発達障害・グレーゾーンのお子さんの小学校入学を控え、集団生活や学習面など不安になることありませんか?ADHD傾向で境界知能の息子が楽しく小学校生活を送れた経験をもとに、就学に向けて年長さんのうちにやってほしい本当の準備についてお伝えします。
【目次】
1.発達障害・グレーゾーンの息子の小学校入学が不安だった
2.小学校入学の不安が解消された!息子が楽しく小学校に通えたワケ
3.発達障害・グレーゾーンの子どもにとって大切なこと
4. 就学に向けて年長さんのうちにしてほしい本当の準備
1.発達障害・グレーゾーンの息子の小学校入学が不安だった
我が家の息子は現在、小学3年生です。
小学校入学前に発達障害の注意欠如・多動症(ADHD)の傾向と診断され、知能検査(WIS-Ⅳ)の結果では境界知能でした。
年長のときは、グレーゾーンの息子が安心して小学校入学できるようにと考え、就学相談を利用したり、療育で就学に向けての準備をしていました。
息子は幼稚園では時々、一斉活動に参加せずに、自分の好きなことをして遊んでいることもあり、また外遊びからお部屋に戻るときもなかなか切り替えることが難しい状況でした。
そのため小学校入学後に息子は通常級で、先生の指示を聞いて集団行動をできるか不安がありました。
また、息子は毎週療育でひらがなを練習していましたが、真似して書くことや覚えることに難しさがあり、私は小学校入学後に学習についていけるかの不安も抱えていました。
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2.小学校入学の不安が解消された!息子が楽しく小学校に通えたワケ
発達障害・グレーゾーンの息子は小学校入学し学校生活が始まると、私の不安とは裏腹に毎日元気に小学校に通っていました。
学習面での苦手さはあるものの心配していた集団生活においては大きな困りごとなくスムーズに過ごしていました。
私はそんな息子の小学校入学からの3年間を振り返り、楽しい学校生活を送るために必要なことは何かに気づきました。
それは、子どもにとって学校に行く楽しみがあることです。
食べることが好きな子どもにとっては給食の時間が楽しみ。
運動が好きな子どもにとっては体育の授業が楽しみ。
読書が好きな子どもにとっては図書室に行くことが楽しみ。
など、その子どもにとって楽しみと思える何かがあるかどうかです。
息子の場合は、幼稚園時代からずっと生き物が好きです。
そのためクラスでは生き物係に立候補して、係のお友達と生き物の話や飼育することを楽しんでいました。
また放課後は生き物が好きなお友達と、公園で虫捕りや、小川で魚を捕まえたりと、学校以外でも共通の好きなことで楽しい時間を過ごしていました。
息子は机上の勉強は苦手ですが、生き物をきっかけに友達関係も広がり、友達との交流を楽しみに小学校に行っています。
1日の大半を過ごす学校生活を楽しく送るためには、子どもの好きなことが学校での楽しみにつながるということが大切です。
3.発達障害・グレーゾーンの子どもにとって大切なこと
発達障害・グレーゾーンの子どもは、小学校という集団生活を過ごす上で、お友達が当たり前にできていることができない場面があるかもしれません。
例えば、
・見たり・聞いたり・覚えたり・想像するなどの認知力の弱さから、学習面でついていけない場面
・対人関係の不器用さから友達付き合いがうまくいかなくなる場面
・身体の使い方の不器用さから体育や図工・音楽などで思うように体や手を動かすことができない場面
が予測されます。
周囲と同じ行動がとれずに過ごしづらさを感じ、自信を失うこともあるかもしれません。
そうなったときに心の支えになるものは、学校での楽しみにつながる、たったひとつの「好き」なことです。
日頃から夢中になれるものがたった一つでもあれば、学校生活でもそれが子どもの強みになります。
子どもは好きなことをしているときは楽しいという感情があり、もっとやりたいと思うので、どんどん行動します。
行動すればするほど、脳が活性化し、そこから脳のネットワークが広がり、それをベースに脳全体が発達していきます。
そのため、好きなことをしていると、それをきっかけに苦手なことがいつの間にか克服されていることもあります。
例えば、息子の場合、生き物が好きだから
・生態や飼い方を調べたいと自ら本で調べる
・生き物を捕まえに行きたいと小川や公園に行く
・生き物はどうやったら捕まえることができるのか考える
ので、見る力・読み取る力・考える力・手と目の協調運動など、様々な脳の部位が発達しました。
まさに、好きに勝るものはなしです。
苦手が多い発達障害・グレーゾーンの子どもこそ、たった一つの「好き」なことを見つけ、そこをベースに子どものうちに秘めている力を伸ばし、強みにしていくことが大切です。
4.就学に向けて年長さんのうちにしてほしい本当の準備
就学に向けて、発達障害・グレーゾーンのお子さんにやってほしいことがあります!
それは年長さんのうちにお子さんが好きなことは何か見極め、好きなことに触れる機会を意識的に増やすことです。
具体的に子どもが好きなことは何かを見極めるためには、遊びの時間に何をしているかを観察します。
子どもの好きなことの見極め方として
・子どもが自ら繰り返し行うこと。
・楽しそうにやっていること。
・失敗してもやり続けられること。
があげられます。
子どもの好きなことの記録をつけておくこともおすすめです。
私は毎日3つずつくらい子どもが好きで夢中で遊んでいたことをピックアップし、そこからその好きを広げるために自分がどんなことができるかなということを考えて記録していました。
改めて記録をつけることで、子どもの好きなことを振り返る機会になり、子どもが何気なく言っていた、「やりたい」「行きたい」という言葉に注目でき、それを叶えるために行動に移すことができました。
息子は就学前の幼稚園時代は、毎日小川で生き物を捕まえることに夢中でした。
好きなことを好きなだけしていたので、生き物のことがどんどん詳しくなり、幼稚園でも生き物博士と言ってもらえるほどでした。
たった一つの、生き物が「好き」という気持ちは、息子に自信をつけてくれ、生きるエネルギーにつながっています。
息子はADHD傾向で境界知能という特性はありますが、「好き」を強みに毎日楽しく小学校に通っています。
ぜひ、お子さんのたった一つの「好き」の気持ちを大切に、就学に向けて年長さんのうちから自信や学校生活の楽しみにつなげてあげてくださいね。
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執筆者:菅野 美香
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)
(発達科学コミュニケーションリサーチャー)