発達障害の子どもに自信がないなら要注意です。どうして自信がなくなると要注意なのか、自信を失くした子どもにお母さんはどう対応したらいいのかを解説しました。読んだら今すぐ試せる声かけも掲載しています。 |
【目次】
1 日本の子どもたちは自信がなくなりやすい!?
子どもには自信を持ってノビノビと育ってほしい!と思う一方で、「あんまり偉そうな態度をとるようになっても困る…」というお母さんはいいませんか?
子どもに自信をつけてほしい。でも自信満々な態度だと周りの人から浮いてしまうのではないか?という考えは日本人特有かもしれません。
「謙遜」や「へりくだり」といったコミュニケーションは日本特有のもの。お母さんも「自信をつけてほしい」と思いながら、ママ友とついついこんな会話をしていませんか?
ママ友:「○○君、かけっこがすごく速いわね~!」
あなた:「いえいえ~そんなことありませんよ!」「勉強は全然できなくて困っていて…」
あなた:「いえいえ~そんなことありませんよ!」「勉強は全然できなくて困っていて…」
お子さんの得意なことをほめてくれたのに、それを否定して苦手なものにフォーカスするような会話をしていませんか?
自分の子どもの立場を低くする謙遜やへりくだりの姿勢や、「苦手なもの」「できないこと」に注目するしつけの子育て方法が凝縮された、典型的な日本人の会話ではないでしょうか。
これを子ども本人が聞いていたら、子どもの心が傷ついてしまうこともあります。
こういうときに限って、お母さんはまさか子どもの耳に入っているとは思っていないので、後からフォローすることもできないのではないしょうか。
ただ、こういうことは日本の社会ではよくあること。同じような経験をした全員が自信がないというわけではありません。
お母さんの「謙遜」で自信を失ってしまう子と気にしない子、両者の間にはどんな違いがあるのでしょうか?
自信は、
①人間関係
②できごと
③心身状態
に左右されます。
①人間関係
②できごと
③心身状態
に左右されます。
ほんのちょっとしたできごとでも、精神的に不安定なときに起これば、大きなトラブルだと感じてしまうこと、ありますよね。
心身ともに気力に満ちているときは、大きな問題にぶつかっても立ち向かう力が湧いてくるもの。
つまり、心身状態が安定していれば、トラブルが発生しても自信を失ってしまうという可能性は低くなります。
そしてその心身状態を安定させる為に不可欠なのが、人間関係です。自分を受け入れてくれる人がいる、という安心感がとても重要になります。
人間関係の基礎は親子関係です。子どもは親、特にお母さんとの関係を基礎として、他者との付き合い方を学びます。
そして、無意識のうちに、お母さんが自分の絶対的な味方でいてくれると信じているからこそ、学校や幼稚園でトラブルがあったらお母さんに相談してくれるのです。
お母さんは子どもから相談を受けたら、トラブルが解決するよう子どもにアドバイスしたり、先生に相談したりしますよね。
もしトラブルがうまく解決しなくても、お母さんが真剣に向き合ってくれたり、先生に交渉してくれたりする姿勢を子どもが感じていれば、お母さんへの信頼は高まります。
また、お母さんのアドバイスに従って自分でトラブルを解決することができたら、子どもの自信につながりますし、お母さんへの信頼も高まります。
親子関係を良くすることが子どもに自信をつけ、さまざまなトラブルに立ち向かっていく力を蓄えていくのです。
2 発達障害の子どものネガティブワードに要注意!
子どもに自信がなくなると、ネガティブな言葉が増えてきます。特に発達障害やグレーゾーンの子どもは、得意なことと苦手なことの差が大きいですよね。苦手なものは脳の特性からきている場合もあるので、本人が努力してもなかなかうまくいかないこともあります。
「無理無理」
「どうせ…」
「僕(私)なんて…」
「できない」
「どうせ…」
「僕(私)なんて…」
「できない」
こんな言葉がたくさん出るなら要注意です。これらの言葉の後ろにどんな言葉が続くか想像してみてください。
「できない…(だからやらない)」となりませんか?やらないということは行動しないということです。人間の脳は行動して新しい経験を積み重ねて発達していきます。行動することは発達の基本中の基本です。
行動しないということは、脳の発達にエンジンがかかっていない状態。発達障害やグレーゾーンの子どもたちは脳の発達がゆっくりだったり、凸凹しています。だからこそ、どんどん行動させて脳の発達にエンジンをかけなければいけないのです。
3 発達障害の子どもの気持ちを切り替えるお母さんの声かけ
発達障害の子どもが自信を失くして行動しないとき、お母さんはどんな言葉をかけて子どもが気持ちを切り替えられるように促せられるでしょうか?
ここでポイントになるのが「共感」と「言い換え」です。まず、「共感」についてお伝えします。
子どもがネガティブな状態にあるときは、お母さんがどんな言葉をかけても受け入れる体制になっていない場合があります。
子どもが「無理無理!絶対にできない!」と叫んでいるとき「そんなことないよ!やってみないと分からないじゃない!」と言ってしまいませんか?
そんなときは、何か言う前に「そっか~そう思うんだね」と一旦子どもの気持ちを受け入れて共感してあげてください。お母さんが共感してくれると、やり場のなかった自分の気持ちを受け入れてくれるので、少し落ち着くことができます。
子どもが落ち着いて冷静になれば、「いや、これはできるかも」と思えるかもしれません。考えを変えられなくても、冷静になっている分お母さんの言葉が届きやすくなります。
子どもからネガティブワードが出たときは、まず共感の姿勢を見せて、子どもが冷静になれる時間を与えたりしましょう。
さて、少し落ち着きを取り戻した子どもに、お母さんはどんな言葉をかけてあげたらいいでしょうか?
子どもの口からネガティブワードが出たとき、お母さんは少し動揺してしまうかもしれません。
「どうしてそんなこと言うの!?」「そんなこと絶対にないのに!」と思いますよね。子どもを無条件に愛しているからこそそういう思いを抱くのは当たりまえです。
子どもの口からネガティブワードが出たときは、お母さんもショックで冷静になれないかもしれません。だからこそ、あらかじめどんな言葉をかけるか決めておくことをおすすめします。
「無理無理!」
⇒「まず一回やってみようよ。お母さんが見ててあげるよ(手伝ってあげるよ)」
⇒「まず一回やってみようよ。お母さんが見ててあげるよ(手伝ってあげるよ)」
「僕(私)なんて…」
⇒「○○君(ちゃん)は~~が得意だよね。お母さんはいつもすごいと思ってるんだよ」
⇒「○○君(ちゃん)は~~が得意だよね。お母さんはいつもすごいと思ってるんだよ」
「絶対できない」
⇒「お母さんはできると思うけどな~」
⇒「お母さんはできると思うけどな~」
上に挙げたのはひとつの例ですが、子どものネガティブワードをどう言い換えるか決めておくと、お母さん自身が冷静になれないときもさっと対応できますよ!
ネガティブワードがたくさん出るときは、子どもの自信がなくなっているとき。子どもの得意なことや長所を思い出させてあげてください。
これは大好きなお母さんが言っているから、子どもも「そうかも…」と思えるんです。自分に自信がなくても、普段から親子の信頼関係がしっかりしていれば、大好きなお母さんの言うことを納得できるんです!
子どもの口からネガティブワードが出たときの対応法、ぜひお試しくださいね!
執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)