今年は例年より夏休みが短いという学校も多いのではないでしょうか。宿題も少なくなっているかもしれませんが、それでも子どもにとっては悩みのたね。とくに発達障害で不安の強い不器用なお子さん程、焦らせるのは禁物ですよ。 |
【目次】
1.夏休みが短いからこそ要注意
2.発達障害で不安の強い子に「あおり言葉」は禁物!
3.不器用さんに効果的な声掛け2選
①「今からやるんだね」と始めるときに声掛け
②カウントダウンでなく、カウントアップで
1.夏休みが短いからこそ要注意
今年はコロナの影響で、夏休みが短くなる学校も多いようですね。
休みが短くなった分、宿題も減っているといいのですが、減っていたとしても子どもたちへの負担は相当なものです。
6月頃から突然始まった学校、慣れない生活様式への戸惑いや、勉強面でも理解できていないままどんどん進んでしまっている。
新しい環境に慣れるのが人一倍時間がかかる発達障害の子にとっては、特にストレスをためてしまいやすい状況です。
そんな状況だと、たとえ宿題が減っていても、子どもの心理的負担は増えるのです。
ところが親の気持ちは「宿題を期限内にやらせなきゃ」と、むしろ今までより短い夏休みに焦ってしまいやすいです。
この親子の相反する状況、こじらせると夏休み明けの登校しぶりにもつながりかねないので要注意です!
では、どんな関わり方をしていけばよいのでしょうか?
2.発達障害で不安の強い子に「あおり言葉」は禁物!
わが子は発達障害で不安の強い完璧主義な子です。おまけに不器用。じっくり取り組めば、丁寧にできるのですが、一旦焦るとパニックに。
こういう子には、時間がないと感じさせる「あおり言葉」は禁物です!
不安の強い子は、「終われるかな」という心配が先立ち、そもそも「始めること」にもハードルが上がりやすいのです。
わが子の場合ですが、計算プリントなどは、1問何秒くらいで解けそうと大体の目安がわかっているので、難なくやり始め、さっさと終えてしまいます。
ところが、図工や家庭科など、普段あまりやらないものや時間がかかるものだと、時間がどれくらいかかるか見通しが立たず、始めるのも怖いのです。
そんな子たちでも取り組みやすいお母さんの声掛け術があるんですよ。
3.不器用さんに効果的な声掛け2選
発達障害で不器用な子どもが焦らずに宿題に向かえるサポートの仕方があります。
お母さんの声掛けを少し変えるだけで、子どもの気持ちが楽になり、落ち着いて取り組めるんですよ。
その方法を2つご紹介します。
♦①「今からやるんだね」と始めるときに声掛け
でき上がったときに「上手にできたね」と声をかけるお母さんは多いと思います。
それももちろんいいですが、発達障害の子どもたちにとって一番勇気がいる段階は「始めるとき」。
そのときに「今からやるんだね」「用意したんだね」と取りかかろうという気持ちになったことを言葉で伝えることで、お母さんが見てくれている安心感から動き出せるようになりますよ。
♦②カウントダウンでなく、カウントアップで
不器用な上に焦って気持ちが空回りすると、今、何をやるべきかがわからなくなってしまったり、手元がおぼつかず、作品がぐちゃぐちゃになってやり直すことになってしまったり。
こういうケースは、ドーンと自己肯定感が下がりやすいので、できるだけこの状況は避けたいですね。
そこで不安の強い不器用な子ほど、「カウントダウン」でなく「カウントアップ」方式を取り入れましょう。
「あと5分しかないよ」ではなく「ここまでたったの10分でできたね。あと5分もあるよ」と。
できれば、手順を書き記したものも見せて「今ここまでできたね」と見える化しておくと、より安心できるでしょう。
このコロナ禍、発達障害の子どもたちは本当に毎日神経をとがらせて過ごしています。
ぜひおうちでゆったり過ごす方法を取り入れてみてくださいね。
夏休みの宿題サポートのヒントはこちらでも紹介しています。
執筆者:青島明日香
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)