勉強しない中学生は発達障害グレーゾーンの特徴があるために勉強ができないかもしれません。勉強が苦手な子の壁となるのが定期テスト。うまく乗り切るためには親のサポートが重要になります。今回は元塾講師が勉強のサポート方法をお伝えします!
【目次】
1.中学生になって勉強につまづきだす子の特徴
2.発達障害・グレーゾーンの中学生がテスト勉強しないのはなぜ?
3.定期テスト準備で一番大切なこと
4.元・塾講師が教える!定期テストを乗り切る勉強サポート方法
◆STEP1:テスト範囲は一通り復習。提出物を確実に仕上げる計画
◆STEP2:子どもの得意と苦手を考慮した計画
◆STEP3:やることが瞬時にわかる計画
1.中学生になって勉強につまづきだす子の特徴
小学生まではうまくやれていたお子さんも中学生になると、学校生活や勉強につまづいてしまう子がいます。
中学校の勉強をうまく乗り切るためには、1人で段取りよく進めるようになるまでお母さんがサポートしてあげることがポイントです!
今まで気づくことがなかったけれど、もしかしたら発達障害・グレーゾーンの特性が影響しているかもしれません。
例えば…
・お母さんが何度声をかけても、勉強するそぶりすら見せない。
・勉強するかと思ったら、カバンの中をごそごそして教科書やノートが出てこない。
・教科書を開いても、ぼーっと眺めている。
・やっと勉強が始まったか!と思った瞬間に、別のことを始めている。

このように、勉強へのやる気のなさ、準備や段取りの遅さ、集中力のなさ、勉強時間の短さに焦りや不安、お子さんへの怒りを感じていらっしゃる方はとても多いと思います。
しかし、発達障害・グレーゾーンの特性が影響している場合、とにかく「勉強しなさい!」と声をかけ続けているだけでは、お子さんは勉強をすることはありません。
なぜならば、発達障害・グレーゾーンの可能性があるお子さんが中学校の定期テストを乗り切るためには「テクニック」が必要になるからです!
お子さんが勉強できない理由や勉強できるようになる親のサポートの仕方を解説していきます。
2.発達障害・グレーゾーンの中学生がテスト勉強しないのはなぜ?
「勉強しなさい!」と声をかけても勉強しないのは、お子さんが中学校の定期テストの準備の仕方が分からないことや発達障害の特性が原因になります。
中学校以降の定期テストは小学校のテストとは大きな違いがあります。
・中間テストは5教科、期末テストは9教科まとめて実施される。
・勉強する範囲が広い。
・定期テスト前は部活がお休みになる。
・テストだけでなく、教科によっては提出物がある。
このように大きな違いがあるにもかかわらず、どんな風に準備していくかを教えてもらった方は少ないはず。
正しいやり方を教えてもらっていないのに、「こんな感じかな」と自分で想像して進めていくのって、発達障害・グレーゾーンの子にはかなり難しいのです。
また、この「定期テスト」の特徴が、発達障害・グレーゾーンのお子さんにことごとくマッチしないことも原因です。
先を見通したり、段取りを立てたりするのが苦手なので、勉強範囲が広ければ広いほど、何から手を付けていいか分からない。
勉強しなければいけないと分かっているけれど、衝動的に好きなもの・気になるものに飛びついてしまう。
「今やりたいこと」につられてしまうので、部活が休みになっても勉強できない。むしろ部活が休みになるから好きなことに集中したくなる。
不注意が強い子は、テスト範囲のプリントを隅々まで読みきれず、提出物の指定に気づけない。

だから、ただ「勉強しなさい!」と声をかけ続けても、勉強しないんです。
だって、何から勉強したらいいか分かんないんだもん。
だって、せっかく部活が休みなんだからゲームしたいもん。
そもそも、テスト範囲がどこか忘れちゃったし。
お子さんのこんな声が聞こえてきそうですよね。
では、どのように対応したらいいのでしょうか?
3.定期テスト準備で一番大切なこと
私が塾講師時代に出会った中高生の中で、ごくわずかですが、「勉強しなさい」で勉強できる子がいました。
彼らに共通するのは、「段取り」をする力を持っていることでした。
具体的には、
・定期テスト範囲や自分の苦手分野に合わせた授業をリクエストしてくる。
・部活が休みの期間は授業を増やしたり、自習室を予約したりする。
・塾の宿題をテストの提出物に替えてもらい、確実に仕上げられるように塾を利用する。
・テスト範囲が網羅できるように、必ず計画を立てている
・自分の苦手な教科・得意な教科を踏まえた計画になっている
などです。
始めは成績が同じぐらいでも、このように段取りを作って進めていける子は、後から必ず成績が伸びました。

テスト勉強の範囲が広いから、とにかくやみくもに勉強時間を増やすことが得策ではありません。
テスト勉強を始める前に、こういった段取りをしておけるかどうかで勉強のはかどり方が全く違ってくるのです!
このことに気づいてから、テスト発表があったら生徒に必ず計画を見せてもらうようにしました。
しかし、「これは1日でとん挫しそうだ…」と思ってしまう計画が山のようにありました。
中学生の段階で、自分の得意・不得意、生活リズム、本当に勉強できる妥当な時間などを考慮しながら、短時間で計画を立てることはかなり難しいと言っても過言ではありません。
もちろん、まずは自分で計画を立ててみることは、「先を見通す力」の発達にとても役立ちます。
でも、立てた計画をだれもチェックしないのは絶対にNG!ほぼ確実に計画が無駄に終わってしまうので、勉強は進まないし、自信はなくなるし…といいことは一つもありません。
そこで、お母さんの出番です!
計画を立てるときのポイントを知って、お子さんをサポートしてあげましょう。
4.元・塾講師が教える!定期テストを乗り切る勉強サポート方法
中学生になったからといって、お子さん1人に任せてしまわず、1人で段取りよく進めるようになるまでお母さんは伴走しながらサポートしていきましょう!
今回は短い期間で複数の科目を勉強しなければならない定期テストの計画を3つのステップでお伝えします。
◆STEP1:テスト範囲は一通り復習。提出物を確実に仕上げる計画
まず、当たり前のようで意外と抜けてしまうのが、テスト範囲や提出物をチェックし、範囲を一通りは復習できるように計画を立てること。
テスト範囲も、提出物も、見落とさないようにすることです。

実は、中学生でもこの段階でつまづく子がとても多いのが現実です。不注意からか、スマホの拾い読みに慣れているからか、テスト範囲のプリントの見落としが多いんですね。
お母さんがチェックする際は、お子さんが立てた計画と配布されているプリントをしっかり見比べて、漏れがないか見てあげてくださいね。
◆STEP2:子どもの得意と苦手を考慮した計画
STEP1で作った計画をお子さんの得意・不得意を考慮した、オンリーワンの計画にブラッシュアップさせます。
よくあるのが、不得意科目の点数をあげたいからといって、時間を多く取りすぎてしまうこと。これは、計画がとん挫する原因になりやすいんです。
発達障害・グレーゾーンのお子さんは、苦手なものになかなか取り組めません。
また、取り組んだとしても、苦手なことは、集中力ややる気を欠いてしまいます。時間がかかりやすいので、勉強全体がなかなか進まなくなってしまうんです。
苦手をフォローしたいお気持ちは分かるのですが、時間を割いても結果につながりにくいのが苦手教科です。

そのため、時間のかけすぎには要注意です!
まずは、勉強全体が進むように、毎日得意科目からスタート!
苦手な科目と得意な科目を交互に取り組んで、気分転換できるようにしておくのもおすすめです。
苦手な科目は、ひとまず提出物を完璧にしておこう、ぐらいの気持ちでいてください。
◆STEP3:やることが瞬時にわかる計画
計画をたてる際にはどの科目の、どこを、何を使って勉強するのかまでしっかり計画しておきましょう。これで「なにやろっかな~」と考える時間をカットできます。
〇月〇日 英語:教科書 Lesson4とLesson5
ワーク 10~15ページ
①提出物を仕上げる
②単語を覚える
③教科書を訳す
ワーク 10~15ページ
①提出物を仕上げる
②単語を覚える
③教科書を訳す
このように、計画といってもただ勉強する科目を決めるだけではなく、教科書やワークのページや具体的に勉強する内容を計画して、計画表を見れば、すぐに勉強が始められるようにしておくことが重要です。
この作業をおすすめするもう一つのメリットは、STEP1のテスト範囲が確実に網羅できているかのチェックができることです。
あれ?時間が足りなーい!となったらどうしたらいいか?
まずすべての教科の提出物を確実にクリアし、得点が取れる得意科目に時間を割きましょう。そして、次回からはテスト勉強をもう1週間前倒しで始めることを検討してください。
テスト範囲が発表されていない時期から勉強をスタートすることになりますが、その辺りは問題なし!
前回のテスト範囲の次のところからが次回のテスト範囲です。
ですので、テスト範囲が書かれたプリントは保管しておくのがオススメ!万が一なくしてしまったときも、担任の先生にお願いすれば教えてもらえるはずです。
習ってから時間がたっている単元は、忘れている可能性が高いです。部活動が休みになる前から、この単元の復習を始めることはとても意義があることだと思います。

部活が忙しくても、スキマ時間を使って英語の単語や国語の漢字、数学の公式をピックアップすることはできるはずです!
こうして、ただ今回のテストの計画を立てるだけではなく、次回に必ず生かすことで、お子さんのオリジナル計画がどんどんブラッシュアップされていきますよ!
そして、
テストでうまくいった!
テスト勉強頑張れた!
という成功体験を作ってあげることも大切です。
「頑張ったらうまくいった」という経験は、自分に期待することに繋がり、どんどん前に進むことができるんです。
「勉強、頑張ってるね!」
「今○○やってるんだね!」
「もうこんなところまで進んだんだね!」
と励ましたり、褒めたりしながら子どもが少しでも気持ちよく、勉強が進められるようにサポートしていきましょうね!
「勉強しなさい!」で勉強できないなら、まずはテスト勉強できるように段取りを整えてあげることで、だんだん一人でも勉強できるようになっていきますよ。
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♡小冊子のご感想
癇癪や暴力を起こす息子に、「なんでそんなことするの」と思っていましたが、原因がわかったことで、子どもを見る目が変わりました。これからは冷静に対応できそうです。
\子どもが素直になる朝の声かけ35つき/
癇癪・暴力がスッとおさまる!
脳科学に基づく接し方
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執筆者:丸山香緒里
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
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