発達障害の子どもたちは「見る力」に苦手があることが多いのが特徴です。苦手なまま小学校に入学すると、勉強でつまずいて学校嫌いになってしまうかもしれません。そうならないために「見る力」を鍛えるゲーム感覚のお家トレーニングをしてみませんか? |
【目次】
1.発達障害の子どもが小学校で勉強につまずきやすい2つの原因とは?
発達障害の子どもたちは小学校に入学してから、だんだんと勉強でつまずくことが増えていきます。
・先生の指示がわからない
・読むのが苦手で授業についていけない
・ノートが上手く書けない
といった苦手は1年生から勉強につまずきやすく、学校嫌いの原因になります。
実は、小学生になると幼稚園や保育園と違って口頭の指示が多くなります。
発達障害の子どもたちは聞いた情報を理解するのが苦手なことが多いと言われています。
もしかしたら、口頭の指示は理解が難しいこともあるかもしれません。
そして、授業では黒板をノートに写すことが少しずつ増えていきます。
そのため板書が苦手だと勉強についていくのが大変になってしまうんです。
小学生になったばかりの頃は、ノートを書くのに時間がかかっても先生が待っていてくれるかもしれません。
しかし、だんだんクラスの友達は書くことに慣れてノートを書くのも速くなっていきます。
もしもお子さんが一人だけノートを書き終わっていないまま、どんどん授業が先に進んでいってしまったら?
やる気があったとしても授業のスピードについていけなくなってしまいます。
だからこそ、
・先生の指示を聞いて理解できるか?
・授業内容の板書ができるか?
この2つが勉強につまずかないために重要なポイントになるんです!
2.実はスポーツの苦手にも「見る力」が関係していました!
発達障害の子どもたちが板書を苦手とする理由の一つに「見る力の苦手さ」があります。
例えば、パッと見てピントを合わせることが難しいことも板書の苦手につながっているんです。
勉強に必要な「見る力」には
・両目でピントを合わせる
・動くものを目で追う
・目標にパッと目をうつす
・寄り目ができる
など、色々な働きがあります。
この時に必要な眼球の動きは「眼筋」という筋肉でコントロールされています。
この筋肉は左右に6本ずつあって、上下・左右・斜めに目を動かす働きをしています。
現代はスマホなどを使うことが多いので、目を動かす範囲が狭くなりがち!
そのため、最近のお子さんは視野が狭いと言われているんです。
見る力のトレーニングは発達障害かどうかに関係なく、多くの子どもたちに必要がありそうですね。
ちなみに、私は運動がものすごく苦手です。
スポーツは全て苦手でしたが、特に球技は全くできませんでした。
飛んできたボールはキャッチできないし、ラケットを使う競技はボールに全く当たらないレベルの苦手さです。
こういった球技の苦手にも「目を動かす力」の苦手さが関係しているケースも多いんです。
目を動かす力が弱いと、物を見る時に顔全体を動かして見ようとします。
しかし、それだとスピードの早いボールを目で追うことはできませんよね。
それでボールを見失ってしまうので上手くキャッチすることができないんです。
目の動きの苦手さは勉強だけでなく、スポーツにも関係があるんですね。
3.ゲーム感覚で楽しく「見る力」を伸ばせるトレーニング
そんな「目を動かす力」ですが、改善するための代表的なトレーニングが「ビジョントレーニング」です。
ビジョントレーニングは眼筋を鍛えることで見る力を向上させるトレーニングです。
運動機能の向上も期待できるので、スポーツ選手で取り入れている人も多いそうです。
今回はその中から、ゲーム感覚で取り組める「ナンバータッチ」をご紹介しますね!
ナンバータッチは、バラバラに並んでいる1から20までの数字を1から順番にタッチしていくトレーニングです。
①まず、数字が書いてあるマグネットシート(なければ紙に書いて代用可)を用意します。
②ホワイトボードや冷蔵庫にマグネットをランダムに貼っておきます。
③両手を使って、数字の1から順番に指でタッチしていきます。
この時のポイントは、顔を動かさずに目を動かすのを意識すること!
そして、トレーニングの効果を確認するために毎回ストップウォッチで記録をとっておきましょう。
ただ、発達障害の特性で時間を測るのがプレッシャーになてしまう子もいるかもしれません。
その場合は無理に時間を測ったりせず、楽しく取り組むことを優先してくださいね!
では、ナンバータッチにはどんな効果があるのでしょうか?
まず、視線を素早く正確に動かす「眼球運動のスピードと正確性」が向上します。
これは板書をする時に、黒板とノートを見比べるのに役立ちます。
さらに、見た物に対して的確に身体を動かす「手と目の協応動作」の向上も期待できます。
これは球技で、体を動かしながら周囲の状況やボールの動きを把握する時に役立ちます。
もちろん効果には個人差がありますし、すぐに効果が出るわけではありません。
しかし、毎日続けることで目の筋肉を鍛えることができます!
トレーニングを楽しく続けるために、慣れてきたら
・数字の順番を逆(20→1)にする
・数字を30まで増やしてみる
・片目をつぶってタッチする
などゲーム感覚で取り組むのもおすすめです。
勉強嫌いにならないために必要な「見る力」のトレーニング、ぜひ試してみてくださいね!
お子さんを勉強嫌いにしない対応を多数お伝えしています!
執筆者:三浦知花
(発達0科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達0科学コミュニケーションリサーチャー)