イヤイヤ勉強をしている子どもは、すぐに集中力が切れてしまいます。その姿を見ているお母さんもイライラ…。勉強を始めて5分。絶妙なタイミングでかけるお母さんの一言が、発達障害・グレーゾーンの子どものモチベーションを上げ、集中力をアップさせます! |
【目次】
1.発達障害・グレーゾーンの子どものモチベーションを引き出すためにできること
子どもが机に向かって勉強しているときや、遊んでいるとき。集中して取り組んで欲しいですよね。
でも、漢字練習に計算ドリルなど、単調なものほど集中するのは難しいもの。
そんなときに、大人の一声で子どもの集中力がグッと高まる方法があります。
子どものイヤイヤ勉強でよく挙がる、漢字練習、計算ドリル、音読、算数の文章題 暗記もの、などなど。
イマイチ集中力が上がらない勉強ってありますよね?
単調だったり、苦手だったり、面白くかったり、イヤイヤ勉強になる理由はたくさんあります。
かったるいな〜
面倒くさいな〜
遊びたいのにな〜
私たちもそうでした。
でも、集中していないからこそ時間がかかる!
これが子どもにとって辛い現実となって、
かったるい
↓
はかどらない
↓
なかなか終わらない
↓
かったるい
この負のスパイラルに陥ります。
なぜイヤイヤ勉強になるのか?ここがポイントです。
子どもは、大人には理解できないような意味不明なことでも真剣に遊びますよね。でも、自分のモチベーションに素直にまっすぐ行動します。
つまり、子どもが自分にとってのモチベーションを見つけさえすれば、勉強であろうが遊びであろうが子どもは集中して取り組みます。
逆に言えば、子どもが自分でモチベーションを見出せないときに、イヤイヤ勉強になり、投げやり勉強になるのです。
あなたは、漢字練習に目標を持って取り組んでいましたか?
計算ドリルに自分なりのモチベーションを持って取り組んでいましたか?
私は恥ずかしながら完全に「作業」でした。
でも、好きな先生の教科なら、頑張っていた気がします。先生が面白いだけで、本当は嫌いな教科でもやる気になるのですね。
子どもは、自分で内なる目標やモチベーションを見つけ出すのがまだ得意ではありません。
だから、子どもの頃は、ご褒美を設定したり、褒められたりして外側からやる気を引き出すことが必要になります。
やる気が出れば、子どもは集中します。
つまり、子どもを集中させるには、やる気をくすぐるような声をかけるのが1番。
イチローや本田圭佑選手みたいに、誰にも褒められなくても超ストイックに目標だけを追い求めて日々集中して練習に励むことができればいいですが、そんな風に行かないのが普通です。
だから、やっぱり重要なのはコミュニケーション!
人に関わって、褒められたり、「こんな風にするといいんだよ」ってゴールを設定してもらったりすることが、子どもにとっては不可欠なのです。
子どもがイヤイヤ勉強をしているときこそ、ぜひ声かけを積極的にしていきましょう。
2.子どものイヤイヤを止めて、集中力を引き出す方法~苦手を克服、集中力もぐっと高まる~
子どもがイヤイヤ勉強にぶち当たったときにタイミングよく声かけができるように、勉強は、リビングやダイニングなど家族が近くにいるところでやるようにしましょう。
そして、子どもがイヤイヤ勉強のオーラを出していたら、終わってしまう前に声をかけることがポイントです。
例えば、子どもが嫌いな宿題の代表格「漢字練習」。
宿題を始めて5分くらい(子どもの集中力が切れてしまう前)経ったところで、ノートを覗き込んでみましょう。
そうすると、漢字練習が嫌いな子なら、あまり綺麗とは言えない字で投げやりに書いているかもしれません。
だからと言って、ここで「もっと綺麗に書きなさい!」なんて言ってはいけません!
自分で内的なモチベーションが見つけられないからこそ、イヤイヤ勉強になっているのです。追い討ちをかけるような、やる気を下げる言葉はNGです。
それよりも、たとえ殴り書きのノートであっても、必ず褒めてください!
でも、褒めるときに嘘をつくのはオススメしません。
ではどうするか?そのノートの中で1番キレイに書けている字を探して「この字、キレイに書けたね!」と言ってあげてください。
お世辞にもキレイに書けている字がなかったら、
「この止め、上手に止めてるね」
「このハネ、立派だね」
「このはらい、なめらかだね」
「この字は、マスからはみ出してないじゃん!!」
などなど、字の一部でも、マスに収まっているかどうかなど、褒めポイントはいくらでもあります!
他にも、
「削った鉛筆で書いたんだね!」
「力強く書いてるね(いい筆圧だね)」
「下敷き、使ってて偉いね」
「前より字がキレイになったね」
などなど、子どもの好ましいポイントを見つけて、きちんと言語化して伝えてあげてください。
そうすると子どもは、
「えっ!この字って良いんだぁ〜」
「このハネ、確かに上手に書けたな〜」
「本当だ!この字だけマスからはみ出してない!」
など、自分の行動を振り返って、良い行動に気づくことができます。
どんな小さいことでも、子ども自身が「そうか、こうすれば良いんだな」と気づけば、やる気が出てきます。
「もっと良いハネが書けたら良いな」
「マスからはみ出ないように書けば良いんだな」
と、次の行動の基準やモチベーションが設定されるわけです。
そして、さらに5分後、
「そうそう、良いハネが増えたね〜」
「わ〜、マスに収まってる〜かっこいい~」
など、さらに良い行動を強化してください。
そんな風に、5分に1回でも肯定的な言葉をかけられたことで、 子どもは次第にやる気が出てきて、ハネやマスをよく見て書くようになって集中力がアップして行くわけです。
間違っても、お母さんが消しゴムを持って汚い字を消して「はい、もう1回キレイな字で書き直しなさい!」なんて言わないでくださいね。
子どものやる気を失せさせたら、子どもの集中力は益々ダウンします。
「どんな小さなことでも、1番良いところを探して褒める習慣」を大人が身につけることで、子どもの能力はどんどん磨かれていきますよ。
執筆者:吉野加容子
(発達科学コミュニケーショントレーナー、学術博士、臨床発達心理士)
(発達科学コミュニケーショントレーナー、学術博士、臨床発達心理士)