ADHD・自閉症キッズを叱らなくても行動できる!おうちでできる簡単な構造化の手法

 

ADHDや自閉症傾向の子どもが動かない、かんしゃくを起こす。そんな様子にママがなんとかしようと声を荒げてしまうこと、ありませんか?実はこの対応は逆効果!今回はママが言わなくても動ける子になる、おうちでできる簡単な構造化の手法をご紹介します。
 

【目次】

1.子どものかんしゃく、こだわりに振り回されていませんか?

 
 
出かける時間なのに、ゲームやおもちゃで遊んでいて動かない。
服を着替えて!って言ってるのに、いつまでもゴロゴロしている。
 
 
そして、ちょっと注意すると、無視する、すねる、ぐずぐず言い出す…。
 
 
毎日、こんな様子だと、ママもイライラが募ってしまいますよね。そのため、つい
 
 
「早くしなさい!」
「何やってんの、〇〇する時間でしょ!」
 
 
なんて大きな声をしてしまい、自己嫌悪になるママも多いのではないでしょうか。
 
 
 
 
ただ、そんな声かけでも子どもがサッと動いてくれればまだいいかもしれませんが、自閉症やADHDの特性をもつ子どもたちは一筋縄ではいきません。
 
 
彼らはルーティンやこだわりを大切にしていますから、自分のやりたいようにできないとなると、かんしゃくを起こして泣きわめいたり、ふてくされて動かない、なんてことがあるかもしれません。
 
 
ママだって、子どもを怒りたいわけじゃない。
 
 
けれども、ちゃんとさせようと注意してもうまくいかないことが続くと、子どもの困り事にどう対応するのが正解なのか分からなくなってしまいますね。
 
 
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2.ADHD・自閉症の子どもの困りごとは「見通す力」が弱いことが原因!?

 
 
子どもがすぐにかんしゃくを起こしたり、マイルールにこだわる、そして行動がすすまない!といった困りごと。実は、
 
 
いつするのか
どこでするのか
どうやるのか
その結果何が起こるのか
 
 
といったことが想像できない、見通しが立たないことが大きな原因の1つなんです。
 
 
ADHDや自閉症の特性をもつ子どもは、もともと先を見通す力が弱いので次に何が起こるのか、自分がどうなるのかを理解するのが苦手です。
 
 
ですから、必要以上に不安が強くなってしまうのです。さらに
 
 
今やっていることを切り替えられない
思うようにできないことに我慢ができない
 
 
こんな気持ちが高まり、自閉症傾向の強いお子さんであればパニックを起こしたり、行きしぶりや不登校など「行動しない」ことを選択してしまいます。
 
 
 
 
そしてADHD傾向の強いお子さんは、待てない我慢ができないなど「今」やらないと気が済まない、他者から見たら「ワガママ」のような行動が増えてしまいます。
 
 
どちらにしても、かんしゃくや強いこだわりなどの困りごとに発展してしまうのです。
 
 
では、どのように対応すると子どもの困りごとを軽減できるのでしょうか?  
 
 
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3.目で見て分かる?「構造化」って一体どんなもの?

 
 
わたしがおすすめしたい解決方法、それは「構造化」です!
 
 
構造化とは全体像を把握する、そして整理すること。
 
 
ビジネス用語でも使われていて、発達業界では重度の自閉症スペクトラム症の方に向けた自立支援理論として使われています。
 
 
もっと簡単にお伝えすると・・・「目で見てわかる5W1H」と言うと、少し想像ができるでしょうか?
 
 
いつ
誰が
どこで
何を
どのようにするのか
 
 
構造化とは、誰かに言われなくても分かるようになっている、ということです。
 
 
例えば、私たちの生活の中にある構造化の代表としては普段見慣れている「信号機」があげられます。
 
 
 
 
この信号機、「赤になったら人は止まる」ということは、皆さんがよくわかっている事実ですよね。
 
 
いつ:赤になる時
誰が:人が
どうする:止まる
 
 
こんな風に、信号の色が変わるだけで、誰かに指示されなくても目で見るだけで、どうするべきかやるべきことが判断できるようになっているのです。
 
 
では、この構造化の手法をママがおうちで使ってみると、子どもたちの行動はどう変わるでしょうか。  
 
 

4.ママが構造化を実践すると、自分から動ける子になるんです!

 
 
おうちで構造化を実践するには、ママがADHDや自閉症キッズが目で見て何をするか分かる、先が見通せる環境をつくってあげることが大切です。たとえば、
 
 
朝起きたら、着替える服を目の前に準備して掛けておく。
 
帰宅してリビングに行くまでの通り道に荷物置き場を準備しておく。
 
 
これだけでも、ママが怒って「〇〇しなさい!」なんて言い続けなくても、子どもはどうすればいいのかがわかりますよね。
 
 
朝起きたら、この服に着替えたらいいんだな。
帰ったらランドセルはここに置いたらいいんだな。
 
 
と、見ただけで分かるわけですから、ママが叱らなくても自然と行動しやすくなるのです!
 
 
そして、うまくできたことを肯定するような言葉かけをすることで、子どもは「こうすれば叱られない、褒められるんだ」という体験を積んでいけるのです。
 
 
 
 
いかがだったでしょう?
 
 
構造化は、視覚刺激を活用して、誰かが言わなくても本人が行動できることをサポートしてくれます。
 
 
そして、この構造化をおうちでも取り入れ、繰り返すことで、子どもの見通す力が育ってきます。
 
 
すると、これまで何度言っても動かなかった、今やらなきゃ気が済まなかった、そんな困りごとがなくなってきます。
 
 
2023年もいよいよ、あと少しで入学・進級シーズンがやってきます。
 
 
新しい環境が苦手なADHD・自閉症キッズにとっては、ドキドキしたり不安を感じやすい時期。
 
 
それまでに構造化で脳をしっかり育てて「見通す力」を伸ばし、ドキドキをワクワクに変えて笑顔で過ごす親子時間をぜひ作っていってくださいね。
 
 
 
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執筆者:仲田 なぎさ
(発達科学コミュニケーショントレーナー)
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