発達検査の事前準備シリーズ<その1>ーー心理検査を受ける前に医師に確認したいポイントーー

子どもの発達が心配なとき、発達が順調かどうかを見極めるために受ける心理検査。実際に検査を受ける前に必要な準備を、「発達検査の事前準備シリーズ」としてお届け。シリーズ3部構成、その1。全てお読みになって、万全の体制で検査を受けてください!
 

【目次】

 

1.発達障害の心理検査や診断は、なんのために受けるの?

 
 
「子どもの発達が、順調に進んでいるかどうか?」これって、結構難しい問いですよね。
 
 
よくお見かけするのは、子どもとずっと一緒に接しているお母さんは「もしかしたら発達が遅いんじゃないか?」と疑っている。
 
 
でも、多くのお父さんは…というと、「夫は『大丈夫だよ、問題ないよ、俺も小さいときはこうだったよ』って言い張るんです〜!」と、お母さんがおっしゃいます。
 
 
お父さんとお母さんで、既に意見が食い違うくらい、発達の見極めは難しいんです。
 
 
次に多いのは、幼稚園・保育園の先生発達の遅れを疑っているけれども、保護者の方がそれを否定している場合。
 
 
子どものどんな姿を、どのくらいの頻度で見ているのかによって、発達の見立ては異なってくる場合があるんですね。発達の知識が少ない場合には、余計に主観が入ります。
 
 
そこで、心理検査などによって、数字で発達を見立てよう!という方法を用いることになります。そう!発達の心理検査です。
 
 
今回から4回に分けて発達検査について詳しくお伝えしていきますね。
 
 
 
 

2.発達の心理検査はどこで受けるの?

 
 
心理検査は、主に3つの場所で受けられます。
 
 

◆①病院

 
 
発達を専門に取り扱っている小児科は、小児神経科児童精神科など。耳慣れない名前なので、科の名前を工夫しているクリニックも今は多いです。
 
 
しかし、一般の小児科でも「発達障害」の標榜があれば、医師がきちんと発達を勉強している印になります。
 
 
そういった発達障害を専門にしている病院であれば、医師だけでなく、臨床心理士や言語聴覚士、作業療法士など、子どもの発達を支援できる専門職がいますから、そういった人たちが心理検査を行います。
 
 

◆②教育センターなど

 
 
園や学校で発達の遅れが指摘されたとき、心理検査を受ける場所を紹介してくれる場合があります。
 
 
「○○に行ってみますか?」と言われて地域の教育センターに行かれる方も多いと思います。
 
 
そこにも発達の相談を受けられる医師や心理士がいて、心理検査を受けることができます。検査結果によっては、教育を受ける場について助言を受けることがあるかもしれません。
 
 
また学校内にスクールカウンセラーや、心理士資格を持った教員がいる場合、学校内で検査を受けられる場合があります。
 
 
 
 

◆③開業している心理士

 
 
今は、発達専門の病院が数ヶ月〜数年の予約待ちのところも増えてきました。でも数年待っている間に、子どもはどんどん大きくなってしまいます。
 
 
そういうときに、個人で開業している心理士がお近くにいれば、検査を受けられる場合もあります。こういうところは医療機関ではありませんから、発達障害の診断や、投薬を受けることはきません。
 
 
心理検査の結果を参考にして、子どもの発達支援やカウンセリングなどを目的に開業している所のようです。
 
 
まとめると、
 
 
・診断と投薬が必要な場合は病院
 
・学校での指導のやり方を探る場合は教育センター
 
・個別の発達支援やカウンセリングを求める場合は開業心理士
 
 
というふうに考えると良いでしょう。
 
 
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3.発達の検査と結果の悲しい現状

 
 
意外と多いのは、「病院で心理検査を受けたんですが、結果を知らされていません」というケース。
 
 
「では、その後は何かフォローが続いていますか?」と聞くと、
数ヶ月に1回外来へ行って、10分くらい医師とお話します」…。
 
 
最初は、アゴが外れるかと思いましたが、意外とこういうケースが多いので、最近は私のアゴも外れずにくっついています。
 
 
 
 
医療側の人間としてこの状況を推測するに、おそらく
 
 
・心理検査の結果、IQも平均内か平均よりも少し下くらい
 
・良すぎることも悪すぎることもなかった
 
・だから、心理検査を根拠に診断をすることもできない
 
 
「予約はいっぱいだ。」→「この子はグレーゾーンかな?」→「じゃあ経過観察しよう。」
 
 
数ヶ月に1回、10分の経過観察をして、子どもが急に発達し始めるなんてことはありません!つまりその経過観察、無意味です!
 
 
心理検査は、実施することよりも、結果を読み取って今必要なアドバイスをすることの方が難しいんです。適切なアドバイスができる人が、その病院にはいないのかもしれません。
 
 
ですから、心理検査を「取りっぱなし」にする機関が多いような気がしています。
 
 
「取りっぱなしで終わる」ことを防ぐために、心理検査を受ける前に、確認してほしいポイントがあります。
 
 
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4.心理検査を受ける前に確認したいポイント

 
 
今、発達業界では、心理検査は3種の神器になっています。
 
 
実際に、発達は目で見てすべてがわかる訳ではないので、確かにすごく有効なツールです。でも、それをどうやって生かすのか?そのスタンスを確認しなければ、受ける意味が半減してしまいます。
 
 
ポイントその1 「検査を受けた後、指導が受けられますか?」
 
今はどこの機関も予約でいっぱいです。ですから、困りごとがより大きいお子さんや、絶対に休まずに通ってこられるご家庭が優先される場合もあります。
 
 
何度も言いますが、発達を進ませる薬は今はないんです。
 
 
だから、適切に教育することが、発達を進ませる唯一の方法です。
 
 
そして、その介入が早ければ早いほど、成果が現れやすくなります。グレーゾーンのお子さんならなおさらです。
 
 
先延ばしにして放置するほど、問題が大きくなって後々に残ってしまいます。ですから、その後の指導もしっかりお願いした方が子どものためです。
 
 
しかし本来、病院は教育機関ではないのですね。ここで一種のねじれが生じてしまっているワケです。
 
 
ですので、発達支援を重視する病院かどうかで、検査の後が違ってきます。
 
 
検査は、治療の第一歩ですが、検査だけで症状がよくなる訳ではありませんよね。検査結果を活かせる人がいて初めて、検査が生きてくる訳です。
 
 
もし「検査のあとは、専門的な指導が受けられますか?」と聞いたときに、「うちでは発達支援は今は受けてないんですよ」という答えなら、その検査は診断に役立てるためなんだ、と理解してください。
 
 
もちろん、そういう検査の使い方もあるので、それが悪い訳ではありません。
 
 
そうでなければ、もうひと押ししてください。
 
 
「ぜひ指導を受けたいんですが!」
 
 
実は、発達障害の指導を受け始めたはいいけれど、成果が現れる前にすぐにやめてしまうご家庭も多いんです。
 
 
発達支援は1日にして成らず!基本的には即効性を求めて受けるものではありません。
 
 
ですから施設側としては、真面目に通い続けられる方優先的にプログラムに入れてあげたい、という気持ちが芽生えることもあります。
 
 
あるいは、特に幼児期の場合には障害が重い子どものプログラムは用意されているけれど、軽度の子どもやグレーゾーンの子どもに合うプログラムが用意されていない施設もあります。
 
 
そういう説明が帰ってきた場合には、「家や学校でやれることを、結果と一緒に教えてください」と言ってみましょう。
 
 
そこでグズグズ言って明快なYesが帰って来ない施設は、残念ながら心理検査を実施できても結果を読めない可能性が高いです。
 
 
数字しかわからない。だから平均内の数値が出てきたときに、何をしていいのか分からない。診断には活かせるけど、指導には活かせない…。
 
 
どんな結果であろうと、「やることが見つからない」なんてことは本来ありません。ですから、あなたが今受けようとしている検査は、
 
 
・診断のためだけに使われようとしているのか
 
・診断と発達支援のために使われようとしているのか
 
 
どちらのスタンスなのかを見極めておくことが大事です。
 
 
 
 

5.まとめ

 
 
医師に確認したいポイントは
「検査を受けた後、指導が受けられますか?」
 
 
病院や教育センターに発達支援のプログラムがありそうなら、
「ぜひ指導を受けたいんですが!」とひと押し。
 
 
お子さんの発達レベルに合う支援プログラムがなさそうなら、
「家や学校でやれることを、結果と一緒に教えてください。」
 
 
心理検査の順番だって、待って待ってようやくゲットしたのかもしれません。検査結果もまともに聞かされずに
 
 
「ま〜、平均よりちょっと下ですけど、取り立てて低い訳でもないですよ」
 
 
なんていうヘッポコ回答をされないで済むように、ジャブを入れておく方法を「発達検査の事前準備シリーズ<その2>ーー発達障害の検査を受ける前にしておくべき医師への質問ーー」で解説しますね!
 
 
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執筆者:吉野加容子
(発達科学コミュニケーショントレーナー、学術博士、臨床発達心理士)
 
 
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