発達障害の子どもがスムーズに行動するようになるお母さんの質問テクニック

1学期がスタートしました。新しい環境が苦手なタイプの 発達障害の子どもたちにとってしんどい季節ですよね。家では穏やかに過ごしてほしいけれど、だらだらモードにはしたくないお母さん。子どもがスムーズに行動するテクニックを身につけませんか?
 

【目次】

 

 

1 子どもに対する質問ー尋問にならないために

 
 
1学期がスタートしましたね。新しい教室、新しい先生、新しい友だち、新しい時間割。4月は何もかもが新しくなります。
 
 
気分も新たに頑張ろう!となる反面、なかなかリズムがつかめなくて不安定になってしまうお子さんもいるのではないでしょうか。
 
 
学校で頑張っている分家ではリラックスモード。それはいいのですが、
 
 
宿題をしない
片付けをしない
ゲームの時間が守れない
とにかくだらだらしてしまう…
 
 
ということが続くとお母さんも困ってしまいますよね。こんなとき、お母さんはどんな風に声をかけていらっしゃいますか?
 
 
「どうしてできないの?」と言ってしまうこと、ありますせんか?
 
 
こんな風に聞いたとき、お子さんから具体的な回答が返ってきたことがあるという方は多くないはずです。
 
 
年齢が低ければ低いほど、ヤバい!お母さんが怒ってる!と、しぶしぶ急いで行動するか反対に委縮して動けないか、だと思います。
 
 
字面では、どうしてできないのかというお母さんの質問になりますが、それに対する返答は言葉ではなく行動になる・・・
 
 
これは質問ではなく尋問です。質問とは、子どもの意見が返ってくること。尋問とは、問いただして強制的な返答を求めることです。
 
 
この場合、強制的は返答は言葉ではなくお母さんが問いただした行動です。なぜなら、お母さん自身が、なぜ行動できないのか、理由が知りたいのではないからです。
 
 
お母さんが希望しているのは子どもが速やかに行動に移すことですよね!
 
 
同じ「どうしてできないの?」という声かけでも、その行動ができるようになるためにどのような方法があるのかを親子で話し合うという場面だとしたら、子どもは自分の考えを言うことができるでしょう。
 
 
この場合は尋問ではなく質問になります。
 
 
このように、字面では質問のように見えて使うシチュエーションによっては尋問し、子どもに行動を強制することになってしまうのです。
 
 
子どもに行動を強制する場合、どうしてもイライラしてしまいます。子どもはお母さんの雰囲気を敏感に感じ取って委縮して自信を失ったり、逆に反抗したりして親子関係が悪化するきっかけになってしまいます。
 
 
発達障害の子どもたちはネガティブな記憶を強くインプットする性質があります。お母さんとのネガティブなやりとりが続いてしまうと、お母さんの声を聴くのもいや!ということになる可能性だってあるのです。
 
 
 
 

 

2 子どもとの関係を良好に保つためにー尋問になるときは質問しない!

 
 
では、子どもに行動してほしいとき、どんな声かけをしたらよいのでしょうか。
 
 
まず、質問が尋問になってしまいそうな場面では、質問の表現をやめましょう。
 
 
もうとっくに終わっていると思っていたり早くやってほしいと思っていたりするから「どうしてできてないの!?」という気持ちになり、それがそのまま言葉になってしまうのです。
 
 
尋問になってしまう質問はせず、早く行動してもらうためにはやってほしい行動をストレートに指示するだけでOKです!
 
 
「宿題してね。漢字ドリルだよ」
「片付けしてね。ボールを箱にしまおうね」
「ゲームはもうおしまいだよ。セーブしてね」
 
 
このようになるべく具体的な行動を言葉で伝える方が、子どもはやるべき行動をイメージすることができるので行動に移しやすくなります。
 
 
指示するときには、表情や声色に注意しましょう。子どもにお母さんのイライラが伝わってしまうと、委縮したり反抗したりするきっかけになります。
 
 
何とか行動できたとしても、「お母さんのイライラ」というマイナスのイメージが行動と結びついて嫌な記憶を作ってしまいます。
 
 
この嫌な記憶が作られてしまうと、指示には従えても脳は拒否してしまい、自分から判断して動けるようにはなりません。
 
 
発達障害の子どもたちのネガティブな記憶をインプットしやすい性質を含め、「嫌な記憶」にしないことはとても大切です。
 
 
指示する際は穏やかな表情や声色を意識しましょう。
 
 
 
 

 

3 それでも行動できないときにこそ子どもに質問してましょう!

 
 
尋問になりそうな質問をやめて具体的に行動することを指示しても、どうしても動けない!ということもあります。
 
 
発達障害の子どものなかには場面の切り替えが苦手なタイプの子どもがいます。このタイプの子どもたちは、いきなり行動を指示されても混乱してしまい、スムーズに動くことができません。
 
 
そんなときこそ質問の出番です!
 
 
「いつになったらやれそう?」
 
 
と、子ども自身に聞いてみてください。これは質問です。子ども自身が考えた答えを可能な限り尊重してあげましょう。
 
 
もしも、お母さんが許容できない回答の場合は、「どんなに待っても〇分までだよ」と制限をつけるのも1つの方法です。
 
 
「何からならやれそう?」
「宿題からやる?片付けを先にする?」
具体的な行動を想像するよう促すのも大切です。
 
 
場面が切り替わるとき、最初の1歩にとても大きなエネルギーが必要です。
 
 
やらなければならないことが複数ある場合は、子どもに選ばせてあげることで、スムーズな行動の切り替えを促すことができます。
 
 
「どうしてできないの!?」と尋問して、子どもを強制的に動かすのではなく適切な質問を穏やかに重ねることで、親子関係がより良好になり、子どもがスムーズに動けるようになるのです。
 
 
お母さんは質問を駆使して子どもがスムーズに行動できるように促してみてくださいね!
 
 
 
 
 
執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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