予告が効かないときはここから攻める!発達障害・自閉症スペクトラムの息子に実践した「数量の概念」の教え方とは

 行動の切り替えが苦手な発達障害の子どもたちに有効な「予告」のテクニック。でもうまくいかないとお困りのお母さんはいらっしゃいませんか?数量の概念に課題があるかもしれませんよ!自閉症スペクトラムの息子に実践した数量の教え方とは?をご紹介します。
 

【目次】

 

1.「予告」が効かない!?発達障害・グレーゾーンの子どもたち

 
 
発達障害・グレーゾーンの子どもたちは、行動の切り替えが苦手という特性があります。
 
 
「おやつの時間だよ」と言ってもテレビを見たまま。
「お風呂に入りなさい」と言っても遊びがやめられない。
 
 
そんな子どもの姿を見ていると、お母さんはイライラしませんか?
 
 
こんな、切り替えが苦手な子どもに有効なテクニックとして紹介されるのが「予告」です。
 
 
事前に次の行動を知らせて、心の準備をさせておこう!というこのテクニック、使ったことのあるお母さんも多いのではないでしょうか?
 
 
実際、私も発達障害・自閉症スペクトラムの息子に何百回と使ってきました。
 
 
「あと5分でお出かけするよ!」
「あと10回ブランコやったらおうちに帰ろうね!」
 
 
こんな風に予告していましたが、当時年少さんだった息子にはあまり効かないときがありました。
 
 
私:「あと10回ブランコやったら帰ろうね。」
 
息子:「は~い!わかった!」
 
私:「いーち、にい、さーん…じゅう!じゃあおうちに帰ろう!」
 
息子:「えー!?やだ!もっとしたい!あと10回!」
 
 
こんな調子で、「あと10回」がエンドレス…気が付けば1時間以上経っていた、ということもよくありました。もうイライラなんてとっくに通り越して、げっそり、ぐったりです。
 
 
 
 
どうして予告をしているのになかなかやめられないのでしょうか?
 
 
この記事では、予告のときに使うあるものに着目して、予告を成功させるためのテクニックをご紹介します。
 
 
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2.予告が効かない理由―「数量の概念」に課題アリ!?

 
 
予告をするとき、共通してよく使うものがあります。
 
 
「あと5分だよ」
「あと10分ね!」
「6時になったらね」
 
 
このように予告するときに「数字」を使うことがよくあります。
 
 
予告が効かない理由の1つがこの数字。数量の概念が身についていない可能性があるのです。
 
 
自閉症スペクトラムタイプの子どもは、文字や数字に特別な関心がある子がいます。私の息子もこのタイプ。アルファベット、ひらがな、カタカナ、そして数字が大好きです。
 
 
年少の段階で、息子は1~100までの数を数えられ、100から1にカウントダウンすることもできました。
 
 
こんな息子を見て、私はてっきり「この子は数字が得意なんだ!」と思い込んでいたんです。
 
 
実は、数といっても数字、数詞、数量はそれぞれ概念が異なります。
 
 
「数字」は、数を表す記号。1、2、3や一、二、三。アラビア数字のⅠ、Ⅱ、Ⅲも当てはまります。
 
 
「数詞」は数の数え方。いち、に、さん、one,two,threeです。
 
 
数量は、数の量を表したもの。つまり、1=○ 2=○○ という量のイメージです。
 
 
 
 
息子の場合、数字と数詞はばっちりでしたが、数量の概念に課題がありました。
 
 
そのことに気づいたとき、大きな衝撃と危機感を抱きました。
 
 
私:「ねえねえ息子くん。2と3はどっちが大きい?」
 
息子:「3!」
 
私:「正解!じゃあ、3と2はどっちが大きいと思う?」
 
息子:「え…(沈黙が続く)2かな?」
 
私:「えーと、じゃあ10と5だったらどう?」
 
息子:「5!」
 
 
こんな感じだったのです。分からないから適当に答えているのか?それとも先に行った数字を忘れちゃってるのか?
 
 
いずれにしてもこれはマズイ!息子に数量の概念を習得させる日々が始まりました。
 
 
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3.自閉症スペクトラムの息子に実践!数量の教え方4ステップとは

 
 
数量は量なので、単純に言うとそれぞれの場面で「大きいのか?小さいのか?」を判断できるようにしよう、と考えました。
 
 
冒頭にご紹介した「ブランコあと10回ね!」という場面であれば、自分にとって10回が多いのか少ないのか判断できるように、と思ったのです。
 
 
もし10回で少ないのであれば、「もっとやりたい!あと30回!」と提案できるように。そうすれば「あと10回!」を延々と繰り返す必要はなくなります。
 
 
数量を教える際は、この大小のイメージを大切にしました。
 
 

◆①入門編~お米で大きさ比べ~

 
 
息子は数字が大好きでまず数えてしまうため、どうしても大小のイメージよりも数字が先にきてしまいます。
 
 
そこで、数える気にならないだろうお米を準備して量の大小比べをしました。
 
 
お米を量を変えて2つのカップに入れ、「どちらが大きいか?」答えてもらいます。
 
 
これで見ためで大きいか小さいかのイメージを作っていきました。
 
 
数えられないものであれば、お米以外でも大丈夫。私はお米の前に砂糖や塩で試しましたが、戻すのが面倒で断念!その日炊飯する分のお米を使っていました。
 
 

◆②初級編~オセロを一列ずつ並べる~

 
 
大小のイメージが作れたら、次に数字とリンクさせます。
 
 
オセロ版に白黒それぞれ数を変えて並べ、どちらが多いか答えてもらいます。
 
 
この段階では、白と黒は一列ずつにきれいに並べ、どちらが多いか一目瞭然の状態を作ります。
 
 
数を数えるのは後でも先でもどちらでもかまいません。白が7個でこの量、黒が2個でこの量、白の方が多い、というように、見た目の量と数を一致させていきます。
 
 

◆③中級編~まとまりを比べる~

 
 
次に、同じくオセロを使って、白のまとまりと黒のまとまりを作ります。
 
 
例えば、白2つ、黒6つでそれぞれまとまりを作り、「どちらが大きい?」と質問します。
 
 
だんだん数の差を少なくしていき、数えて判断するようにしていきます。
 
 

◆④上級編~オセロ版にランダムに置く~

 
 
最後に、オセロ版に白と黒をランダムに置いて数の大小を比べます。
 
 
 
 
中級編・上級編に共通するのは、子どもがどう数えるかは自由、ということです。
 
 
ランダムに置かれたものを、白一列、黒一列に並べなおして比べてももちろんOK!
 
 
このように、見た目で大きいか小さいか、数を数えて大きいか小さいかをリンクさせていきます。
 
 
息子の場合、この方法を使って半年間で1~10を完全に理解できるように!もちろん、この半年間で予告も成功するようになっていきました。
 
 
予告はとても便利なテクニックですから、いろいろな場面で活用できます。ただし、私の息子のように、数字の量のイメージができていないために、うまくいかない、というケースも多いのではないでしょうか。
 
 
もし、「うちの子も同じだ!」と思われたら、数量の概念を教えていきましょう!
 
 
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執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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