発達障害があるのはお子さん本人?――でも、そもそも「障害」の定義について知っていますか

最近は、「発達障害」という言葉を耳にすることが増えてきました。何となく他の子と違う気がする…そう感じて心配で調べた結果、ますます不安が募ることもあるかもしれません。でも「障害」の定義を知ると、違った視点を持つことができます。
 

【目次】

 

 

1 そもそも「障害」の定義って何でしょうか

 
 
最近では、発達障害という言葉がメディアで取り上げられることが増え、広く知られるようになりました。広く知られるにつれて、わが子の発達について心配を感じるお母さん達が増えています。
 
 
でも、そもそも「障害」って何でしょうか?
 
 
日本では「障害者基本法」第二条に障害者についての定義があり、障害の区分について「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者」と書かれています。
 
 
注目してほしいのは、2011年の改定で障害者の定義が「障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう」という表現になったことです。
この改定で「社会的障壁」という新たな用語が使われるようになりました。(※注)
 
 
ちょっと想像してみてください。
 
 
あなたのお子さんは視力が悪くて、普段から眼鏡が必要だったとします。それなのに、入学した学校では、校則で眼鏡が禁止されているというではありませんか!
 
 
授業で黒板がよく見えないため、お子さんはノートを上手くとることができません。校則で眼鏡禁止だなんて、なんて理不尽なんだと思われることでしょう。
 
 
しかも、そのノートを見た担任の先生からは、「集中力が足りない」「やる気がなくて困ります」「気合いがあればできるはず」と言われます。…どんな気持ちになりますか?
 
 
 
 
「そんな風に言われても、見えないものは見えません!」「眼鏡さえ使わせてくれたら…」そう感じませんか?
 
 
この場合、眼鏡をかけて黒板が見えればノートをとることができ、お子さんは授業にもついていけるのではないでしょうか。眼鏡さえ使わせてもらえたら「社会的障壁」は解消されます。
 
 
そして、その子が理不尽な評価で傷つくことも避けられるのです。
 
 

 

2 発達障害があるのは、お子さん本人?障害はどこにあるのか

 
 
何らかの障害や特性があり、困っている子どもの問題解決を考える時には、

1. その子を変える(子どもが環境に合わせる)
2. 社会環境を変える(社会や環境が子どもに寄り添い、必要なサポートをする)

という2つの視点があります。

 
 
社会全体、また教育現場においても、まだ「その子を変えて周囲に合わせる」というやり方が大多数かもしれません。
 
 
でも、努力してもうまくいかず困っている「本人」を変えようとする事と、「周りの環境」を改善してその子にあったサポートをしていくこと、どちらが良い方法でしょうか。
 
 
その子の幸せを考えた時に、答えは言うまでもありませんよね。
 
 
そして、発達障害やグレーゾーンのお子さんの場合はどうでしょうか。
 
 
発達障害、特にパステル(グレーゾーン)の子どもたちに対しては、「その子を変えて、ルールに当てはめよう」という圧力が強くなることが多いかもしれません。
 
 
なぜなら、ぱっと見では障害や特性がわからず、特性による苦手分野があって困っていても、周りに理解してもらえないことが多いからです。
 
 
新学期を迎え、お子さんは日々ストレスに耐えながら過ごしてきたかもしれません。そんな時、一番の心の支えになれるのは誰でしょうか?
 
 
それは、やはり身近にいてくれるご家族、そして誰よりも自分を認めてくれるママの存在ではないでしょうか。
 
 
 
 

 

3 ママはお子さんにとって1番の理解者です!

 
 
だからこそお母さん達には、「その子を変える」以外の視点も持ってほしいと思います。「やる気がない」のではなくて、「本人は頑張っているのに、できないだけ」かもしれないのです。
 
 
その子にあったタイミング、道具、声かけ…一番近くにいるママだからこそ、その子にとって必要なことについて一番よくわかってあげられるのではないでしょうか。
 
 
ぜひ、お母さん達が一番近くで、わが子の味方になってあげてください。そして、先生や周りの人たちに「障害」じゃなくて「特性」なんだと伝えてあげてください。それだけでも、子どもが過ごしやすくなって、安心して本来持っている力を発揮できるようになるかもしれないのです。
 
 
お子さんの可能性は無限大です!
 
 
ぜひ、一番近くにいるお母さんがわが子の可能性を信じて、勇気をもって1歩を踏み出してみてください。その1歩が、思いがけず良い結果につながることがあるからです。
 
 
新学年になって、ストレスや環境の変化に耐えながら頑張っている子どもたち。そして、そんなわが子に寄りそって誰よりも心配しているママ達に、ぜひ明るい未来を知ってほしいと思います。
 
 
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日々、たくさんのストレスを感じながら頑張っている子どもたちにとって、ママの存在がさらに心安らぎ、安心できる居場所になりますように。
 
 
(※注)「障害者基本法」第二条より

 一 障害者 身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であつて、障害及び社会的障壁により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にあるものをいう。

 二 社会的障壁 障害がある者にとつて日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。

※WHOの「社会的障壁」の定義:「その人が生きる社会の特徴」

 
 
  
 
 
執筆者:三浦知花
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
 
 
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