暴力的な子どもに困っていませんか?それは発達障害・ADHDの特性が暴力に繋がっているかもしれません。お母さんだって「嫌い」と言われたり、たたかれたりしたら悲しくなりますよね。実際に発達障害の小学生の娘の暴力が止まった方法をお伝えします。
【目次】
1.子どもからの暴力はSOSかもしれません。
2.暴力的な子どもには理由がある!発達障害・ADHDの特性
3.周りの対応で、イライラや暴力が悪化することも!
4.発達障害・ADHDの小学生の暴力を止める肯定術
1.子どもからの暴力はSOSかもしれません。
子どもがいつもイライラしていて、お母さんをたたいたり、蹴ったり、と暴力がとまらない…
お母さんだって、たたかれれば痛いし、悲しい気持ちになりますよね。
これが毎日のように続いたら、かわいいはずのわが子なのに、かわいいとさえ思えなくなってしまうかもしれません。
実は我が家にも小学6年生の息子と小学2年生の娘がいます。小2の娘は、発達障害・注意欠陥多動性障害(ADHD)グレーゾーン。自分の感情に素直で、明るく、元気いっぱいの女の子です。
しかし、小学校入学という大きな環境変化をきっかけに、落ち着きのなさや衝動性などの特性が大きく目立ち始めるようになりました。
当時の私は、フルタイムで働いていました。そのため、入学と同時に、娘は1日の大半を学校と学童保育所で過ごす生活をすることになりました。
娘の暴力行為は、学童での特定のお友だちに対するものから始まりました。仕事が終わり、学童のお迎えに行くと、その日に起こした娘の問題行動を報告される毎日になりました。
学童で謝り、家に帰ってからは、ケガをさせたお友だちに電話をして謝る…。
娘の暴力によるお友だちとのトラブルは日に日に増えるばかり。そのうち、娘の笑顔は消え、家でも暴力行為がとまらなくなっていました。
そんなとき、困り果てていた私にようやく娘が話してくれました。
「わかっているのにやっちゃうの…」
自分ではどうすることもできないことに、一番苦しんでいたのは子ども自身。暴力行為は子どもからのSOSだったのです。
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2.暴力的な子どもには理由がある!発達障害・ADHDの特性
では、どうして、イライラしたときにたたくなどの暴力行為が出てしまうのでしょうか。
それは、発達障害・ADHD傾向の子どもは、自分の感情をおさえることが苦手な特性を持っているからです。
子どもなので、感情をおさえられないことはある程度自然なことです。けれど、暴力行為が出てしまう場合、感情をコントロールする機能の発達が、ほかの子よりゆっくりであることが考えられます。
感情をコントロールする機能がまだ十分に発達していないと、たとえ本人が「たたくことは悪いことだ」とわかっていたとしても、わき上がった感情をおさえることができません。
そのため、イラっとしたり、カッとなったりすると、たたくなどの暴力行為が出てしまうのです。
ですから、暴力的な子どもに困ったと悩まれたら、発達障害による特性ではないかと考えてみてください。
3.周りの対応で、イライラや暴力が悪化することも!
発達障害の子は、感情をコントロールすることが苦手。とはいえ、人をたたいたり、けったりすることは絶対にしてはいけないことですから、1日でも早くやめさせたいですよね。
家庭内での暴力はもちろんですが、お友だちに大きなケガをさせたら大変です。
まじめで一生懸命なお母さんならなおさら。暴力行為がなくなるまで、何度でも言い聞かせたくなると思います。
しかし、このような対応を続けることは、発達障害・ADHD傾向の子どもの場合、暴力行為をさらにエスカレートさせることになってしまいます。
それは、発達障害・ADHD傾向の子どもは頭でわかっていても、自分では暴力行為をとめることができないのですから、「人をたたいてはいけません。」と、繰り返し注意されることで、さらに追い込まれてしまうからです。
「また、しかられた…」という失敗体験の積み重ねは、自己肯定感は低下させます。自信を失うことで、攻撃性が強まり、さらに暴力行為を悪化させてしまうことになるのです 。
つまり、発達障害・ADHD傾向の子どもの暴力は、注意してもなくなりません。むしろ、逆効果なのです。
では、どうしたら暴力行為をとめられるのか。その方法をお伝えしますね。
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4.発達障害・ADHDの小学生の暴力を止める肯定術
発達障害・ADHDタイプの小学生の娘の暴力を止めることができた方法。 それは「子どもを褒める!」ことです。
それだけで本当に変わるの?と思いますよね。ところが「褒める」の効果は絶大です!
たとえ本人に悪気はなくても、しかられたり注意されたりすることが多く、自信を喪失しやすい発達障害・ADHD傾向の子どもたち。 暴力行為をとめるためにも、まず、子どもの気持ちを安定させ、自信を回復させることが必要不可欠だからです。
そのための一番の方法が、子どもをたくさん「褒める」こと。
「褒める」と言われても、学校から帰ってくるなり、イライラして、たたいてくるような子ども。どこを褒めたらいいのかわからない…
とくに、最初のうちは褒めるところなんて見つからず、悪いところにばかりに目が行ってしまうかもしれません。
そんなときは、事実をそのまま言葉にすることから始めてみてください。
「学校から帰ってきたね」
「くつ脱げたね」
「ランドセルおろせたね」
実際、私もこのような対応から始めました。事実を言葉にすることはその子の行動を肯定していることになります。
帰ってくるなり「お母さんなんて大嫌い!」と言われた日も、突発的にたたかれた日も、暴言や暴力にはできる限り反応せず、 とにかく「できていること」だけに注目して肯定し、ひたすら娘を褒め続けました。
すると少しずつ変化していきました。娘の表情は穏やかなことが増えていき、笑顔が見られるようになったのです。
そして、2週間が過ぎたあたりから、私への暴力はほとんどなくなりました。
一番近くにいるお母さんなら、毎日、たくさん褒めてあげられます。褒められる経験が増えれば、気持ちも安定しますよね。
スキンシップが好きなお子さんでしたら、たくさんスキンシップを取ってあげるのもおススメです。
発達障害・ADHD傾向の子どもは、本来、とても素晴らしい行動力を持っていますから、自信を回復し、自己肯定感が高まると、好ましくない行動が減るだけでなく、良い行動もどんどん増えていきます。
娘は、宿題やお手伝いも自分から積極的にやるようになりました。そして、学校のお友だちとも仲良く遊べるようになりました。
毎日一緒にいるお母さんが、子どもを認め、褒めてあげると、子どもはどんどん成長します。たくさん褒めてあげてくださいね。
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執筆者:杉山かずみ
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)