状況説明が苦手な発達障害・アスペルガータイプの子が体調不良になった時、自分でどこが具合の悪いところのなのか表現できずに癇癪などにつながってしまうことがあります。だからこそ言葉を伸ばすことはとても大切!今回は普段からできる会話力UPの秘訣をお伝えします。 |
【目次】
1.発達障害・アスペルガーの子が体調を崩した時に起こりやすいミスコミュニケーション
2.体調の変化を話せず癇癪を起こすだけだった息子の話
3.普段から取り入れられる会話力UPのための2つの秘訣
◆落ち着く環境作り
◆「キャッチボール」を増やす会話
1.発達障害・アスペルガーの子が体調を崩した時に起こりやすいミスコミュニケーション
今年は胃腸炎が非常に流行していますね。 冬はインフルエンザなど子どもの体調も崩れやすい季節。
お子さんは体調が悪い時に「お腹が痛い」などきちんと言葉で表現できていますか?
発達障害・アスペルガー傾向のある子どもは自分の感情や状態を言葉で表現するのが苦手です。
体調不良の時は、普段感じない体の違和感をどう表現していいかわからず、いつも以上にぐずりがち。
中には感覚が鈍く、自分の体調不良に気付きにくい子がいます。
このタイプのお子さんは「なんとなくだるい」という不快感が蓄積されたのちに癇癪として爆発させてしまう場合もあるんです。
ただでさえネガティブな記憶が残りやすいという特性をもつ発達障害の子どもたちにとって、過去に感じたことはあるけれど、よくわからない痛みや不快はかなりのストレスにもなっているんですね。
熱があったり、咳が出ていたりと見た目で体調不良と判断できればこそ大人も対処のしようがありますが、腹痛や頭痛など見た目ではわからない時はこちらも判断に迷ってしまいますよね。
ただの癇癪だと思っていたら体調が急変した…
こんなミスコミュニケーションを起こさないためにも、子どもたちの自己表現力をつけさせていくことはいざという時にとても重要なんです。
2.体調の変化を話せず癇癪を起こすだけだった息子の話
我が家にはアスペルガー傾向のある年中男児がいます。
コミュニケーションが得意ではなく会話は一方的。
自分の好きなことを話すことは得意ですが、感情など自分のことを表現するのはあまり得意ではありませんでした。
そのためイライラしたりモヤモヤした感情を癇癪という形でぶつける子でした。
小さい頃は急に高熱を出すなど体調を崩すことが多かったのですが、「〇〇が痛い」という表現ができない。
そのためなんだかいつも以上にトラブルを起こしていると思ったら中耳炎になっていた、ということも何度もあります。
当時私はフルタイムで仕事に出ていたため、多少ぐずっているくらいでは保育園を休ませることはありませんでした。
でも会社についたと思ったら
「〇〇君、急に熱が出たのでお迎えに来ていただけますか?」
と保育園から連絡が入り、滞在時間10分でとんぼ返りしたなんてことも多々ありました。
もしあの時ぐずついているのは体調不良の前兆だと気付いていたら、親子でもっと楽な方法を選択できたんだろうなと思っています。
3.普段から取り入れられる会話力UPのための2つの秘訣
そんなミスコミュニケーションを繰り返した我が家ですが、息子は今では会話のキャッチボールがとても上達しています。
体調を崩しても
「頭がちょっと痛い」
「お腹がすごく気持ち悪い」
などと詳細に状態を伝えてくれるようになったため、 早めからこちらも対処できるようになりました。
これができるようになったのには2つのポイントがあります。
◆落ち着く環境作り
発達障害・アスペルガータイプのお子さんは目からの情報刺激に敏感なため、目の前に視覚情報が沢山あると落ち着かなくなってしまいます。
そのため、我が家では「〇〇を▲▲する場所」と一画一画を明確にわけるようにしました。
例えば、小さいお子さんの場合、リビングがおもちゃスペースと一緒になっているご家庭が多いですよね。
れでは子どもが遊ぶ場所なのか、テレビを見る場所なのか、家族がくつろぐ場所なのか 子どもからすると曖昧な状態になってしまっている場合があります。
そこでラグを活用し、ここは子どもの空間だよ。というのをわかりやすく工夫しています。
そうすることで、おもちゃが広がり過ぎるのも防げますし、子どもも落ち着いた行動ができるようになるのです。
◆「キャッチボール」を増やす会話
体調を口で説明できるようになるためには、普段からの会話がスムーズになることもベースとして必要です。
そのためには日ごろから会話のキャッチボールの回数を増やすことが重要です。
どうしても一方的になりがちなアスペルガー傾向の子どもの会話は、感情よりも状況説明する時間の方が多いです。
ここに感情を聞く習慣を作ることで 本人が、自分はこの好きなことを通してどう思っているのか、どうしたいのか考えるようになっていきます。
子「お母さん、このロボット見て。僕が作ったよ!ここが顔でここが羽でここが武器で…」
私「わぁ!かっこいいね!このロボットのどこが好きなの?」
子「この武器がね。ゴー!って火を出すんだ!」
私「ゴー!って火を出すんだ!強そう!なんていう技なの?」
子「〇〇〇っていうの!」
私「そうなんだ!その技はいつ出すの?」
と言う風に、何が、いつ、どこで、誰と、なぜ…と詳細を投げかけることで、本人のその時の思考をアウトプットさせていきます。
これを継続することで、本人が思考を整理するようになり、どんどん自己表現力がついてくるんです。
いかがでしたでしょうか。
我が家は「落ち着く環境作り」と「キャッチボール」を増やす会話を取り入れたことで、息子の会話力が一気に伸び自分の感情を言葉にできるようになっていきました。
ぜひお子さんが体調不良でもきちんと説明できるよう、普段からちょっとずつ工夫していってみてくださいね。
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執筆者:仲田なぎさ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
(発達科学コミュニケーショントレーナー)