「しつけ」に悩んでいるお母さんはいらっしゃいませんか?子どもをほめるときも叱るときも目的は同じ!発達障害の子どもがやる気を持って行動できるためのお母さんの声かけテクニックをお伝えします。 |
【目次】
1 褒めても叱っても目的は同じ!?
日本で子育てするうえで、「しつけ」という言葉に悩まされるお母さんは、多いのではないでしょうか。
子どもをきちんとしつけなければ…「ちゃんとしつけをしろ!」って怒られないようにしなきゃ…日本のお母さんたちが悩む「しつけ」。これってどんなものか説明できますか?
「しつけ」は子どもの良い行動はほめて増やし、悪い行動は叱ってなくすように仕向ける子育て法です。つまり、お母さんの声かけで、子どもの行動を適切なものに誘導しているのです。
褒めるときにも叱るときにも、「これからもこういう行動をとってほしい」「次からはこういう行動はやめてほしい」「次からはこういう行動に直してほしい」というお母さんの意図がありますよね。
そして、実際にお母さんが褒めたら、子どもがしっかり動いた!ということもありますし、お母さんが叱ったら行動がなくなった、ということもあります。
褒めることも、叱ることも、子どもにどんな行動をとるのが適切か、教えることなのです。
2.子どもの行動を決める「やる気」がないときは?
そもそも、子どもはどのようにして自分の行動を決めているのでしょうか?もちろん自分の意思ですよね。「僕はこうしたい!」という子どもの意思、つまりやる気です。
子どもが自分の内側からやる気が出てくれば、子どもはスムーズに行動できるはずです。
子どものやる気がない状態で子どもを行動させるもの、それがお母さんの声かけです。つまりほめたり叱ったりすることです。
特に興味のないことでも、
「これできたらすごいよ~!」
「すごい!上手にできたね!」
「これができたらご褒美あげるよ」
「すごい!上手にできたね!」
「これができたらご褒美あげるよ」
なんて言われたらやる気になりますよね。子どものやる気を起こさせる、それがお母さんのほめる声かけとご褒美です。
ほめられたりご褒美がもらえたり、子どもが自分にとってメリットがあると分かればやる気が出て、スムーズに行動することができます。
一方、お母さんが子どもを叱った場合はどうでしょうか?
「ちゃんとやりなさい!」
「早くしなさい!」
「どうしてやれないの?」
「早くしなさい!」
「どうしてやれないの?」
こんな風に言われたら、何とか行動できても、子どものやる気は出てきません。
お母さんが怒ってるから、とりあえずやっとくか~
こんな思いでは行動がスムーズにいくわけありませんし、次からもやろう!という気にはなりませんよね。
だから子どもの行動は改善されず、毎回叱って行動させる…というサイクルができ上がってしまうのです。
特に発達障害やグレーゾーンの子どもは、ネガティブな記憶が強くインプットされてしまいます。
お母さんに毎回叱られてしまうことで、ネガティブな記憶がより強くなってしまい、指示された行動に対してもネガティブなイメージを抱いてしまいます。
結果として、子どもはますます行動したくなくなってしまい、お母さんはさらに叱る…負のスパイラルに陥ってしまうのです。
子どもがスムーズに行動するためには「やりたい!」という意思。そしてやる気がない場合は、お母さんが子どものやる気をいかに引き出していくか。
ほめる声かけと、ご褒美を準備して、子どものやる気が出るように刺激していくことが大切です。
発達障害の子どもたちが、ネガティブな記憶をインプットして行動しなくなってしまう点から考えると、叱って行動させる、叱って行動をなくさせる。
という「しつけ」のやり方は、発達障害の子育てには適していないと言えるのです。
3.発達障害の子どもによい行動を定着させたいならほめる方が効果的!
子どもを叱ると、行動するかもしれませんが、もともとやる気がなかったことに対して、やる気が出てくるか、といえば答えはNOです。
ごはんをしっかり食べる、手洗いうがいをする、時間通りに登校する、おかたづけをする、など、日常生活の行動こそ、子どもが自分から取り組めるように定着させていきたいですよね。
行動を定着させたいなら、子どもにメリットを感じさせてやる気を起こさせることが必要です。
「ご飯、残してるじゃない!ちゃんと食べなさい!」ではなく
「お肉とお味噌汁はピカピカだね!」
「お肉とお味噌汁はピカピカだね!」
「手洗いうがいしなかったら病気になるよ!」ではなく
「手洗いうがいして、ばい菌をやっつけよう!」
「手洗いうがいして、ばい菌をやっつけよう!」
「早くしなさい!遅刻するよ!」ではなく
「先生が待ってるよ!」
「先生が待ってるよ!」
「お片付けしなさい!」ではなく
「全部お片付けできたらおやつにしよう!」
「全部お片付けできたらおやつにしよう!」
こんな風に、子どもが嬉しさや楽しさを感じる声かけや、ご褒美を用意して行動の定着をはかっていきましょう!
特に発達障害でADHDタイプの子どもは、ご褒美にハマるといわれています。
適宜おやつやゲームなどのご褒美を準備するだけでなく、お母さんの声かけがご褒美として感じられるように、大げさなぐらいしっかりほめてあげると効果的です。
子どもも、叱られるより褒められる方が嬉しいはずです。そしてお母さんも、子どもを叱るより褒める方が穏やかな気持ちでいられます。
子どもの行動を定着させたいときは、子どもの「やる気」を引き出していきましょう!
執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)