順番を待てない子どもに急かされてイライラするママはいませんか?レジに並んでいるときなど、何度も「まだー?」と言う小学生に有効な声かけがあります。順番待ちの体験が発達障害・グレーゾーンの子どもの自信になる会話術をお伝えします。
【目次】
1.順番を待てない子どもにイライラしていませんか?
2.待てない子どもは、なぜ何度も「まだ?」と聞いてくるの?
3.字ずらに惑わされず子どもの気持ちに注目しましょう
4.待てたことを伝える!それは子どもの自信になるのです
1.順番を待てない子どもにイライラしていませんか?
レジ待ちで並んでいるときや、赤信号で車がずらりと前に並んで止まっているときなど、順番を待っているときに「まだ?」「早く!」と急かしてくる子はいませんか?
前に人が並んでいて順番が来ていないことも、車が止まっているんだから動けないことも、小学生くらいになればわかりそうなものですよね。
わが家の娘は小学3年生です。小さい子じゃないんだし、どうして状況を理解できないんだろう?どうして待てないんだろう?と不思議でたまりませんでした。
「前に人が待ってるから順番はまだだよ。」
「見てみて。赤信号で前に車が止まっているからまだ動けないよね。」
怒らず丁寧に説明しながら言葉をかけているつもりでしたが、毎回同じことの繰り返し。
何度も「まだ?まだ?」と聞かれて、急かされることに辟易していた時期があります。
どうしたら、状況を分かってくれるんだろう。
発達がゆっくりな子なので、前に人がいるのに自分の順番が来ていないことを理解できていないのなら、年齢的にもマズイのでは…?そんな風に思っていました。
2.待てない子どもは、なぜ何度も「まだ?」と聞いてくるの?
コミュニケーションの本質として、大切なことがあります。
それは、字面と意味のズレをキャッチして、言葉の意味のほうに反応して言葉を選ぶということです。
例えば、ご飯の前に子どもがお菓子を欲しがって、ママは「ごはんのあとでね。」と言うことがあると思います。
最初は穏やかに接することができたとしても、何度もねだられたら…。
ママ「ごはんの後って言ったでしょ!」
子ども「うわ~ん!(泣)ママなんてキライ!」
ママ「キライなんて言わないの!」
こんなやりとりをしたことはありませんか?
実際にママのことが「キライ」になったわけではなくて、子どもはお菓子をすぐに食べたかったんですよね。
こうして話を聞くときは、ほとんどのママはこのことを理解してくださると思うんです。
字面と意味のズレとはこういうことを言います。
だけど、日常生活のなかで子どもに言葉をかけるとき、字面のほうに反応してはいませんか?
子どもに「まだー?」と急かされて「まだだねぇ。」と返事をする私。
子どもの言葉の意味を考えて、声をかけることができていませんでした。
順番が来ていないことはちゃんとわかっているのです。周りの状況を理解する力が足りないわけではなかったのですね。
それでは、そんな困った状況をどんな風に変えていったのかお伝えしますね。
3.字ずらに惑わされず子どもの気持ちに注目しましょう
「まだ?」の2文字に込められた子どもの気持ちは、「早く順番が来てほしい。」「待っているのは疲れた」などですよね。
待てない子どもの隠された気持ちに気が付いてあげることが大事です。
レジの順番待ちのときに言われたら「早くレジでピッてしたいよね。前に○人くらい並んでるかな?」
赤信号で止まっているときには「早く〇〇に行きたいんだよね、あと何秒で青に変わるかなぁ?」
他にも、ママが外出前にバタバタ準備をしているときに急かされたら、「待っててくれてありがとう。このお化粧終わったら出発しようね。」
私が「まだ?」という字面に騙されず、その裏にある言葉の意味をとらえて反応できるようになると、何度も急かされることがなくなりました。
待ちきれない!という気持ちのときに、状況を理解させようとしていたから、子どもの気持ちは満たされず待つことができなかったのですね。
また「早く順番が来てほしいね。」とただ共感するよりも次に子どもがする行動に注目したり、具体的な時間などを示すほうがうまくいきました。
具体的な声掛けで子どもにも見通しが立つため、待つことができるようになるのです。
そして、具体的に伝えるほうがさらに子どもとの会話が広がりやすいという嬉しい特典もありました!
4.待てたことを伝える!それは子どもの自信になるのです
待てたことを伝えるとなぜ自信になるの?と、少し唐突に感じるママもいらっしゃるかもしれませんね。
たとえ順番待ちのなにげない時間であっても、ママと子どもが楽しく会話しているその時間は脳の発達が加速している時間です。
肯定的なママの声かけが子どもに届くことで脳に良い影響を与えています。
なんとなく無言で過ごす待ち時間を卒業し、会話をしながらお買い物を終えたら「順番待てたね。」とひとこと、ぜひほめてあげてください。
場面によっては、待っててくれてありがとうというお礼の言葉も効果絶大です。
子ども自身が「自分は待てる子なんだ」と気が付くことができるからです。
そして、その待てる!できる!という気持ちが浸透していくことが、子どもの自信になるのです。
何度も「まだー?」と言われて、待てない子どもに困っているママは、ぜひ言葉の意味(子どもの気持ちや次の行動)に注目して、声をかけてみてくださいね。
そして、待てたことを肯定してあげてくださいね。
毎日の小さな積み重ねが子どもの自信を育てていきます。
ちょっとした困りごとはすぐに解決!ママに新しい視点をお届けしています。
執筆者:作倉 帆香
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)