小学1年生が2学期に入って算数の文章問題が苦手な姿がみられているかもしれません。お子さんが自信を失う前にやってもらいたい効果的な3つの対応を紹介します! |
【目次】
1.小学1年生が算数の文章問題が苦手で困っていませんか?
2.「ちゃんと読みなさい!」はNG!今までうまくいかなかった訳
3.算数の文章問題の苦手が克服できるようになる3つの対応
①読み聞かせ&コミュニケーション
②文章問題を細かく切って読みましょう
③目的を示しましょう
1.小学1年生が算数の文章問題が苦手で困っていませんか?
小学1年生のお子さん、2学期に入って算数の文章問題が苦手な姿がみられているかもしれません。
計算はできるのに文章題になると止まってしまう…
このような様子は、実は発達障害・グレーゾーンのお子さんで学習障害の傾向のあるお子さんにとても多いんです。
発達障害・学習障害の傾向がなくても文章問題は苦手というお子さんもいます。
そんなお子さんに「ちゃんと問題を読みなさい!」といったところで全然改善がみられないのではないでしょうか。
そこで、今回はお子さんが自信を失う前にやってもらいたい効果的な3つの対応を紹介します!
2.「ちゃんと読みなさい!」はNG!今までうまくいかなかった訳
そもそも小学1年生で算数の単純な計算はスムーズにできるようになったのに、なぜ文章問題でつまずくのでしょうか?
それは、脳の理解のエリア、とくに言語理解をつかさどると言われている左脳の理解エリアが関係しているといわれています。このエリアの発達が未熟だと、言葉が頭の中でうまく処理されなくて、文章問題でつまずきやすくなるのです。
特に、発達障害・学習障害傾向のあるお子さんは、このエリアの発達が少しゆっくり目なことがあります。
また、発達障害がなくても、このエリアが未熟なことがあります。
ですから、小学1年生で算数の文章問題でつまずくのは、お子さんの気がゆるんでいたり、怠けていたりするからではないんです!
本人は、全力を尽くして取り組んでいることの方が多いものです。ですから、「ちゃんと読みなさい!」と言われても、どう「ちゃんと」したらいいのかわからず改善できなかったのです。
次にどうやってキーとなる左側の理解のエリアを発達させ、文章題ができるようにお子さんをサポートしてあげたらいいかお伝えしますね。
3.算数の文章問題の苦手が克服できるようになる3つの対応
ここでは、お子さんの理解力を育て、文章題ができるようサポートする方法を3つお伝えします!
◆①読み聞かせ&コミュニケーション
小学校に入ると自分で本がだんだん読めるようになってくるので、読み聞かせはあまりしなくなることが多いですね。
しかしお子さんの理解力をUPさせるためには、小学一年生でも中学生になっても読み聞かせはオススメです!
特に、発達障害・学習障害の傾向あるお子さんや文章問題が苦手なお子さんは、本を読むのがあまり好きではないことが多いです。
ですが、読み聞かせなら、お子さんの負担を軽くして内容を理解することだけに集中させてあげることができます。
1日10分でもいいので、できるだけ毎日取り組みましょう。
注意点としては、読む本は子どもが楽しいと思える好きな本にすること。子どもが「つまらない」と感じたら、頭に話が入らなくなってしまいます。
プラスして、読んだ後にコミュニケーションを取ることがオススメです。「最後どうなった?」とまず終わりから話を始めて、「その前はどうだった?」とさかのぼっていくと理解力がきたえられます。
お子さんがいうことが間違っていても「違うでしょ!」と全否定はしないようにしてくださいね。
「うん、うん」「なるほど」など、いったん子どもが言ってくれたことを聞いてあげましょう。
最後からさかのぼるのが難しいようなら、最初から順番に「じゃあ、最初はどうだった?」と聞いていきましょう。
それでもわからないようだったら、「うん、うん」「なるほど」と聞いたあと
「あれ?そうだったっけ?」
「確か…◯◯じゃなかったっけ?」
「あれ、お母さんも忘れちゃった。一緒に見直してみようか。」
という感じで、お子さんが乗り気になれば、一緒に見直して確認してもいいですね。
テストではないので、クイズのように「おしい〜!」とジェスチャーを入れながら答えると、子どもも楽しみながらやり取りができるかもしれません。
◆②文章問題を細かく切って読みましょう
実際に算数の宿題をやっていて、文章問題でつまづいている場面でのサポート方法です。
問題が文章問題になった途端に子どもの手が止まったり、グズグズしだしたり、注意がそれているときには、 お母さんが文章問題を細かく切って読んであげましょう!
長い文章は、子どもには情報が多すぎて、うまく頭の中で整理できないことも多いのです。
お母さんが文章問題を細かく意味のまとまりで読んであげるだけで、情報が細切れに頭に入ってくるので、理解しやすくなるのです。
注意点としては、「え?またわからないのね。」とお子さんのやる気をそぐような声かけはNGです。
まずは「宿題やってるね!」「もうこの問題終わったんだね!」と肯定の声かけをして、子どもが聞く耳を持ってから、「じゃあ、この文章問題はお母さんが読むね。」と介入します。
読み上げたときに、お子さんが「ああ、そうか」とわかった様子なら、あとはお子さんを見守りましょう。
「これはね。◯◯だからXXで…」とお母さんが解説したり、教えようとすると、話が長くなりそうで子どもは「嫌だな」と感じて聞いてくれないことになりかねません。
「お母さんうるさい!」と言い返されてしまうと雰囲気が悪くなりますよね。
しっかり身守りに徹して、問題に答えられたら、「できたね」と肯定して達成感を味わせてあげるのもお忘れなく。
◆③目的を示しましょう
文章問題の質問の目的、意図が分からずにズレた答えをしてしまうこともよくありますね。
そんなときは、お母さんが文章問題の意図を「こんなことが聞かれているんだよ」「問題を作った人は、こんな計算をして欲しいんだよ」と噛み砕いて話してあげると「なんだそういうことか」と理解しやすくなります。
この関わりは、日常のコミュニケーションでも相手に意図があるとわかるようになってくるのでオススメです。
このときもダラダラ話さずに、シンプルに短い文章で子どもにわかりやすく話してあげましょう。
話しかける前の「ここまで終わったんだね」の肯定の声かけと、終えた後の「できたね」の肯定の声かけもお忘れなく。
いかがでしたか?
算数の文章問題が苦手な様子が見られたら、「ちゃんと読みなさい」というのは終わりにして、お子さんの理解力が伸びるコミュニケーションをぜひ実践していきましょう!
文章問題の苦手への効果的な関わり方をお伝えしています!
執筆者:山田ちあき
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー、臨床心理士)