発達障害・グレーゾーンの子どもの脳には、ネガティブなことを記憶しやすい特性があります。楽しいコミュニケーションで、ポジティブなことを優先的に記憶できる脳に育てましょう!お母さんと子どもが一緒に楽しく遊んで、うれしくなるような言葉がけを! |
【目次】
1.発達障害&グレーゾーンの子どもの脳は、ネガティブな記憶が残りやすい?!
以前、あるお子さんから「今まで怖いことや不安なこと、嫌なことばっかり記憶に残っていて、楽しいことの記憶が少ないから今こんなに楽しいことも後になったら忘れちゃうのかな?」と質問されたことがあります。
以前から何度かお話ししているように、発達障害やグレーゾーンのお子さんたちはポジティブな記憶よりもネガティブな記憶を貯めこみやすいのです。
それはなぜか?というと、発達凸凹タイプの子たちは、脳の扁桃体(へんとうたい)という場所がちょっぴり特殊な発達をしているからです。そうすると、不安や恐怖、不快な刺激に敏感になりやすいのです。
私たち人間も動物ですが、もともと扁桃体という場所は動物にとって危険から身を守るための器官でした。
・ここには敵がいる
・この植物は食べちゃダメ
・この天候は危ない
などなど、自分の身に起こった危険をよ〜ぉく覚えておいて、二度と同じ危険に遭わないように記憶するための働きを持っています。
もちろん、人間にもそのような働きはありますが、人は危険だけに敏感というわけではありません。快刺激や幸福感などのポジティブな経験を記憶に残す脳の働きがより増強されています。
つまり、扁桃体の発達が進めば進むほど、幸福感を感じて幸福感を記憶するという脳の働きが活発になると私は考えています。
だから、「人は年をとると丸くなる」とよく言いますよね。これは、脳が発達したからなのです!
扁桃体の発達は時間をかけてゆっくり進むので、晩年になって「ようやく丸くなったな〜」 と感じさせる男性も多いですよね。
私の経験上、やっぱり扁桃体の発達は女子より男子の方がゆっくりめ。おしゃまな女子と、鈍感な男子。これも扁桃体の発達の差だろうと思っています。
何が言いたいかというと、発達障害やグレーゾーンの子どもたちも、今はネガティブな記憶が多くても、 ゆっくりですが扁桃体の発達が進むとポジティブな感情を記憶できるように成長していくことができます。
そのために何をすればいいのでしょうか?
2.子どもに体験させてあげたいこと~幸福感を記憶できる脳にしよう!!~
ポジティブな経験を多くすればポジティブを感じやすい脳になり、
ネガティブな経験を多くすればネガティブを感じやすい脳になる。
ただでさえ身を守るためにネガティブに敏感な脳を持っている子に日々辛い言葉を投げかけていると、よりネガティブに敏感な脳ができあがっていってしまうのです。
そうやってネガティブなコミュニケーションで脳を作り込んでしまった結果、二次障害のような状態になると私は考えています。
ある意味ではとってもシンプルなのですが、ポジティブなコミュニケーションをいかに子どもが経験しているか?が鍵になります!
お休みの日など、時間がたっぷりあるときに、一緒に遊ぶとか楽しい会話をするとか、そういうことで脳が少しずつですが変わっていきます。
冒頭に質問してくださったお子さんも、これから脳が伸びていくと楽しいことを優先的に記憶できる脳に絶対になっていけます!
脳のことを知って対応するのと知らずに対応するのとでは、スピード感が全然違います。
今まで何年間も苦労してきたことが、発達科学コミュニケーションを実行してたった1〜3ヶ月で解消していくのは、脳のことを分かった上でのアドバイスだから。
今の辛い現状から子どもを抜け出させてあげましょう!それだけではなくて、子どもに隠された素質や才能をもっと伸ばす接し方にシフトチェンジしてください!
執筆者:吉野加容子
(発達科学コミュニケーショントレーナー 学術博士,臨床発達心理士)
(発達科学コミュニケーショントレーナー 学術博士,臨床発達心理士)
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