発達障害アスペルガーの子どもの質問攻めは不安の表れ!新学期の行き渋りを予防するママの対応

 

発達障害アスペルガータイプのお子さんでやたらと質問攻めする、何度も同じことを確認するのは不安が強い表れかもしません。新学期の始まりで不安が出やすいこの時期に行き渋りを防ぐシンプルな対応をお伝えします。
 

【目次】

1.質問攻め・何度も同じことを確認する発達障害アスペルガーの特性
2.不安の強さが新学期の行き渋りに繋がる可能性も
3.気づいたら質問攻めが消えた!シンプルなお母さんの対応
①絶対的安心感を与える3S(スリーエス)
②しゃべらなくてもできる肯定のジェスチャー

 
 

1.質問攻め・何度も同じことを確認する発達障害アスペルガーの特性

 
 
夏休みも終わりいよいよ新学期が始まりましたが、お子さんの様子はいかがですか?
 
 
みんな大なり小なりの不安と期待を持って新学期をスタートしているでしょう。
 
 
ここで、
 
・「これでOK?」、「持ち物はこれで全部だよね?」と何度も同じことを確認してくる
 
・大した用事でもないのに「お母さ~ん」と何度も呼ばれる
 
・一つのことに対して「これはどう?」「あれはどうなってる?」と質問攻めしてくる
 
 
こんな様子のある小学生のお子さんはいませんか?
 
 
 
 
もう幼児じゃないのにお母さんばかり呼ばないで~、さっきも同じこと確認してきたよね、と毎回対応するこちらも疲れてしまいますよね。
 
 
発達障害・自閉症スペクトラム症の一つであるアスペルガータイプの子には特に不安が強いという特性が見られがちです。
 
 
同時に、
 
 
・物ごとの見通しを立てずらい
 
・想像力が乏しく次にどうなるのか自分で予測ができない
 
・新しい環境に慣れるのに時間がかかる
 
・失敗が怖い
 
・ネガティブな記憶を沢山溜め込みやすい 
 
 
という特性もあげられます。
 
 
不安を強く抱えながらも新学期の学校生活に対応しようとすると、本当にこれで大丈夫なのか何度も同じことを確認したくなったり、次から次へと聞きたくなって質問しまくる、ということが増えるのもアスペルガーの特性からして見られがちな様子と言えるのです。
 
 
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2.不安の強さが新学期の行き渋りに繋がる可能性も

 
 
夏休みで比較的自由に過ごせていた生活から、規律ある小学校生活で新学期が始まると思うと、子どもも知らず知らずのうちに不安が溜まっているかもしれません。
 
 
発達障害・グレーゾーンのお子さんが質問しまくる、何度も同じことを確認してくる様子がある場合には、お母さんはどんな対応をしたらいいと考えますか?
 
 
「さっきも確認したでしょう」
「用がないなら呼ばないでよね~」
 
 
このような突き放すような言い方は、どんなタイプのお子さんにもあまりいい対応とは言えないですよね。
 
 
「そんなに心配しなくても大丈夫だって!」
「気にしない、気にしない~」
 
 
と、不安な空気を吹き飛ばそうとお母さんが良かれと思ってサラッと軽く受け答えする。
 
 
これは一見やりがちで良さそうな対応に思えるのですが、実はアスペルガータイプの子には効果が低い対応なのです。
 
 
なぜなら、これでは子どもの不安が根本から解消されないからです。
 
 
不安が強い子の心の中では 「大丈夫って、全然大丈夫じゃないんだけど!」「気になるんだけど!」と、やはり同じことを何度も確認しないと不安、質問攻めを繰り返すことになってしまいます。
 
 
そして不安が解消されずに溜まっていくと、挑戦する気持ちがなくなり行動量が減っていってしまいます。
 
 
 
 
学校で何があるのか分からないから心配で行けない、本当にこれで持ち物が合っているのか心配だから行きたくない!と行き渋りに発展することもあり得るのです。
 
 
やたらと確認したがったり、質問しまくる様子を見せているならば、やり過ごさずにしっかりと不安を和らげる対応をすることが必要なのです。
 
 
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3.気づいたら質問攻めが消えた!シンプルなお母さんの対応

 
 
発達障害・アスペルガーの不安が強いお子さんの場合には、家庭が安心できる場所であること、家族(特に接する時間が一番長いと思われるお母さん)が絶対的な安心できる存在であることが大切です。
 
 
新学期で不安になりやすい時期にお母さんがいると心が安定する、そんな環境を作るにはどうしたらいいでしょうか。
 
 
それほど難しく考えずとも、日常のあらゆる場面でできるシンプルな対応があります。
 
 

◆①絶対的安心感を与える3S(スリーエス)

 
 
一つ目は、子どもとの会話を「笑顔でゆっくり優しく話す」で始める、です。
 
 
これを発コミュでは3S(スリーエス)と呼んでいます。
 
 
Smile:スマイル(笑顔)
 
Slow:スロー(ゆっくり間をとって)
 
Sweet:スイート(優しい声で)
 
 
この3つを意識すると、お母さんの言葉が子どもの脳に届くようになります。
 
 
お母さんの表情や声のトーンが怖ければ、子どもはどう感じるでしょうか。
 
 
どれだけ伝わりやすい言葉で話していても子どもは言葉の意味よりもお母さんのマイナスな雰囲気に引っ張られて、話なんか聞きたくない!という状態になってしまいます。
 
 
さらに不安の強い子は、お母さんの雰囲気が良くないというだけでも不安を増長させてしまいます。
 
 
3Sと真逆の会話の始め方をすると、お母さんの話は聞きたくない、なんだか怖い…と不安を解消するのとは反対の方向に作用してしまうのです。
 
 
いつも笑顔なんてできないと思われるお母さんもいると思いますが、まずは口角をあげることだけでも意識してみてください。
 
 
安心できるお母さんがそばにいて心地よい会話が脳に届くことが大切なのです。
 
 
家で安心して過ごせると情緒が安定し、確認や質問攻めが徐々に減っていくのです。
 
 
 
 

◆➁しゃべらなくてもできる肯定のジェスチャー

 
 
二つ目はグッドサインや手で大きな丸を作って子どもに見せることです。
 
 
「これ合ってる~?」、「本当に大丈夫かな?」と確認、質問してきたら「うん、合ってるね」と言いながらハンドジェスチャーを見せます。
 
 
言葉だけでなくジェスチャーもあると動きが出て子どもの目を引きますし、言葉を発さずともジェスチャーだけで視覚から入る肯定的関わりになり効果的です。
 
 
少し距離が離れていたり、声を出さない方がいいと思われる場所でもジェスチャーを見せることができます。
 
 
そもそも忙しいしゆっくりなんて話せないと思われた方、毎回対応するのが正直しんどいというお母さんにもとても有効な方法ですよね。
 
 
これらの対応は実際に我が家で実践してきたことです。
 
 
我が家のアスペルガー傾向で不安が強い小3の息子は、長期休み明けに質問攻めになりがち。
 
 
長期休みの終りや新学期が始まった頃は特に「3S・グッドサイン」と意識していました。
 
 
すると、何度も同じことを確認したり質問攻めが続いたりやたらと呼ばれる、ということが気づいたらなくなっていました!
 
 
そして、新学期が始まり不安はあるものの、行き渋りなく安定して登校できています。
 
 
ぜひ、3Sと肯定のジェスチャーを取り入れてみてくださいね。
 
 
 
 
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執筆者:菅美結
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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