの意志を無視して、強制するような声かけがNGであることは明らかですよね。子どもを無視したり否定するのではなく、認めて褒めるコミュニケーションが大前提となります。
ここで少し振り返ってみてください。
お母さんがお子さんを褒めるとき、
「上手だね!」
「頑張ったね!」
「すごいね!」
という表現ばかりしていませんか?
「上手だね!」
「頑張ったね!」
「すごいね!」
という表現ばかりしていませんか?
もちろんこれらが間違っているというわけではありません。子どもは素直に嬉しく感じて、やる気と自信がつくでしょう。これもとてもいいコミュニケーションの1つです。
でも、こういった表現がストレートに通用する期間は長くありません。年齢が上がるにつれ、子どもの世界は広がります。自分が上手にできたと思っても、友だちの方が上手であると気付くことも出てきます。
そんなときにこういった表現を使うと、
「でも○○君の方が上手だった!」
「僕は上手じゃない!」
「すごくない!」
「でも○○君の方が上手だった!」
「僕は上手じゃない!」
「すごくない!」
と卑屈な気持ちが生まれてくることもあります。
子どもが上手ではないと思っているところに、お母さんが上手だと言った結果、
「そうか!これでいいんだ!」
「もしかして俺ってイケてる?」
という風に、素直に気持ちを切り替えられるのならOK!
「もしかして俺ってイケてる?」
という風に、素直に気持ちを切り替えられるのならOK!
でも場合によっては、子どもの卑屈な気持ちを加速させたり、お母さんがこどもの気持ちを否定する形になってしまうこともあります。
こうなってしまうと、お母さんの気持ちと子どもの気持ちがすれ違ってしまい、コミュニケーションがうまくとれなくなってしまいます。
「上手だね!」
「すごいね!」
「頑張ったね!」
という分かりやすい「褒め」の表現をしなくても
「すごいね!」
「頑張ったね!」
という分かりやすい「褒め」の表現をしなくても
子どもがお母さんの言葉を素直に受け取り卑屈にならず、おだてにならず、褒められたと感じられる表現をすることが大前提になります。
この表現をマスターすると、子どもが何歳になっても、成人しても親子関係を円滑にして、子どものやる気を引き出すことができるのです。
3.発達障害の子どものやる気を引き出すコミュニケーションの3つのポイント
子どもがお母さんの言葉を素直に受け取り卑屈にならず、おだてにならず、褒められたと感じられる表現。
それは「褒める」の前に「認める」ことです!
「○○、上手にできたね!」これは活動が一通り終わってからでないと、できないほめ方です。活動が終わってからでないとほめられないわけではないんです!
今活動が終わってからほめている、というお母さんは、今よりも2歩手前から声をかけることを意識してほしいのです。2歩手前とは活動の真っ最中。「○○してるんだね!」と今子どもがしていることを認めましょう。
そして、もう1歩進みます。活動が終わったら、「○○終わったね!」と活動が終わった事実を認めます。「○○、上手にできたね!」という声かけは一番最後になります。
子どものやる気を引き出すコミュニケーションは
① 子どもが実行していることを認め、
② 子どもが実行し終わった結果を認め、
③ 子どもが存在していることを認める
② 子どもが実行し終わった結果を認め、
③ 子どもが存在していることを認める
という3点がポイントになります。
つまり、子どもがやっていることをそのままお母さんが受け入れ、認めることがポイントなのです。
前述した会話で言うと、「○○してるんだね!」「○○終わったね!」は①にあたり、
「○○、上手にできたね!」は②にあたります。
そして③は「頑張る○○、お母さん自慢だよ」と具体的に、子ども自身の存在を肯定する言葉をかけてあげてもいいですし、「お疲れさま」とねぎらってあげてもいいでしょう。
この3つのポイントを意識して子どもに声をかけてあげると、親子のコミュニケーションがスムーズになり、親子関係が円滑になり、子どものやる気をどんどん引き出すことができます。
お母さんは無理に褒めなくても大丈夫!「認める」ということは「褒める」と同じパワーを持っています。まずはお子さんが今やっていることを、そのまま言葉にすることからはじめましょう
執筆者: 丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)